「応用力が無い」と言われたら
「応用力が無い」は指導をする上でのセリフとしてはかなり不親切だと思う。
言われた方としては、応用力をつけるための適切なアクションがわからないから。
「応用力がない」と言われたらどうすればいいだろう。
基礎と応用について考えてみる。
例えば鉛筆。
鉛筆の基礎は「線をかくこと」。
応用は「線を繋いで絵を描くこと、文字を書くこと」。
さらには何かの問題でよく見かける(気がする)「ひどく寒い場所にいて、手元に何故かライターと大量の鉛筆しかないときに鉛筆を燃やして暖を取る」ことが当てはまる。
最初から「寒いときに手元にライターと鉛筆があれば、燃やして暖を取れば良い」と知っていれば、そういう事象にすぐに対処できる。
それを知らない状態で「木は燃やせる」「火は暖かい」「鉛筆は木製」というバラバラの知識をつなぎ合わせた結果、「鉛筆を燃やそう」という答えに行き着けることを「発想力」というのではないか。
上述のように、同じ事象(鉛筆の応用)に対して全く同じ対応をしても、「知識」と「発想」どちらを使うかは事象に遭遇した人間の「知識(経験)」の有無で異なる。
「発想力」が無くても、「知識(経験)」があれば問題に対処できるわけなので、「知識(経験)」を増やせば良い。
AIに俳句を作らせる話をテレビで観たことがある。過去に作られた俳句を大量にインプットして、それらを元に俳句を作っていた。
新しいものも過去の知識(経験)から生まれてくるとはこういうことではないか。
「応用力が無い」と言われたときにはひとまず下記2点を行えば大体対応できると思う。
・扱おうとしてる物(例であれば鉛筆)がどういうものか理解する。(「線を描ける」という機能だけでなく、「木製」という材質に目を向けるなど)
・扱おうとしている物を用いた事例を片っ端から漁っていく。(なぜ鉛筆を用いたのかを理解すること)
蛇足--------------------------
どうしても「発想力」が欲しい!という場合
デイル・ドーテン著の「仕事は楽しいかね?」という本で斬新なアイディアの生み出し方を紹介していたので、そちらを参照。先程の鉛筆を燃やす話のように、断片的な知識を組み換えることをポイントとしていた。
「発想力」は「既存の知識(経験)量」とそれらを「紐付けられる力」を合わせたものではないだろうか。結局、新しい何かを生み出すには既存の知識が必要なのだ。