何度言っても健康習慣を変えてくれないわけ
『病気になる前に健康の価値に気付いて欲しい』
と普段から書いてきましたが、今回は健康行動へ誘導するために欠かせないプロセスの重要性についてお話してみようと思います。
健康行動を作るには戦略が必要
まず、前提として人を健康にすることはとても難しいです。
それには、正しいプロモーション戦略が必要です。
そして、自ら改善することができるようにするプロセスを理解することが必要です。しかし、この健康行動を誘導するためのプロセスを理解している人がかなり少ないのが現状です。
例えばよくある話です。
ファーストフードが体に悪いことを聞いたお母さん。
娘さんに、
『とにかくファーストフードは体に悪いから、食べてはだめ』
と伝えましたが、娘は食べるのをやめません。
なぜでしょうか?
娘からすると、
周りの友達はみんな食べているのになんで私だけ食べてはいけないの?
みんな食べているけど、病気になってないし。
と思うわけです。当たり前ですよね。
では、言い方を変えてみましょう。
『ファーストフードには、トランス脂肪酸という悪い油がたくさん入っていて、この油は下半身に溜まって下半身太りの原因になるらしいよ。しかも、1回ついちゃうとなかなか取れないらしいよ。』
さて、これを聞いてフライドポテトLサイズを食べれますか?
もう食べられないと思うのではないでしょうか?
これほど、伝え方、つまりプロモーションというのは重要であるということです。なぜだめなのか、それが今のあなたにとってどれだけのデメリットがあるのかを明確に示す必要があるのです。
心にしみる言葉、肝に銘じる言葉
世の中には、健康に関心がある人もいれば、全く関心がない人もたくさんいます。
実は、日本人の中で言うと上位30%が健康行動にすでに取組み、下位70%が健康無意識だということがわかっています。そして、当然それぞれに必要な訴求方法が異なってきます。
この健康への関心度と、健康改善の知識の有無で4つの事象に分けた図があります。
縦軸に、知識の有無。横軸に、健康への関心度を示しています。
ここで注目してもらいたいのが、クラスタBとクラスタDになります。
クラスタBは、関心はないが、知識はあるという層です。
クラスタBをクラスタAに移動させるために必要なのは
心にしみる言葉です。
『健康になると、お肌にきれいになって、痩せて綺麗になるよ!』
『健康になると、モテるし、仕事の効率も劇的によくなるよ!』
といった健康になることでのプラス面の訴求です。
これでクラスタAへと移行し、健康行動を始めるようになります。
一方、一番難しいとされるクラスタDはどうでしょうか?
健康無意識層の中で最も多いのがこの層です。
クラスタDをクラスタCに移動させるために必要なのは
肝に銘じる言葉です。
『このままの生活習慣を続けると病気になって仕事ができなくなりますよ』
『このままの生活習慣を続けると太って、彼氏ができなくなりますよ』
といった不健康になることのマイナス面での訴求です。
これでクラスタCへと移動し、健康行動への第一歩になります。
そして、クラスタCから知識の提供(セミナー、勉強会など)によってクラスタAへと上昇していきます。
多くの健康支援のビジネスモデルはクラスタAかクラスタCへの訴求になっています。ここには、多くのお客様は存在しません。
これから時代に必要なのはクラスタB、そして最も大きなクラスタDへいかにアプローチしていけるかということなのです。
絶対に飛ばしてはいけない”気付き”というプロセス
残念ながら、前述の通り日本人の健康意識は低いのが現状です。
70%の人は、健康なんてそもそも興味がないのです。
アッパーの意識で人に健康を伝えても、嫌がられて終了です。
興味がない人に、いきなり禁煙を勧めてみたり、サプリを売ってみたり、サラダを売ってみたり、いきなり専門家を呼んでセミナーをしてみたりしていませんか?
これでは当然多くの人は行動変容してくれません。
つまり、興味がないことを前提で仕組みを設計していく必要があるのです。
前述した通り、関心がない人にはまずは関心を持ってもらえるようなサインを与える必要があります。そして、そのサインは言葉であったり、データであったりとも言えます。
行動を始める前のスタートには”気付き”というプロセスが必要です。
人は自分が納得していないことをやりたくありません。
とにかく、『なるほど』と『たしかに』をたくさん引き出してあげることが特に健康行動へ誘導するときには重要です。
ほとんどの病気になる前の人は自分のことを不健康とは思っていないのです。そのままの生活習慣を続けるといかに問題なのかの課題認識がありません。それを客観的に評価してあげる仕組みが必要です。そして、その結果に納得することでようやく内発的なモチベーションが発生するのです。
しかし、残念ながら現状の日本には、病気をみつける仕組みである健康診断や人間ドックなどしかありません。これが目指しているのは、病気の早期発見であって、予防をいう領域ではありません。
だから、我々が作ろうとしている未病産業のトリガーには絶対的にこれを見える化する装置が必要なのです。そして、それこそがHQCチェックであるということです。
我々は健康無意識層を見捨てない
健康無意識層へのアプローチはかなり難しいのです。
儲けようとするなら、すでに病気の人に薬を売るか、健康マニアの富裕層に高額のサプリメントを売ると簡単かもしれません。
しかし、忘れてはいけないのが本当に不健康な人は健康無意識層の中にいるということです。
ここに介入していかないと、健康格差はさらに広がり、ますます病気の人口が増えていきます。難しいからこそ、そこには大きな市場が広がっており、チャンスともいえると思います。そして我々はその仕組み作りをしていくことで時間をかけてこの構造を変えていけると考えています。
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