今でも忘れられない
2016年夏、私が高校1年生だった時
将来の夢も、やりたいことも、志望校も、興味のある学部でさえ決まってなかった時
小中高一貫校・中高女子高で、凝り固まった価値観の中で過ごしてた時
私の人生が、価値観が180度変わった
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両親からの「今年の夏、カナダに留学に行ってきな」の言葉で、私はカナダのバンクーバーに留学する事になった。
当時は【英語・海外・外国人・海外の文化・旅行】どれにも全く興味がなくて、ひたすら「やだ!いきたくない!私が税関通れるわけない!飛行機で7時間!?物心ついてから海外に行ったこともないのに!やだ!キャンセルして!」って頼んだことを覚えてる。
それでも時間は過ぎて、あっという間にカナダの地へ
飛行機の中でも、間違ってワインを頼んだりそれをこぼしてブランケットで拭いたりで散々。カナダについてからも、毎日のポテトとパンとオレンジジュースとスクランブルエッグに飽き飽きして、現在完了形を教える授業も全く理解出来なかった。授業後のアクティビティだって何も楽しめなかった。
そして毎日のように口にした「帰りたい」と「まだ留学終わらんの?」。
カナダに留学して1週間たっても、私の海外に対する考え方は何も変わらなかった。
そんな時、私は自分が作ったきっかけからある先生に出会った。
その先生は、韓国系カナダ人で、留学生の受け入れをするボランティアとしてその留学に参加していた人だった頃。留学生みんなから頼りにされてて、すごく人気な先生だった。
そしてこの先生との出会いは、私が初対面で間違えて「あんにょん〜!(Hello)」を「サランヘヨ〜!(I love you)」と言い間違いしてしまったことだった。初対面で完全にやらかしてどうしようかと思ったけど、先生はそんな私に対しても優しく接してくれた
上にも書いた通り、私はその時英語にも海外にも全く興味がなかったから、その時の英語力は「Yes」「No」と挨拶を言えるぐらいだった。だからその先生とのコミュニケーションは、ただ手を振り合ったり、ニコニコし合ったり、ハグしたり、挨拶がわりの「サランヘヨ〜!」を言い合うだけだった。
こんな感じで2週間目に入り、1週間目に比べると生活に慣れてきてた。
相変わらず海外の生活には不便を感じてたけど、授業にもアクティビティにも楽しさを見出せるようになってた。「はじめまして」から始まった友達は、1週間も寝食を共にすればもう親友同然だった。先生に絡みに行ったり、夜にお菓子パーティーもしてた。
そしてそんな日々も過ぎ あっという間に2週間の留学生活は終わりを迎えた
お世話になった先生たちと最後のあいさつを交わして、みんなとハグして、留学してた場所から空港に向かうバスの1番前の席に乗り込んだ。その先生も何故か一緒に乗り込んできて、バスの前列に座るみんなとハイタッチして、私だけに韓国のしおりをプレゼントしてくれた。
その最後の最後で私はやっと気が付いた
それは、
世界の様々な国から同じ時期に同じ国の同じ場所に留学しに来ていること、
そんな人達と毎日当たり前のように挨拶をして、
「サランヘヨ〜」と言い合ったり、
顔を合わせてニコニコしていた事が、
つまらなくても、理解出来なくても、同じ教室で授業を受けていたことが、
毎日ポテトとパンとオレンジジュースとスクランブルエッグを食べる日々が、
当たり前のようにラウンジで集まって「日本に帰りた〜い」と愚痴をこぼしていた日常が、
全てが想像出来ない程の奇跡と偶然と必然で出来てて、もう私は私たちは、どんなに願ってもそこに二度と戻れないってこと。一緒に同じ場所に立つことは叶わないこと。
そして
留学に行きたくてもいけない人がいる中で、
たったの2週間しかなかった留学期間だったのに、
2週間が終われば世界中に離れ離れになってしまうのに、
私は「自分は英語を話せないから」と思い込んで、誰とも積極的にコミュニケーションを取ろうと動かなかったこと。その中でたくさん話しかけてくれた先生に対しても、自分の勉強不足であまり返事が出来なかったこと。
この2週間、自分が置かれていた環境がどんなに素晴らしくて価値があって、貴重だったかに気付けなかったこと。
バスの中で死ぬほど後悔した。涙が止まらなかった。飛行機の中でも泣き続けた。初めての経験だった。自分が嫌々始めたことが、こんなに大切な思い出・価値観に変化するんだと実感した。
そして「絶対にもっと成長してカナダに戻ってこよう」と自分に誓った。
それから死ぬほど努力した。勉強もしたし、ボランティアも、学年のリーダーにもなった。イギリスにもマルタにも留学して、本当に色んな経験を積んだ。
でも、まだ私は胸を張って自信を持ってカナダに帰れない。あの時「絶対にもっと成長して帰ってくる」と誓った自分の理想はこんなもんじゃない。
まだまだ努力していかないと、成長して自分が認める自分になりたい。もっと頑張れることを見つけたい。自分を追い詰めて行きたい。
また世界を自由に旅出来る世の中になった時、真っ先に大好きで大切な場所に向かうために