映画『すばらしき世界』 あなたは何を想う?
役所広司 × 仲野大賀 × 西川美和。
このメンツの映画が上映されると知った時は鳥肌が立ったが、結局映画館には行けず。
ついにDVDを借りて出会えた映画。
ひとことでは言い表せないが、あえて言うならば
「すばらしき世界」というタイトルは「皮肉」なのではないだろうか。
これは映画を批判しているわけではない。
むしろ「すばらしき世界」とは何なのかを、見る側に真っ直ぐ問うてるのではないかと感じたのだ。
ここではネタバレになるといけないので、あえてあらすじは記載しない。
役所広司(元ヤクザの三上)の危うさの中にある真っ直ぐな心。
仲野大賀(若いテレビマン)のヘタレの中にある三上に寄り添う気持ち。
「社会」「罪」「孤立」という切り口で問題作と言われているが、
「繋がり」「人間味」をキラキラとした柔らかい光で包んでいる映画に仕上げた西川美和監督。
その他のキャストも1人1人重要で、三上にとっては外せないピース。
そして映画を見てる側にとっても、そのうちの誰かに共感するのではないかと思う。
なぜならば、それは私たちが「今」を生きている人間だから。
「すばらしき世界」とは
独房から見る狭い空ではなく、天気に関わらず両手を広げても足りないように見ることができる広い空がある世界。
レールから外れて戻ってきても、人と関わることで自分が変われる世界。
他人だった人に自分に何ができるか考えられる世界。
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そんな世界の中にいる人でも、
自分より境遇が劣悪だった人を棚に上げようと世界。
自分が悪と思うことを声を殺して普通に振る舞う世界。
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そいう世界が共存してる世界が
「すばらしき世界」。
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個人的には六角精児が扮するスーパーの主人の関わり方に
「座布団3枚渡したい!」と、胸熱になったのはここだけの話。