素晴らしき映画音楽について語る
「趣味は何ですか?」と聞かれたら、
「映画です」と必ず答える位には、私は映画が好きだ。
1日の終わりに、映画館のレイトショーに駆け込んで、見終わった後の感情の渦に巻き込まれながら家までの道を自転車で疾走する時の気持ち良さと言ったら。
忘れられないのは、シェイプオブウォーターを観た帰り道に、小雨が降り始めた日。あんなにも雨が心地よくを感じた日はない。
皆さんが映画を観るときの楽しみは何ですか?
映画そのものが好きなので、答えは沢山思いつくが、
一つ挙げろと言われたら、私は「映画音楽」と答える。
嬉しいなり、悲しいなり、感動なり、いわゆる「感情」と呼ばれるものは「心の振動」みたいなものだと思っていて。
心の中にはいっつもメトロノームみたいな針があってチクタクしてるイメージしてみて欲しい。
針の振り幅とリズムによって生まれる振動によって、感情の種類と強さが変わってくる。
映画音楽はその心の振動をチューニングしていると思う。
スターウォーズを例に説明したい。
例えば、あの超有名なスターウォーズのテーマソング。
あの金管が高らかと歌うファンファーレがあるからこそ、「これからスターウォーズサーガが始まるぜ!」って私たちはワクワクする。
ダースベイダーのテーマは、ジャンジャンジャガジャーンと刻まれるリズムが、何かやばそうな奴が近づいてくる足音のようで、「来るぞ…!」と私たちをドキドキさせる。
砂漠に沈む2つの太陽を見つめるルークの裏で流れるドラマチックなメロディーは、夢を抱いていた少年時代の自分と、ルークを重ね合わさせ、ロマンを感じさせる。
ぜんぶぜんぶ、音楽がなかったらここまで感情が揺さぶられる名シーンになってなかった。
映像だけでは伝えきれない、細かい気持ちの動きを音で心に届ける。
映画音楽にはそんな力があると思う。
しかも映画音楽は超綿密に練られて作られてるので、
「このシーンでこれを流したのはなぜだ?」とか考えると超楽しい。
シリーズものとかで、お気に入りの曲が盛り上がりのシーンで出てくると、
「くっそ〜やられた〜サイコー!!!!」しか考えられなくなる。
私はスターウォーズEp7フォースの覚醒の最後のシーンで“あの曲”が流れた瞬間、
「ここでこれはズルすぎる!ヤバイ!」
と興奮しながら、号泣した。
映画選びに、作曲家チョイスを。
スターウォーズの話ばかりしてるけど、こいつはただのスターウォーズ好きで、映画音楽好きではないのでは…と思われてそうなので、映画音楽作曲家の話をする。
映画音楽作曲家として世界一有名なのが、歴史に残るレジェンド、ジョン・ウィリアムズ!
言わずもがなスターウォーズは彼が作曲だし、「ジョーズ」「インディージョーンズ」「ハリーポッター」「ジュラシックパーク」等々、誰もが一度は耳にした事ある映画音楽は殆どが彼が生み出した。本物の人間国宝で世紀のヒットメーカーだ。
私の中でジョン・ウィリアムズは金管がのびのびと歌うメロディーを作るイメージ。ジュラシックパークのテーマなんかがそう。
でも私が彼の作品の中で一番好きなのは、バイオリンソロ曲の「シンドラーのリストのテーマ」。
ナチス時代のドイツを舞台にホロコーストをテーマにしたこの映画で、最後に美しく切ないメロディーが流れた時に、私はぼろぼろ泣いた。
シンドラーのリストといえば、スピルバーグ監督がアカデミー最優秀監督賞と作品賞を悲願のW初受賞した作品。
そうそう、ジョン・ウィリアムズはスピルバーグ監督お抱えの作曲家だと知っていただろうか?確かに気にしてみると、E.Tなり、ジュラパなりスピルバーグ作品はジョン・ウィリアムズの音楽が使われている。
ジョン・ウィリアムズに限らず、映画音楽にはレジェンドたちがまだまだ沢山いる。
「パイレーツオブカリビアン」「インセプション」「ダークナイトシリーズ」を作曲した、ハンス・ジマー。
「ニューシネマパラダイス」「ゴッドファーザー」等を作曲したエンニオ・モリコーネ。
「タイタニック」「アバター」等を作曲したジェームス・ホーナー。
「ロードオブザリングシリーズ」等を作曲したハワード・ショア。
どれも名作かヒット作なんだが、やっぱり売れる映画は音楽も良いので、もしよければ次はちょっと音楽に注目して観てみて欲しい!
そんでもってお気に入りの作曲家を見つけて、その人が作曲した他の映画も選んでみてほしいな。結構面白いよ!
日本の映画音楽
日本の映画音楽界の巨匠といえば、久石譲でしょう!
日本、いや世界のアニメ界を牽引するジブリの音楽はほぼ彼が生み出している。
久石さんはジョン・ウィリアムズと対極に、ストリングの音色を響かせるメロディーが得意なイメージ。
もののけ姫のテーマは、山がひらけた瞬間に、ストリングがユニゾンで壮大なメロディーを奏でる。アシタカがヤックルに乗って大地を走ってる姿が目に浮かんで聴くたびに胸が高鳴る名曲だ。
加えて久石さん自身がピアノを弾かれるのもあり、ジブリにはピアノメインの曲も多い。その中でも私は紅の豚のテーマが好きだ。ジャジーなメロディーが、大人にしか分からない恋を歌っているようですてきだから。
また、ジブリ以外にも久石さんが作曲を手がけた映画がいくつかある。その中でも「おくりびと」のテーマソングは超名曲だと勝手に思っている。たぶん久石さんはチェロが好きで、おくりびとのテーマではチェロが本当に美しい。「愛は刃物より〜」のフレーズでチェロが歌い出すと、私は毎回美しすぎてメロメロになる。
あと忘れてはいけない作曲家が坂本龍一さん。
数年前に、たまたま時間があったから映画館に入ってみたら、心も身体もズタボロにされた作品がある。
李相日監督の「怒り」だ。
あまりの衝撃に言葉が思い浮かばず、ただぼんやりとエンドロールを眺めていたら聴こえてきたピアノのメロディーにどんどん惹きこまれていって、「こんな音楽作る作曲家は誰だ!?」と思ってエンドロールを追っていたら、
“作曲 坂本龍一” の文字を見つけて納得したなんて事があったっけ。
映画の中の歌曲
私はミュージカルが好きだ。
正確に言うと、映画と歌曲のコラボレーションに弱い。
例えば、映画オールタイムベストを挙げろと言われたら、5本指に入る作品が新海誠監督の「秒速五センチメートル」。
山崎まさよしの「One more time, One more chance」はあの映画を何百倍も魅力的にしていると思う。(秒速五センチメートルはこの曲だけじゃなくて、サントラも超良いのでぜひ聴いて欲しい!)
既存の歌を映画の魅力にしてる作品は他にも沢山あるのだけど、1つおすすめするなら「アイアムサム」を。
学習遅滞を抱えた主人公がシングルファーザーになったお話。ストーリー自体もものすごくハートウォーミングでいいんだけど、The Beatlesの音楽がさらに作品の魅力を引き立てている。
他にも「50回目のファーストキス」×ビーチ・ボーイズの”Isn't it nice?”もいいし、「スタンドバイミー」なんて言わずもがな。
あ、「タイタニック」とセリーヌディオンの”My Heart Will Go On”も。
そうそう、歌曲と映画の組み合わせの天才といえば、ジョン・カーニー監督を忘れちゃいけない。
彼の作品に出てくる曲はほぼ全部オリジナルだけど、もう最高にイイ。
彼は「Onceダブリンの街角で」「はじまりのうた」「シングストリート」を生み出したした映画音楽界の新星で、どの作品も「どこかに心に傷を負っている男女」がメインキャラになっており、彼女達は心の叫びを音楽に乗せて、前に進んでいく。その姿はいわゆるミュージカルに出てくる胸を張って歌って踊るスター達でなく、私たちと同じように日々の生活でもがく人間だ。
私はその人間くささと、素直で優しい音楽が好きで、好きな監督を尋ねられたら必ずジョン・カーニーをあげるほどだ。
この3作品の音楽は本当にいいので、騙されたと思って一度見て欲しい。
ちなみに私は「シングストリート」を映画館で3回見たし、「Onceダブリンの街角で」の”Falling Slowly”と言う曲に憧れて、アコギを弾き始めた。
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以上私の映画音楽愛をひたすら語ったが、これを読んで少しだけ映画を観るときに音楽に耳を傾けてみてくれる人が増えてくれたら嬉しい。
それで、「映画音楽面白そう!」って興味を持ってくれた人には、「素晴らしき映画音楽家たち」って映画を勧めたい。
タイトルの通り、映画音楽家にフォーカスした作品で、これを観たら映画音楽の捉え方が変わること間違いなしだ。鑑賞後は音楽を聴くために見たい映画がたくさん増えるはず。私もこれを観てE.T.を見直したりした。
それからここまで読んでくれた人は、私が洋画に偏りがちだってお気付きのはずなので、アジア映画をはじめとした違うジャンルのおすすめ音楽映画があれば教えてください。
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※一部内容が間違っていましたので編集しました!(2020/1/5)