お酒はまだ飲めないけど
午後20時半に入店。私はソフトクリームとセットドリンクバーを頼んだがその日のソフトクリームが売り切れだったらしく代わりに小さめなチョコアイスがカップの上に盛りつけられていた。その時、特にお腹は空いてなかったがドリンクバーをセットにして安くするためだけのアイスだったからチョコだろうかバニラだろうが正直私はどっちでもよかった。
アイスは不思議だ。お腹が減ってる減ってない関係なく、するすると簡単に胃の中に入っていく。つめたくて甘い、幸せそのものみたいな食べ物。
その日は特に用事があるわけではなかった。ただなんとなく集まろうという理由で友達二人と近所のファミレスに行くことにした。気がつけば10年近くの付き合いになる友達。全部を知っている自信はないが適当な約束で適当な場所に集まれるそんな関係の人はそうそういない。
年々人と言葉を交わす機会が増えていると感じる。それは自分からそういう環境に身を投じていっているからだろう。人が好きなだけ好きな事を喋る空間が、私はとても好きだ。
かといって誰彼かまわず沢山話せるわけではない、私は昔からかなりの照れ屋の上人見知りだ。この人と喋りたい。この人を知りたい。私を知ってほしい。そんな感情が湧き出ないとうまく人と話ができない。
たわいのない話、憧れの恋愛話、ムカついた話、夜が更けるとともに将来の事など真剣な話にもなるが最後はまたしょうもない話に戻る。時間とか用事とか帰る場所とかそんなものが無ければ良いと思うほどそのループは心地よい。
気がつけば日付が変わっていた。帰りたくない〜めんどくさい〜とかなんとか言いながらもゆっくりと自転車をこいで帰った。帰りたくないという気持ちが足に伝わってるような気がした。
ふわふわ。キラキラ。
お酒は一滴も飲んでないのに。
次はカラオケに行こう。もうオールしてもいい歳になったみたいだし。いいね。いこう。
一人になった夜道は、なんだってできるような気がした。日常にこそ私のきらきらが潜んでいる。