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ワーホリって稼げるの?〜社会人ワーホリの実態〜

旅日記が続く中で突然のトピックではありますが、
今回はワーホリについて、金銭面にフォーカスして私見を書こうと思います。

書くきっかけになったのは、日本のメディア等でよく見る
「円安の時代、ワーホリで出稼ぎするべき!」
「海外では最低賃金が高いから楽に稼げる!」
みたいな記事に反論したかったから。

実際日本の知り合いからも「やっぱワーホリって稼げるの?」ってよく聞かれます。

私の回答は「そんなことないよ」
なのですが、どうして話題になっているほど稼げないのか、について
いくつかの観点から考察していきます。


0.はじめに

始まる前に前提条件の整理(と、少し言い訳。)

1)私の基本情報
大学卒業後、日系企業で丸4年間勤務。
会社を退社し、26歳の時にカナダへワーホリへ。
私が滞在しているのはフランス語圏のケベック州なので、選べる仕事の幅は英語圏に比べてかなり限定的です。(重要)

2)どんなワーホリにするかは人それぞれだし、タイミングや運、人脈などにも左右されます。もちろんここに書くことが全て正解ではないです。

3)国によって最低賃金や生活環境は変わります。
私が滞在しているのはカナダなので、あくまでもカナダの話だと思っていただければ。

4)私は日本で社会人経験を経てワーホリへ来ているので、日本で会社員として勤務していた時代と比較しています。学生の場合、感じ方は少し変わると思います。


さて、本題に入ります。

1.円安だから稼げる?

ここ2年ほど、大幅な円安の局面が続いています。

例えばケベック州の最低賃金は15ドル程度
1カナダドル90円の場合、15ドル1,350円
→「うーん、そんなに日本と変わんないな」

1カナダドル110円の場合、15ドル1,650円
→「日本より最低賃金が高い!」

ってことだと思いますが、そもそも日本円に換算して考えるのが間違ってない??って話です

なぜなら、ワーホリ期間中は海外で生活をするので、
収入も外貨だし、支出も外貨。

カナダで稼いでカナダで使うので
円安だろうが円高だろうが、関係ありません。


たとえ明日1CADが50円になろうが、200円になろうが
カナダで生活している限り1ドルは1ドル。
カナダで使うんだから、日本での価値なんて関係ない。


最低賃金や月々の月収を円換算するとすごく稼げるように見えますが、円換算した数字なんて意味ないです。


とはいえ、「資産に外貨が増える」という面でのメリットはあるし、もちろん渡航前と帰国のタイミングでは為替が関係します。

渡航前)渡航準備費用、航空券代、語学学校代、住居費、現地で職を得るまでの生活費は円→外貨に変えて使うので、円安はむしろマイナス要素。

帰国前)海外で貯めたお金を円へ換算する場合、円安であればあるほどプラス。

渡航前には円安のデメリットを受けるし、
どれだけ貯金できるか次第ではありますが、円安のメリットがあるのって最後のタイミングだけ。



さて次。

2.賃金が日本より高い?

これは三つの側面から見てみます

①最低賃金が日本より高い

→これは数字で事実として表されています。
私の住むケベック州では15ドル程度。
ワーホリ先に人気のバンクーバ(BC州)、トロント(ON州)はもう少し高くて16〜17ドル程度。
(まあ正直オーストラリアなんかと比べると、そんなに最低賃金高くないんですよね、、、)

なんですが、忘れてはいけない事実
物価が日本と比べ物にならないくらい高い!!!!!!

カナダではインフレがとんでもなく進んでいます。
日本でも色んなものが値上げされて話題になってますが、日本以上のスピードで値上げ。
地元民もコロナ禍前に比べると全てが値上がりしていると嘆いています。


まず何が高いって、家賃!!!!!!

これが日本に比べると本当に高い。
私の住む場所はバンクーバやトロントに比べると家賃は安いですが、水周り共同の狭いシェアハウスですら600ドル〜。一人暮らしなんてしようもんなら、倍以上はかかります。

カナダで一番物価が高いとされているバンクーバなんて多分もっともっと高いです。

高い家賃を払いながらも、シェアハウスという不自由な暮らし。とんでもなくQOLが下がりますよ。(私見)


生活に必要なものは日本と同価格かそれ以上。
日本より安いのはパスタくらいだと思います。

私の体感だと、
野菜は日本と同程度〜1.5倍
お肉・魚は日本の2倍以上
乳製品は同程度〜2倍(但し、大容量)

化粧品などの日用品は、同程度〜2倍ですが、
日本のプチプラコスメのような神商品が存在しないので、安く抑えるのは難しい。


さらに、日本の調味料や食材を手に入れようとすると、最低でも日本の2倍以上はします。(醤油とか、米とか基本的なものも高い)
そして外食は鬼のように高い上に、チップまで支払わなければいけません、、、

つまり、
最低賃金って物価などを考慮して決められているので、最低賃金が高いってことは、物価も高いということ。
収入は多いかもしれないけど、贅沢をしていなくても支出は多くなります。


②そもそも収入も多いの??

※カナダで飲食店勤務などの、所謂パートタイムのジョブをした場合を想定しています!

私的には、日本でフルタイムの正社員として働いていた人であれば
「NO」だと思います。

なぜなら正社員として働く上で、知らず知らずのうちに受けている恩恵がかなり大きいから。


日本で会社勤めをしている時は、給与の中から社会保険料や年金などを支払っています。

これらが払った分のリターンを得られるの?ってのは置いておいて、これらを納めることで将来年金がもらえるし、病院に行っても3割負担で済みます。

ワーホリだとバイトと同じなので、これらの恩恵は受けられません。
所得税以外には引かれないので、手元に残る金額は多くなりますが、それと引き換えに失っているものは多いです。
結果、自費で海外旅行保険に入るなど、それ以外のコストがかかります。



そして何よりボーナスや有給制度。
これは正社員の特権!!

働いているころはありがたみを忘れがちですが、失うとありがたさに気づきます。
ワーホリ中に体調崩して1週間休んだら、1週間分の給料がゼロになります。
そして一度にまとまった額が入ってくるボーナスのありがたみ、、、

雇用の安定性はもちろんですが、やはり正社員だと金銭面でもプラスに働くことが多いです。

あとこれは私見ですが、
オフィスワークに慣れた身体で立ち仕事するのは辛いので、そんなにパンパンにシフトは入れません。笑


ただし、
海外でバイトをする上で一番のメリットはチップがもらえること

チップのルールはお店によって違うし、職場によって左右されますが、これこそがワーホリが稼げると思われる所以でもあると思います。


私の場合、フランス語話せないとサーバーなどの所謂チップが沢山もらえる職で働くのが難しく、チップの恩恵をあまり受けていないので、詳しいことは分からないのですが…

単価の高い飲食店でサーバーをすると、基本給以上にチップが貰える事もあるとは聞きます。
チップは使ったお金に対して払うので、とにかく客単価の高いお店だと稼げます。

これはワーホリでのプラスポイントです。



③仕事の見つけ辛さ

仕事探しは本当に運とタイミング。
手に職を持っている方は分かりませんが、それ以外は基本的に難しいと思っておいた方が良いと思います。

SNS見てたら、理想通りの仕事をみんな簡単に手に入れてる!簡単に稼げそう!って思うかもしれないですが、理想の仕事に就いてる人しか情報発信してないorその人も色んな苦労を隠してるだけ、です。
SNSのあまーい情報が全部真実な訳ない。


カナダではただのバイトでも、日本では考えられないくらいの買い手市場。
バイト1人の採用枠に何十人と応募してることだって普通にあります。

そしてここ大切ですが、
ローカルの仕事を探すのであれば、採用の枠を争うライバルは
他のワーホリ勢ではなく、地元の子達です。

狭い枠を、ネイティブでビザの期限ない地元の子と争う…
考えただけで厳しいことが分かるかと思います。

ただ、こればっかりは本当に運なので、
レジュメ2ヶ月配っても仕事が見つからない人もいるし、
仕事探し始めて数日で思い通りの仕事を見つける人もいます。


みんながみんな、時給やチップがたくさんもらえる、イメージ通りの仕事に就けるわけではないし、希望しただけシフトを入れてもらえるわけでもありません。

また仕事探しに難航した場合、収入ゼロの期間が続き、金銭的な負担はかなり大きくなります。


3.まとめ

ここまでワーホリのマイナスな部分を書いたので
「これ書いてる人はワーホリ行って後悔してんの?」と思ったかもしれないですが、
確かに想像以上に辛いことも沢山あったけど、それを考慮しても、私はワーホリ来て後悔は全くしてないです!!


ただ、「お金が簡単に稼げるから!」
って理由でワーホリ考えてる人がいたら
そんなことないよ、ってリアルな事が伝えたかった、それだけの記事です。

異国で、外国人として働くことは、かなり大変なこと。
むしろ私がワーホリに来て感じたことは「お金を稼ぐことの大変さ」です。


お金を簡単に稼げる方法なんてこの世にないな〜って身に沁みながら、今日も働いてきます。


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