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雪想③

曲を流しながら読んで頂けたら幸いです。


2021/12/25(土)8:48

世間の皆様はクリスマス、Twitterを開くと子供達の喜びとサンタさんの笑顔が溢れていた。

「良い事だ、みんな健康で元気でいてね」



さて、私は…

ならないはずのLINEがなった昨日

「10年か…」

誤送信だと分かっているのに、なにかを期待して返信してしまった。


いるわけないのに…


早起きをして家を出た。


「寒い…」


昨日あんなに暑かったのに


待ち合わせ場所は不運にも彼と良く言ったデパート

「みんな変わったな…」


指定の場所に着くと懐かしい顔にバッタリ会った。

(一瞬、だけどすごく長い一瞬、時間が止まった。)

「蜜柑さん、久しぶりですね。クリスマスデートですか?」

「幸二…君…⁈、久しぶりだね〜!10年ぶり?でっかくなったね〜心太より大きくなってるじゃん。」

彼の弟君

あの頃は高校生だったかな。

「自分、27ですよ。いつまでも子供じゃないです。」

「そっか、そっか〜立派になって、あの頃もそうだけど、兄ちゃんそっくりだね〜。一瞬、心太のお化けかと思ったよ(笑)」

「まだ、引きずってるんですか?アイツの事」

「こら〜口が悪いぞ〜兄ちゃんをアイツ言ったらダメだぞ〜(笑)」

「相変わらずですね。で、デートですか?」

「そんな、感じかな?」

「幸二君もクリスマスデートかい?ええの〜ええの〜幸せいっぱいだの〜。私にも分けてくれないかの〜」

「わけに来ました。」

は?

(°▽°)?←こんな顔してたと思う。


「幸せ。わけに来ました。LINE送ったの俺です。」




驚きというより、状況が理解出来ずに固まる私をみて。彼の弟君が私に続けて言った。

「兄貴の携帯、解約せずにずっと俺が持ってたんです。」

だからか…

だから連絡来るはずない彼からLINEきたのか…


「ずっと好きでした。」





は?


うーん…

なに?

心太の携帯をずっと幸二君が持っていて、10年ぶりに私にLINEして。


今、私。「告白されてる??」


「幸二君、いくらクリスマスが1人っても悪ノリがすぎるよ。ちょっと私でも困るよ。」

「蜜柑さん、マジです。クリスマスだからじゃなくて、兄貴がいって10年、ずっと想ってました。」

「…なんで?可哀想だと思ったの?私は今でも幸せだよ。」

「違います。兄貴と一緒に笑っている2人を見ていて理想の2人だと思ってました。兄貴がいってからも蜜柑さんはずっと兄貴の事想ってて、1人で頑張ってて。そんな姿をみて今度は俺が蜜柑さんを笑顔にしたい。そう思ったんです。」

「今年で10年…兄貴もわかってくれると思ったんです」

「幸二君…、気持ちはすごく嬉しいよ。ありがとう。でも…私たち20歳も歳が離れてるんだよ。あなた達のお母さんの方が歳はちかいんだよ。」

「わかってます。」

「あなたは27歳、まだまだ、たくさん恋をして結婚して子供や奥さんと一緒に幸せになって欲しいの。私と一緒になってもそれは望めないの。分かるかな」

「わかりません。」

「私は歳も歳だから子供は望めないかもしれない。このままいけば。あなたより先に死んじゃうの。心太も幸二君には幸せになって欲しいって言ってたの。」

「私もあなたに辛い思いをして欲しくない。普通に幸せになって欲しい。」

「それでも、俺は蜜柑さんと一緒がいい。」

ぁぁ

同じ目をしている。一度決めたことは曲げない。真っ直ぐな目。

なんで兄弟2人して私なんかに…

彼の真剣な眼差しに、あの人の姿が見える…


「幸二君…私は今でも心太が好き。この先もそれは変わらない。あなたとは一緒にはなれない。だから諦めて欲しい。ごめんね。」



「絶対そう言うと思ってました。」


泣きそうな笑顔で彼は言う。


「やっぱりダメかー!今日、夢に兄貴が出てきて言ったんですよ。」

「アイツは頑固だからお前が告白しても振られるぜ。俺もそうだった。だけど…お前なら頼めるよ。アイツをお願いな。」って。



涙が溢れていた、

10年だよ…長すぎるよ…

なんで。私の夢にででくれないのに

彼が私を抱きしめた。

「俺、諦めませんから。絶対、兄貴より蜜柑さんを幸せにします。」


同じ匂いがする。懐かしい匂い…


止まっていた時間が動きだす…


夢から覚める時…


目が覚めるときには隣にアナタがいて欲しい。



終わり。



フィクションですが、少しだけ実話が入ってます。


最後までお読み頂きありがとうございました、

素敵なクリスマスを!

 merry merry Christmas!!


全ての人が笑顔でありますように!