雪想②
曲を流しながら読んで頂けたら幸いです。
(音量注意)
「蜜柑さん、クリスマスはどうするんですか?」
「私?私はもちろんお一人様よ(笑)」
「えー。寂しくないっすか?」
「まったくない…みっちゃん(猫)抱っこしてビール飲む至高なり!」
「えー蜜柑さん、ブスじゃないしモテそうですけどね」
「ちょいちょい!言い方!なによブスじゃないって!」
「可愛いって意味ですよ(笑)」
「100年先まで根に持つからね」
「おーこわ!じゃ、自分、彼女とクリスマスデートなんでお先でーす。」
「はいはい、お疲れ様、お幸せに〜」
そうか…クリスマスか。
あの日から何年たったかな。覚えてないや、チキンでも買って帰ろうかな。
どこに行ってもクリスマス。ハッピーな音色、良い事だ。幸せなイベントなんだから、幸せであるべきだ。
それに比べて私は…
「ふん。」
鼻で笑う、
「なにを言ってるんだか、普通の金曜日よ。」
溜まっていた洗濯物を回しながらビールを開ける。
「沖縄22℃…暑くない?そりゃビールが美味いわ」
あー友達がフォートナイトでクリスマスチャレンジって言ってたな…。
24日で仕事納め。いいなぁ〜。
平日禁酒令もなんのその。
ビール3缶目を開けて昨日のnoteの続きを書いていた。
LINEの通知音がなる。
23:56分
「嘘…」
あの人からのLINE
「久しぶり、クリスマス暇だろ。飲みに行こぜ!」
酔ってはいない。起きている。猫の喉鳴りも聞こえている。
「心太…」
心臓が鳴る。なにかの間違いだ。
立ち上がって、スマホを見る。
「久しぶり、クリスマス暇だろ。飲みに行こぜ!」
久しぶりの通知、LINE、あの人の言葉…
泣きそうになる。そんなはずないのに
あの人がいなくなっても、LINEの友達リストにはずっと残っていた。
手が震えている。涙がでてきた。
ない。
絶対にない。
来るはずがない。
だって…
あの時、 れたから…
全部の音が止まってた。
聞こえるのは、自分の心臓の鼓動だけ…
冷静になれ。私
スマホは解約している。他の人が同じ番号になってLINEしているだけ。
なにかの間違いで、私に連絡しただけ。
だだの間違いだ。
間違いだから
間違いだから…
泣くな、泣くな。泣くな…
「すみません。誤送信です。こっち連絡しないでください。」
「失礼しました!もし明日時間あれば、一緒にお茶しませんか?自分、クリスマス暇なんです。奢りますよ〜。別に変な意味じゃないですからね!」
いつもなら、即ブロックするのに…
あのひとじゃないってわかっているのはずなのに…
「別にいいですよ…」
続く