本郷直樹さんとの対話
本郷「はじめまして」
みぶ「はじめまして……って言うか、本当ははじめましてじゃないんです。昔、本郷さんに会って握手して貰ったことあるんです」
本郷「へえ、そうなの?」
みぶ「ちょうど『僕でいいから』の頃です。イベントでサイン貰って握手していただきました」
本郷「新人賞獲って忙しかった頃だね」
みぶ「はい、ハードスケジュールでちょっと疲れ気味のようでした。でも、憧れの人を前にして光栄でした」
本郷「それはありがとう。新人賞の同期は女の子ばかりで、男はぼくだけだったな」
みぶ「ええ、集まってるファンも女の子がほとんどで男はぼくと弟だけでした」
本郷「いつ、ファンになってくれたの?」
みぶ「実は本郷さんがデビューした年に『乱暴者』という映画を観てマーロン・ブランドのファンになったんです。その後、本郷さんが“日本のエルヴィス・プレスリー”みたいに出て来て、ぼくも頑張れば“日本のマーロン・ブランド”になれるんではないかと……」
本郷「なんか、ちょっと微妙な感じだね(笑)」
みぶ「とにかく、プレスリーに憧れて自分もスターになったというオーラみたいなのが輝いてました」
本郷「プレスリーは中学時代からぼくのヒーローだったからね」
みぶ「それまで日本の歌謡曲というとグループサウンズくらいしか知らなかったんで『燃える恋人』には感動しました」
本郷「ぼくもあの曲をいただいた時、自分にぴったりな歌だと思ったね。衣装は絶対プレスリーと同じジャンプスーツと決めてたんだ」
みぶ「あの衣装はご自分で作ったんですか?」
本郷「もちろん、何処にも売ってなかったから手作りさ」
みぶ「今も大切にされてるんですか?」
本郷「実は伊丹幸男にあげちゃったんだ」
みぶ「あの人も福井出身ですね」
本郷「うん、同郷のよしみで……(笑)」
つづく