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病院と行政で支援する側だった私が、母になって気づいたことと、今私がやりたいこと

ちょっと今日は、助産師・保健師として働いていたときに感じていたことをお話ししたいなと思います。

あくまで、1人の医療者&子育て中の母としての目線です。支援内容も、病院や地域によって異なり、さまざまな考えや方法があることを前提に、「この人はこんな風に考えてるんだな」という観点でお読みいただけたらと思います。


出産経験のある方は、産後うつのスクリーニングとして「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」 という質問票に回答したかと思います(覚えてないって人もいるかも…?)。

こういうやつ(日本産婦人科医会 母と子のメンタルヘルスケアより。一部抜粋)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001257706.pdf  


基本的に、出産後数日以内(入院中)、産後訪問そして、1ヶ月健診で実施されているものです。

私の前勤務先では、入院中にこの質問票を使ってスクリーニングを行い、継続フォローが必要と判断された場合には 退院後の1週間健診や電話訪問を案内してフォローをしていました。

さらに、その後も地域でフォローが必要そうな場合には、 居住地域(または里帰り先)の保健センターと連携を取ることになっていました。

病院で感じたこと

病院の助産師として働いていたときに感じたのは、

「ちょっと不安はありそうだけど、このお母さんなら大丈夫」

と判断されると、 地域での継続フォローの対象から外れてしまうんだな、ということ。

もちろん、人的資源にも限りがありますし、本当に支援が必要な人が優先されるのは当然です(昨今、悲しい事件が起きてしまっていることも現実なので)。
でも、産後の不安って、どんなお母さんにも少なからずあるもの。
「大丈夫」と判断された人の “ちょっとした不安” もフォローできたら、もう少し肩の力を抜いて育児ができるんじゃないかな……そんな風に思っていました。

保健センターで知った現実

その後、私自身も出産を経験し、 保健センターのパート保健師として働く機会がありました。

そこで目の当たりにしたのは、 常勤の保健師さんたちの想像以上の忙しさ!

母子保健分野だけでも、
・乳幼児健診
・母子手帳交付
・発達相談
・毎日のようにかかってくるケース(要支援家庭)からの電話
・関係機関との調整や会議
・家庭訪問
・(コロナ禍だったので)自宅待機の健康観察の電話

……とにかく、目の前の支援が必要な家庭に対応するのが精一杯。
(私も学生の頃、地域実習で3週間保健センターで実習を経験したけれど、田舎ののんびり〜とした地域だったためか、都市部の保健センターの役割とも少し違うのかもと思います)


「うーむ……これは……病院とはまた違った忙しさ……これは 『自分でなんとかできる力がある』って判断されたら、フォローの優先順位が下がるのは仕方ないのかもしれない」

と実感しました。
(いや、自分でなんとかできるってそもそもすごいことで、決して悪いことじゃ全然ないんですが。)


それほど、本当にわずかなきっかけで母子に万が一が起こってしまいかねない家庭が、たくさんあるという現実を知ったのです。

それでも消えなかったモヤモヤ

そんな日々の中で、元々私はX(旧Twitter)で「育児アカウント」 を持っていたこともあり、

・妊活中や不妊治療中の人
・妊婦さん
・産後のママたち

のつぶやきをよく目にしていました。

時には、「助産師さんにこんなこと言われた!」とか「保健師さんに話してもどうせ解決しない。面談意味ある?」のような強い言葉も目にしました。

病院の助産師も、行政の保健師も、 母子を守るために精一杯やっている。

それでも、そんな言葉が流れてくるのは、「現実どうしようもなかったとしても、もう少し気持ちに寄り添ってほしい」そんなお母さん達の本音なんじゃないかなと思っていました。

(専門職目線で見て「それは確かにひどい!」と思うものも、「うーん…助産師立場だと賛成できるかは……なんともいえない……」みたいな様々な意見を見かけるのがSNSでもあるのだけど……)


それでも、

「なんとなく不安だけど、相談するほどじゃないかなぁ。」
「病院で聞くのはなんかちょっと申し訳ないし。」

そんな風に感じている人が、たくさんいることに気づきました。
そして、妊娠を考える段階から悩んでいる人もたくさんいるということも。


妊娠を考える前も、妊娠中も、産後も。
本当にちょっとしたことを、ただ話すだけでもいい。

子育て支援センターや児童館ももちろんあるけれど、
個人的に人見知りの私はたくさんの人がいる場が少し苦手。
そんな人でも安心して話せる、そんな場所があったらいいのになぁ。

でも、当時の私は、それを自分が作るなんて考えもしませんでした。

それが、 2024年の8月末。

ふと、

「あれ? もしかして、私はそんな場を作りたいんじゃない?」
と気づいたのです。

「こういうことができたらいいのに」とぼんやり思っていたことや、今までの経験が線でつながった瞬間でした。

何が正解とかはない。
でも、ただ寄り添って会話して、必要であればちょっと知識はお伝えして、そんな風に一緒に歩いていきたい。

こんな思いで、少しずつ行動を続けてきました。
きっとこれが私のライフワークなんだろうなぁ、と今は感じています。

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さっこ|「私らしさ」をはぐくむ助産師
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