初めての寄席
はじめに
7月某日、新宿末廣亭に、「寄席」を見に行ってきました。
新宿三丁目駅を出ると小雨が降っていて、30秒ほど歩いた場所に新宿末廣亭はありました。
薄暗い街中に提灯がぼんやりと光り、そこだけが時が止まっているかのような不思議な雰囲気を纏っていました。
今回初めて寄席の存在、言葉を知り、「寄席」と書いて「よせ」と読むことも知らず、予備知識がないまま足を運ぶことになりました。
そんな私が寄席に行き、
何を思い、何を得たのかを綴っていきます。
少々長いnoteとなりますが、適度に読み飛ばしながら最後までお付き合い頂けますと大変ありがたいです。
新宿末廣亭
最初に、今回訪れた「新宿末廣亭」について紹介します。
名称
新宿末廣亭
住所
〒160-0022
東京都新宿区新宿3丁目6−12
休業日
12月30日,31日
開演時間
20:30終演
昼の部 12:00~16:15 夜の部 16:45~20:30
入場終了 19:15
座席種類
イス 117席・桟敷 196席
入場料/当日自由席
一般 ¥3,000
シニア(65歳〜) ¥2,700
学生 ¥2,500
小学生 ¥ 2,200
↓その他詳しい情報は公式サイトをご覧ください!
「寄席」とは?
はじまり
江戸時代半ばに始まり、寄席は特に庶民に人気があり、江戸や大阪で人気が広がり、芝居と並ぶ娯楽の中心でした。
演じられる芸能
寄席では、
オムニバス形式で多彩な芸を見ることができます!
他にも、「漫談」や「ボーイズ」、「ものまね」や「紙切り」などさまざまな芸が演じられています!
7月上席に行きました
突然ですが、皆さんは「上席」と書いて何と読むか分かりますか?
「うえせき」、「かみせき」、「じょうせき」…。
正解は「かみせき」です!
私は自信を持って答えられなかったので、皆さんにも聞いてみました(笑)
ちなみに、
・毎月1日~10日を上席
・毎月11日~20日を中席
・毎月21日~30日を下席
と呼びます。
それぞれ構成や出演者が変わっていくので、一か月という短い期間でも、同じ場所で違った時間を過ごすことができます!!
私が行った7月上席の夜の部は、以下の写真の構成でした!
上演時間が約3時間半もあると知った時は、長いなと率直に思ってしまったものの、終わってみると一瞬の夢のようでした。
(ずっと座っていたたため、腰の痛みはありました(笑))
場内の写真撮影は禁止でしたが、末廣亭の公式サイトで中の様子を見ることができるので、見てみてください!
特に印象に残った演目
①奇術 山上兄弟
皆さんは「山上兄弟」と聞いて、「あ~!」となりますか??
雑な聞き方をしてしまいましたが、私は見たことがありそうだなと思いながらも、最後のお決まりのセリフ(?)を聞くまで思い出せませんでした(笑)
山上兄弟の奇術は喋りながらがら進めるのではなく、音楽を聴きながら目で見て楽しむことがメインで、普段より視覚に集中していたのですが、やはりタネを見破ることは不可能でした…。
幼い頃からの踏んできた場数の違いからか、「ドキドキが止まらない!」というよりは「安心して楽しんでいられる」という感覚がありました。また成長した姿を拝見したものです。
それでは最後に、、「てじなーにゃ!」
⇩山上兄弟の公式Twitter
②漫談 ねづっち
私が今回の出演者の方々の中で、
一番楽しみにしていた方がねづっちさんでした!
先日友達に、「ねづっちさんを生で見たんだよ!」と言ったら、「知らない。」と言われてしまい、肩を落としてしまいました…。
私が見た回では、ねづっちさんのご友人のお話がとても好評で、ご友人の天然エピソードで会場を沸かせていました。
私にはあの時の面白さを伝える力量がないので、ぜひねづっちさんの漫談を直接楽しんでいただきたいです!
(奥様のエピソードもとても面白かったです(笑))
また何と言っても、即興で行う謎かけは感心するばかりでした…。
挙手したお客さんを指名する形だったのですが、「本当に」ものの3秒ほどで「ととのいました!」とおっしゃっていて、お題を事前に知っていたのではないかと疑ってしまうほどでした、!
⇩事務所の公式ホームページ
③長講講談 神田松鯉
そして「トリ」を務めていたのが、
重要無形文化財保持者(人間国宝)である
神田松鯉先生でした。
今回の講談は、「四谷怪談」の女主人公であるお岩の、「お岩誕生」でした。怖いものが大の苦手な私は、終始肩に力が入っていましたが…(笑)
みなさんは「四谷怪談」を知っていますか?
私は言葉自体は聞いたことがあったものの、詳しくは知りませんでした。
広辞苑での定義は以下の通りです!
講談の最中、聞き入っては余計怖くなると分かっていながら、段々と話に引き込まれてしまいました。
話のクライマックスでは明かりがすべて消え、大きな声や音が聞こえるなど、更に恐怖を感じさせる演出もあり、終わった直後は放心状態でした…。
神田松鯉先生と、クライマックスでお客さんを驚かせていた2人のサイン色紙を、特に驚いてくれたお客さんに贈っていました。
怯え具合には自信があったのですが、私は真ん中に座ってたため、残念ながらご縁はありませんでした(笑)
⇩落語芸術協会のプロフィールページ
また、今回は紹介を割愛しましたが、神田松鯉先生の弟子である、神田伯山さんの講談は圧巻でした。
初めての寄席で素晴らしい方々の講談を見ることができ、幸運なことだと思いました。
皆さんにもぜひ一度見ていただきたいです!
⇩神田伯山さんのオフィシャルサイト
さいごに
何を思い、何を得たのか
最初に記述したように、寄席の存在さえ、ついこの間まで知らなかった私が、寄席に行き、何を思い、何を得たのかについて書いて終わりにしたいと思います。
まず、一言で言えば、
寄席に行ったことで、
日本文化の良さを再確認することができました。
ありきたりな言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、私は心からそう思いました。
現存する最古の木造建築の寄席で見た、巧みな話術、美しい三味線の音色、ゾッとするような怪談など、多様な芸で織りなされる空間が、ただただ心地よかったです。
江戸時代の半ばから続く芸能を、令和になった現在でも見ることができる、そしてそこには受け継がれてきた芸がある。それは本当に素敵なことだと思いました。
また、何を得たのかと聞かれれば、
実際に体験することの重要性を知ることができた
という経験を得たのだと思います。
寄せで行われる落語や講談、その他多彩な芸も、見ようと思えばテレビやYouTubeなどですぐに見ることができる時代です。
しかし、その場で実際に座り、場の空気、反響する声、お客さんの一体感など、画面越しでは感じることができないことがあると、改めて教えられたようでした。
自己紹介でも似たようなことを書きましたが、思えば新宿末廣亭で得た経験が、このnoteを始めるきっかけの一つになっていたのかもしれません。
↓初めて見てくださった方は、
自己紹介の記事も読んでみてください!
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!何か一つでも、皆さんの中に新しい気づきが生まれていれば嬉しいです。
日本芸術文化振興会が運営しているサイトでは、新宿末廣亭の他にも寄席を紹介しています。
再度リンクを貼っておくので、興味がある方はぜひ一度足を運んでみてください!
私自身、まだまだ寄席についての知識が浅く、寄席のおすすめポイントや感想など、コメントで教えていただけたら幸いです!
それでは今回はここらへんで :)
余談
2つ余談を紹介するので、お時間とご興味があれば、、!
余談①「トリ」という言葉
皆さんは「トリ」という言葉の発祥をご存知ですか?
実は寄席発祥の言葉なのです!
広く知られている言葉を寄席でも使用しているものだと思っていましたが、逆だったようです。
余談②新宿末廣亭は、MV撮影地!
新宿末廣亭のサイトの動画を見てピンときた方、もしくはMVを見て既に知っていた方もいたかもしれませんが…
ずばり、
米津玄師さんの「死神」のMV撮影地でした!
私は米津さんのファンで、新宿末廣亭に行くことを聖地巡礼としても楽しみにしていて、実際に見たときは感動しました。
いつか新宿末廣亭で「死神」の落語を楽しみたいです。
米津さんが座っていた席に座れるかもしれないという淡い期待を持っていきましたが、当然叶うはずもありませんでした(笑)
⇩良ければ見てみてください!!