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お気に入りのビスケット
ここ数年、口にするものに気をつけている。健康ブームに乗じているというのもあるが、どうせならよりカラダに良いものを食べたいという欲求があるからだ。
「安い」や「好み」基準で選んでいたものを「品質」や「効能効果」をやや意識し始めるようになった。とは言っても結果的には好きなものを食べているのだけれど、同じ商品が2つあった場合に品質が良かったり添加物の少ない方を選んだりすることが多くなった。
そんな私が最近気に入ってよく買っているビスケットがBjORGのクリームサンドビスケット。BjORGは1988年にフランス・リヨンで栄養士たちによって創業されたSDGsな有機食品ブランドで、普通のスーパーで取り扱っているので手軽に購入することができる。LUなどの大手ブランドが出しているビスケットに比べると値段はちょい高め。
この手の健康重視系商品は他にもいくつかブランドがあるが、糖分が極力控えられている上に食物繊維多めの粉を使用しているせいでモソモソとした食感で味気のないものが多い。それに比べてBjORGのクッキーやビスケットはちゃんと甘くて美味しいものが多い。
中でも最近はこのクリームサンドビスケットのレモン味をよく食べている。そして何度もリピートして食べているうちに、これが昔々よく食べていたグリコのビスコに似た味がすることに気がついた。
このクリームサンドには他にもチョコ味やバニラ味もあるのだが、特にレモン味がビスコのオリジナルに似ている気がする。もちろんまったく一緒というわけではないが、雰囲気はしっかりと掴んでいると思う。
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私はビスコが好きだ。社会人になってからもたまにビスコを食べていた。だって好きだから。「おいしくてつよくなる」のキャッチコピーも好き。子供だけじゃない、大人だってつよくなりたい、そう思うことがしばしばある。
少し小腹が空いた午後、パソコンに向かってパチパチとメールの返信を打ち終わり一息ついてお茶を飲む。そんなティータイムのお茶うけにビスコをひとつ口に放り込む。サクサクと軽い口当たりが心地よく気分をリフレッシュしてくれる。エレガントなマカロンやガツンと直球なチョコって気分ではない時、サクッとおいしくてつよくなりたい時にビスコはちょうどいい。
自分の意思や感情を排除して与えられたタスクをこなす毎日を過ごしていると、気持ちが弱くなりがちになる。私って何が好きなんだっけ?と自分の好きなものすら忘れてしまいそうになると要注意。
生涯やり遂げたい好きな事、やりたい事、天職だと思う事を仕事にできている人ってどのくらいいるのだろうか?日本で働いていた時の私は、「自分に出来る仕事だから」という理由でその職場にいた。生涯やり遂げたいなど思ってもいないし、天職だとも思わなかった。
好きではなくても仕事をしないと生きていけない。だから仕事をしていた。
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今は会社勤めをしていないし割と自分ペースで生きていられるから、「つよくなりたい」なんて思うことはそれほどない。「つよくなりたい」のは何かと比べて「自分は弱い」と感じるからなのだろう。比べるものがない今は強かろうが弱かろうがそんなことはどうでもいいのだ。
それでも今も私がビスケットを食べるのは小腹の空いた午後。消耗したエネルギーを復活させるために一息つく時。小洒落たエクレアや艶やかなフルーツタルトを買ってきたり、こっそりと仕舞ってある濃厚チョコを頬張ったりしてもいいんだけれど、台所の棚からお気に入りのビスケットを取り出して、一枚頬張るだけで元気が出る。