好き好き大嫌い
・今は亡き、遠いインターネットの話。
・好きな人のアンチスレをROMるのが趣味でした。
あ、書き込まないよ。
・好きな人、性的に扱われることをかなり忌み嫌っていることが知られているんだけど、にも関わらず、かえって抉るような下品でいやらしい眼差しで消費しようとする人間があまりにも多くて、苦しかった。行為として最悪としか言いようがないけど、痛いほどわかる。
「ぐちゃぐちゃに踏みにじる」ことでしか決着をつけられない愛もあるよな。
最悪だけど。
・高貴なる君、惨めったらしく死ね。
そんなことを夢見て気持ち良くなりたいだけで、もちろん実際に死んでほしいわけではないけど。やめてくれよ…。私は性を持たないイメージたちの織りなす愛が好きなだけなんだから生きてる人間の濃厚キスシーンなんて見せないで…。
・「大嫌い」と「大好き」の見分けがつかない。元々そういうものだって気もするけど、アンチの人ってアンチだと堂々と名乗るもんな。私もう何に対してもアンチともファンとも名乗れない気がしている。何もわからない。いつも心の片隅にいて都度思い出されて、汚点に気付くたび底の浅さが知れるたび、頭の中で批判を重ねるたび、好きで好きでたまらない。大嫌い。
別にクズ好きとか、そういう好意の共通フラグみたいなものはない。
「どうでもいい」はわかる。ただ単に嫌い、ただ単に好き、もわかる。
・高校生くらいの頃、リョナラーだった。検索されると多分グロ画像が出るので簡単に説明すると、好きの対象が猟奇的な目に合ってるとしこれるみたいな人のことです。けど、そもそも私よく考えたら割とグロいものって自分の身体も痛い気がしちゃってけっこうかなり苦手だし、もちろん対象に死んでほしいわけでもないし、今にして思えば、ある違和感の解決方法として誤って辿り着いただけで、元はシンプルにこれだけの話でしかなかったんじゃないか。
大嫌いと大好きの見分けがつかない。
・みんなみたいに花束捧げて抱き締めたくなれないことに対するふてくされた行く末。別に凄惨な姿になってほしいわけじゃなかったのに。ていうか好意を受け取られたところでどうしたらいいかわからないし。視線が返ってきた日にはもう死ぬしかなくなるじゃないか。圧倒的な現実に向き合う方法わからなすぎて生や死の表現でしか語れないの、あるよね。私はそうです。
カミソリ付きのラブレターみたいなグチャグチャの感情。生で向けられても相手は困っちゃうだろうってわかるし、わかるから、できないんです。それならいっそ初めから「正しい」思慕しかせずにいられる人間だったなら。
あるいは。
と、夢見ることさえしないくらいには、私はまともだ。
当たり前に君の幸福が嬉しい。死ね。日々が喜び多いものであるよう願うことが私にとっても希望なんです。死ね。私じゃない人たちに囲まれて、然るべくして、どうか幸せに。死ね。
高貴なる君、惨めったらしく死ね。
死なないで。私ごときの汚い望み通りになんてならないで。ならないだろう。当たり前だけど。君は私のどんな目つきも鼻笑いに付して、あるいは気付きすらしないで、明るいきょうを生きるんだろう。だから好きになったんだ。君は高貴なる君のまま、君の魂のテーブルにはきっといつでもすてきな花が置かれている。私に変えられない世界。
それでいいんだ。
・好きな人のアンチスレをROMるのが趣味でした。あ、書き込まないよ。書き込める側の人間に生まれられていたら、人を愛することだってできていただろう、どんな形であれ、はじめからなにもかも。そう、愛。
「私は踏みにじっている」、そういう建前でしか吐き出すことのできないグチャグチャの愛を目にするのが好きだった。
そんなとある悪趣味も、自然とやめてしまった。細々と残っている君のアンチスレには、あからさまな同業者による嫉妬のカキコしかない。だから。
あの場所はもうどこにもない。
・今は亡き、遠いインターネットの話。
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見るなの「とこしえなるものへ」
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