人類史上最も安全に近いワクチンの接種が広がらない理由
みなさん、お久しぶりです!
今回は、ワクチン摂取状況から感じたヘルスプロモーションの重要性についてお話ししていきたいと思います。
コロナワクチンとは何者なのか?
世の中がコロナという新時代に突入し、早くも1年以上が立ちました。そして、それを1日でも早く収束させるべくワクチンが開発され、我々市民への接種がはじまりました。そうなってくると当然「打つべきか?」という議論が起こるわけです。
この議論をしていくなかで、まず重要なことはそもそもこのワクチンがどのような機序で作用するものなのかを知ることだと思います。
まず知るべきは、ワクチンはメーカーによって仕組みが違うと言うことです。日本で採用されているのは、ファイザーとモデルナのmRNA(メッセンジャーRNA)型のものです。それに対してアストラゼネカのワクチンがDNA型です。
まず、この2つに関してのメリットデメリットを理解しましょう。
RNA型のワクチン(ファイザー、モデルナ)
【メリット】理由は後述
・副反応が非常に少ない
・予防効果も格段に高い(9割を超える)
【デメリット】
・RNAは不活化しやすく、管理が大変(-30度以下の冷凍庫が必要)
DNA型ワクチン(アストラゼネカ等)
【メリット】
・管理が容易(RNAよりも安定性があり、不活化しにくい)
→管理体制がない国はこちらが優先される
【デメリット】
・一部重篤な副反応が確認されている
→体内に血栓が発生するなど
・予防効果はやや低い(6割程度)
つまり、コロナワクチンと一括りにするのは違うということです。
ちなみに中国製やロシア製のものもありますが、こちらはかなり粗悪なものとのことです。もちろんそれもきちんと調査した上で、日本人が接種するのは、ファイザーとモデルナのものだけです。他社のワクチン情報を混合して判断してはいけません。
私自身は大学院でDNAやRNAなどを改変する遺伝子工学を専攻していたので一般の方よりかは少しこの分野に明るいのですが、ファイザーのワクチンの構造を見たときにこんなすごいものをよく作ったなと心から感心しました。人類はとうとうここまで到達したかと、科学の素晴らしさを感じました。
少し難しいですが、こちらの記事を読んでいただければそれがわかると思います。
こういった機序を知ると、いわゆるワクチンデマで言ってることがいかに根拠のない代物かということかがよくわかると思います。また、ワクチンデマで主張していることの解説を丁寧に河野大臣がブログで解説しているのでこちらもあわせてご覧いただければと思います。非常に論理的で納得できる解説だと思います。
人類史上最も安全に近いワクチン
個人的な考えですが、今回の全く新しいmRNA型のワクチンはこれまでの歴史上もっとも安全に近いワクチンだと考えています。
・mRNA型ワクチンは、抗原自体を打ち込むものではないので、圧倒的に副作用が少ない点
・RNA自体もすぐに分解されてしまうので体内には残らないと言う点
・圧倒的な抗体効果
これは、インフルエンザワクチンが6割程度ということを考えると圧倒的な予防効果です。しかも、体内で翻訳するのはスパイクタンパクのみなので副反応も従来のワクチンと比べると圧倒的に少ないのも納得できます。
人類はこれまで様々な感染症と戦ってきた歴史がありますが、ここまで効果的なものを作り出したのは人類の英知の賜物だといえるでしょう。
とはいえ、そう感じるのはサイエンス思考ができる方だけで、サイエンスに実際触れたことのない方の中にはそうは感じない方もいるでしょう。
サイエンスとは統計学であり 100%効果がある、100%副作用がないというものはこの世にないことを理解することです。今回のワクチンに関しても、”最も安全に近い”のであって”100%安全ではない”ということです。
メリットとデメリットを比較して、それの割合が許容できるものかを冷静に判断することがサイエンス思考なのです。
ゼロリスク主義は科学を壊す
みなさんは、”悪魔の証明”をご存知でしょうか?
これは、悪魔がこの世にいないことは証明できないということです。
そして、存在しないということは証明できないという統計学の最も基本的な考え方を示しています。
あなたは、サンタさんが100%この世にいないことを証明できますか?
この基本を知らない人は、
・絶対に副反応はないとは言い切れない
・賛否が分かれるものは使わない
といった思考になります。
これを言い始めると、サイエンスそのものを否定すると言うことになります。逆に考えて欲しいのは、絶対に副作用のないものや、賛否が100%分かれないものというのはなんでしょうか?実はそれは虚像であって、そんなものは存在しないことが少し考えればわかると思います。
私たちは、何をするにも常にリスクを許容しながら生きています。
逆に言うと生きることはリスクを許容していくことともいえます。
例えば、車に乗るのもかなりのリスクですよね。どれだけ気をつけていても相手がぶつかってこれば命を落とすかもしれない。しかし、そのリスクを許容してそれ以上のメリット(利便性)を選択しているはずです。
外出だって、いきなり雷が落ちてきて命を落とすかもしれない。
しかし、その確率が相当低いことがわかっているから外出をするという選択をするわけです。
ゼロリスクは虚像であり、それを過度に追求することは能動的に生きる行為そのものを否定することになるのです。それをわかっているから科学者はあえて回りくどい言い方をすることがあります。ワクチンについても副反応の可能性を明記しているのはそういった理由です。
それを曲解して、ワクチンデマへ印象操作する人が多いです。
そういった人の特徴は、”絶対に”とか”確実に”といった言葉を使います。きちんと科学を理解している人はこのような言葉は使いませんので注意深く観察してみてください。
物事には必ず賛否が存在します。
大切なことはそれをど真ん中で冷静に判断することだと思います。
”安全でも安心できないもの”は広がらない
私個人の考え方としては、今回のmRNA型のコロナワクチンは人類史上最も安全に近いワクチンだと思います。しかし、だからといって即座に全国民にすんなりと広がるものではありません。
ここから見えるヘルスプロモーションの重要性について考えないといけません。人々は安全だからといってそれを信用しないのです。
なぜなら、不安だからです。
そう、今のコロナワクチンの状況は安全であっても安心ができないからです。この点について政府の戦略は本当に下手だなとも思います。
どれだけ安全性を主張しても、それは安心を担保するものではないので逆に陰謀論などが持ち上がってしまいます。
物事を普及させる時に必要なのは、安全性よりもむしろ安心性なのです。
安全性と安心性を別軸で考えないと本質が見えてきません。ここに極めて奇妙な、人の行動経済が存在するのです。
このグラフの縦軸は安心性、横軸は安全性です。
ここで注目していただきたいのは黄色の領域です。
実はコロナワクチン接種よりも、はるかにリスクが高く決して安全とは言えない食事や喫煙習慣を普段からしているのに、多くの人が懸念するのは、安心性が低いものであるということです。
かつて、豊洲市場への移転で話題になった毒性物質ベンゼン問題もまさにここが絡んだ問題です。ベンゼンが検出されたのは地下水であって、地上への露出は非常に低い濃度で安全基準内でしたが、その事実自体が安心できないことから事態は深刻化しました。
当時の小池知事は記者会見で、『安全であるが、安心ではない』と明言しています。このように事実ではなく、感情的な印象によって人々の行動が作られてしまうのです。
この点は、科学者としては憤りを感じる部分だと思いますが、現実問題として安心性も同時に普及させていくヘルスプロモーションを考えないといけないということです。
これからのヘルスプロモーションにおいて、安全性と安心性は両輪で考えて戦略を作っていくことが重要なのです。
【不安を大きくするもの】
情報量小 > 情報量大
未知(新技術を含む) > 既知
他人がコントロール > 自分がコントロール
利益が不明 > 利益が明らか
影響が不公平 > 一律に影響
大規模な被害 > 小規模な被害
合成物質 > 自然由来
科学的不確実性が高い > 不確実性が低い
打たない自由も保証すること
こういう時に、中国ならワクチン接種を拒否する権利はないかもしれませんが、日本は世界で一番自由が認めれた民主国家です。
打たないでいる権利も認められるべきですし、それを強制することはできません。しかし、集団免疫の獲得には全国民の70%の接種が必要と言われています。最終的な判断はもちろん個人に委ねられますが、このような事態においては自分はコロナなんて怖くないから打たなくてはいいというのは、少し自分勝手すぎるような気もしています。
コロナが嘘だ、ワクチンは人殺しなどといつまで主張したところで世の中は何も変わりませんし、経済は死んでいくだけです。今一番必要なのは、集団免疫を獲得し世の中に大きな安心感を取り戻すことです。
個人の権利が潰されるべきではないと思いますが、優先順位をもって今世の中を少しでも前に進めるためにはどうすればいいのかといった全体思考ができるかが問われていると思います。
まとめ
コロナという新時代によって様々なものが制限され不便になった一方で、時代が進歩した部分も大きいと思います。
ついついマイナスばかりに目がいってしまい、誰かを敵に仕立て上げたくなる世の中ですが、感情論ではなくニュートラルで物事を判断できるかが重要になってくると思います。
いち早くコロナ前の安心感を世の中に取り戻すためにはどうしていけばいいのかを一緒に考えていきましょう。
そして、この時代で私たちが学ぶべきヘルスプロモーションの在り方についても考えないといけません。日本に未病産業をつくるために私たちができることはなんでしょうか?
理想論ではなく、現実を直視しながら今できる行動をはじめていきましょう。
正しいヘルスプロモーションで未病産業を創る
私たちは、サイエンスど真ん中で人間のカラダとココロのメカニズムに向き合い、日本に未病産業を創出するためにチームで活動しております。
ともに未病産業を作っていきたい方は、いつでもお待ちしております。
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