恋は花粉症のように…
忙しい…
4月はただでさえ新年度で忙しいのに
それも、ポールダンスの大きなイベントの参加が決まっていた。
私なんかが、参加しても…
そこから不安な毎日だった、振り付けに身体が付いてこない。明らかな体幹不足、分かってる。
そんな事は誰よりも分かっている。
体調の変化で浮腫むし、練習の焦り。プラスの仕事での大阪。
私と社長しかいないのに、あのハ…いややめておこう。
ただだだ、忙しい。祖母の事も母の事も、こんなにも命を削っているのに…
でも、私を慕ってくれるスタジオメンバーにも、この大舞台のチャンスをくれた師匠にも答えたい。
なによりも、弱い自分から抜け出したい。
あぁ、衣装はどうしよう。何回も何回も練習してるのにタイミングが合わない。
不安しかない、逃げたい、やめたい、でも、やりたい。
毎日が必死て正直、イベントが終わったときにはホッとして涙が溢れた。良かった。ちゎんとできたかは分からないけれど、できた。
後で動画を見た時は、あんなにもタイミングが合わなかったダンスがシンクロしていた。
よかった、ほんとによかった。
練習は裏切らない。みんなのおかげ、良かった。頑張って良かった。
イベントの熱が冷めるまえに、仕事もある。
急に現実っていうね…
仕方ない。
大阪に出張、「石ふしき大発見展」
今日も大盛況、忙しい事は良い事だ、
「こんにちは」
声をかけられて
仕事モードの私は
「こんにちは、いらしゃ…」
言葉が、イヤ、時間が止まった
あの人が私の目の前にいる。
「タケちゃん…」
「今日、大阪に出張があってさ、カオリがブース出してるって聞いたから」
「ありがとう…お隣の方は…」
「あぁ、妻だよ」
「(!?!?!?!?)」
「きれいな奥さま、もしお気に召すものがありましたラ…」
そこから、あまり覚えていない。他のお客様もいたし。なにより
「妻だよ…妻だよ…妻…つま…」
分かってた。分からないようにしてた、
だってsnsだもん。
私が勝手に憧れてただけ…
コロナが落ち着いて、あっくんが書籍デビューして、私も忙しいのもあったけど。
そんな、匂わせなかったじゃん…
初対面なら、私は可愛い下着を着て、あなたの部屋まで行く覚悟はあったののに。
ズルいよ…。
仕事モードでの時にそれもキレイな奥さまと一緒で…
これも悪い夢、涙も鼻水も花粉症のせいだよ。
「タケちゃん、いったいどうしちゃったの…?私達3人はずっと一緒だって言ってたじゃない…」