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便秘薬CMにモヤモヤ

薬剤師として前からモヤモヤしていることがあります。

それは便秘薬、酸化マグネシウムのCMです。


『非刺激性だからお腹が痛くなりにくくクセになりにくい!』


こんな謳い文句ですね!

確かに文章の意味は合っているのですが…これだと「刺激性便秘薬は強くて悪い薬」「非刺激性便秘薬は弱くて良い薬」という風に受け取られかねないなと思うのです。


もしそう受け取られた方がいたら、これは違うんです。


★刺激性便秘薬
腸を刺激して動かし、排便を促します。腸が動くと腹痛を感じたりします。
コーラックやセンナ、プルゼニドなどがあります。

★非刺激性便秘薬
腸から水分を引き寄せて便を柔らかくし、排便しやすくします。
酸化マグネシウムはこちらです。


確かに刺激性便秘薬だと腹痛があったりするんですが、それは薬が効いて腸が動いている証拠ですし、だからといって『強い薬』ではありません。


そもそも効き方が違うので、この2種類の強弱を比較することはできません。
重さと長さを比べているようなもんです。
(1mと1kgはどっちの方が強い?みたいな)


医師は便秘の原因を予測して薬を選びます。

腸が動いていないなと思えば刺激性、便が固いなと思えば非刺激性など、患者さんの話を聞いて選んでいます。

そして薬剤師は薬を見て『腸の動きが悪いのかな?』『便が固いのかな?』と予想しながら患者さんに質問します。
この症状にこの薬は合っていないのでは?量が多いのでは?と思えば医師に問い合わせの電話をします。

このように薬は基本的に症状や原因によって使い分けるんです。
(ものによっては患者さんの使い心地も大切なファクターです)

あのCMを見て刺激性を強い薬、非刺激性を弱い薬と思い、『便秘がひどい時は刺激性、軽い時は非刺激性』と判断されたら困るなと、ちょっと誤解を招くようなCMかな、と気になっていたので我慢できず文章にしました。


※どちらの薬も、飲みすぎれば下痢になります!用法用量を守り、体調をよく見ながらお使いください。

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kato misato(みーさん)
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