ライブレポーヤバイTシャツ屋さん “ぶどうかん” ツアー 2022
友達に誘われて、ヤバTの初武道館ライブに行ってきた。メジャーデビュー曲で好きになったあと、3年ほどで聞かなくなってしまっていた。歌詞を重視しているわけではないが、ふざけた歌詞がメロディーを無駄にしているような気がして、聞かなくなってしまった。あと間奏で喋るのもあんまり好きではなかった。普段はセットリストのネタバレを見て予習していくのだが、今回はしなかった。最初のアルバムの曲をやってくれたらいいなと思いながら、武道館へ。僕にとっても初めての武道館だ。物販でタオルを買った。僕の家のタオルはバンドタオルが多い。吸水性はよくわからない。韓国アイドルのつるつるタオルは水を弾く。やばちもあまり機能が優れているわけではないが、大した問題ではない。座席は2階だった。遠くて、ながいことモニターを見ることになった。
ギターの練習をしているから、こやまのギターを見ていた。めちゃくちゃ上手い。ふざけているのに、上手すぎる。僕はギターがほとんど弾けないから、嫉妬する。2曲目の「Tank-top of the world」からウキウキした。知っている曲で盛り上がれると幸せだ。2階席も立たないといけない。大変だ。アリーナだけでいいだろ。隣の席のお姉さんはみんなの倍のテンポでヘドバンしていた。死ぬぞ。
ありぼぼちゃんがかわいかった。びっくりするほどかわいかった。あんなにニコニコしながら歌っている人は初めてだった。安室ちゃんを見ている時と同じ気持ちになった。抱きしめたい。そして歌が上手い。なんだあの声は。近くにいたら好きになるんだろうなと確信した。
メンバーの家族が出てきて、コラボしていた。あまり楽しくはなかったが、親孝行だ。ありぼぼちゃんのパパが三味線かなにかを弾いていたが、こやまと向かい合って目を合わせていたのが微笑ましかった。ちなみに僕はこれをMIYAVI弾きと呼んでいる。関学かどっかの教授だったよね。
MCがあって、こやまが神妙な顔で話し出した。大切な人との別れの経験の話だった。ずっとふざけているバンドがこんな話をすることもあるのかとびっくりした。表現が正しいかはわからないが、心を揺さぶるような、素敵な話だった。誰にもいなくなってほしくないと語っていた。予備校の授業で、小説は作者が伝えたいメッセージを物語形式で伝えたものだと学んだ。大学の授業と萩尾望都から、マンガも作者がテーマを持っているのだと知った。やばちが、ふざけたようなバンドも、音楽を通して何かを伝えようとしていることを教えてくれた。音楽をする責任について考える。誰にも聞いてもらえない音楽だが、それでも楽曲のメッセージを伝える責任がある。
次の曲、「寿命で死ぬまで」で感動した。ヘドバン姉さんも感動していた。ありぼぼちゃんも泣いていた気がする。リンク先のインタビューにもあるが、直接にメッセージを伝えた歌で、「あなたが居ないと寂しいけど 音楽の力はまじで凄いから」という歌詞が響いた。音を届けるバンドマンとしてのプライドを強く感じた。
アンコールの後、メンバーが一言ずつ話していた。ありぼぼちゃんは、「コロナ禍でライブハウスは厳しい状況が続いているが、私たちがライブハウスを守っていきます」と力強く語っていた。ライブハウスで育ったバンドとして、武道館でライブをするようになっても、原点を大切にしている姿に感動した。客の少ないライブハウスで全力でパフォーマンスしているバンドマンたちを思うと、音楽ファンである僕も、ライブハウスを守る手伝いをしなければならないと感じた。
こやま君は、これまで音楽番組で曲を演奏することはなかったが、解禁するかもしれない、と語っていた。少しずつ自分たちの勢いがなくなってきていると自覚していることを寂しく思い、またぜひ紅白出場の夢を叶えてほしいと思った。
とっても楽しかったので、また行きたいです。