あなたに逢えるなら泡になって消えても良かったのに。
「わたしね、結婚するんだ。」
「だから、もう…連絡できない。」
「そっか、わかった。」
「幸せになれよ。」
「うん。ありがと、」
「大丈夫だよ。お前ならきっと…」
「そうかな。」
「そうじゃないと、俺が困る。」
「そうだよね、そうだもんね…」
「…」
「…私達…なんで…」
「…」
「ダメなんだよ。」
「一緒にいる時間が長すぎた、また次も…」
「うん」
「…」
「…」
「なにを間違ちゃったんだろうね」
「なにも間違ってないよ」
「…」
「私は今でも、好きだよ…」
「俺も好きだよ。ずっと好きでいる。」
「…」
「結婚するんだろ。」
「…うん」
「子供ができたの…」
「良かったじゃん。子供欲しいって言ってたろ」
「…うん」
「うれしくないのか?」
「わからない…」
「ちゃんとやっていけるか不安だし…。…」
「大丈夫だよ。お前なら大丈夫。俺の面倒も見れただろ。」
「だいぶ手間がかかりました」
「笑」
「…」
「だから、大丈夫だ。」
「…うん…。」
「もう、今日で最後だから、連絡してくるなよ」
「わかった…」
「もし…どうしようも、いや。やめよう。お互いに前に進む時だよ。」
「友達じゃ…ダメかな…」
「おれが耐えきれないな」
「そうだよね、ごめん…」
「いいんだよ。」
「仕方がない。」
「…」
「じゃあ…」
「…うん、」
「元気でな。」
「うん。」
「…」
「がんばれよ」
「うん…」
「…」
「…」
「…泣くなよ…」
「でんわ、きりたくない」
「俺もだよ。」
「ごめんな。俺が幸せにしてあげられなくて…」
「ちがう。私が…わたしが…」
「幸せになって欲しい。」
「頑張る」
「…」
「ありがとう…」
「ありがとう、またな。」
「ありがとう…またね。」
…
…
…あの時、本当に逢っていたら。
私は全てを捨てて、あなたと一緒になるって決めていた。
次はもう、ぜったいに離れないって分かってたから。
最後のタイミングだったから…
あなたは優しい人だから、許してはくれないこともわかっていたよ。
どうしてかな…
好きなのに…大好きなのに…