K“iss a happy purse. KIGO
私は良く仕事帰りに「いつもの店」にいく。
駅から近く、隠れ家的な雰囲気で、なによりもこのカウンターに座って赤いトースター君の顔を見ながら飲む一杯がたまらなく好き。
もちろん料理も美味しい。ピザは格別でここにきたら必ずオーダーする。
マルゲリータ
農園ハーブサラダ
ハートランド
去年の6月に財布を新調しました。snsを通して知り合った革職人さんのハンドメイドの長財布、色はカバンと同じカラーのネイビー。
今日はこのお店とお財布が運んでくれた出会いを少し話そうと思います。
…
その日は渋谷で仕事があって、彼の方から「近くなら一緒に食事でも」と一緒にセンター街のイタリアンでお酒を飲んだのが初めての出会いでした。
初めてと言ってもsnsで前から知ってはいました。彼も色違いの財布を持っていて、偶然のようで必然な形でお揃いになりました。
会って話すのは初めてでしたが、初めての感じがしなくて…とても楽しく2件目のBARでは彼が嬉しそうにカウンターに財布を並べて売れしそうに笑う顔に私も笑顔になれました。
彼が「この財布は幸運を呼ぶ財布」と言って、話は盛り上がり彼のジントニックはすぐに無くなっていました。
早い時間には帰るつもりでしたが、楽しい時間はあっという間です。これも財布の魔法でしょうか、終電もなくなり近くの…。まぁ私も良い大人ですから…、
朝、起きると彼は置き手紙を置いて先に出ていました。
少し寂しい気持ちもありましたが、これも夢かまぼろしか。顔を合わせないようにしてくれたのも彼の優しさなんだと思います。
…
それからしばらくして、
彼から連絡が来ました。
「その店に一度いってみたいです」私が良く行く「いつもの店」に行ってみたいとの事。
断る理由もありませんし、もう一度彼とお話ししたいと思っていたので快諾しました。
「可愛い彼女さんもご一緒に」
イジワルな心が出てきたのは、ここだけの内緒です。
駅で待ち合わせをすると、彼と彼女とHさんがやってきました。彼は彼女とペアルックでGUコーディネート、時計もお揃い。
少しヤキモチしそうになりましたが、可愛い彼女なので許しちゃいます。
Hさんと彼女さんは、この日が初めてではなかったみたいで、Hさんは彼女さんにデレデレでした。
あんかけスパゲッティや、普段snsで話してる事、
あんかけパスタではなく、あんかけスパゲッティと言う訂正が入ったりと楽し時間が過ぎ。
彼のお酒がなくなっていたので、なにかオーダーを訪ねるとジントニックと答えました。
(あの夜と同じ…)
彼が財布をテーブルに置くとHさんが
「おお〜、なんかお財布が、とてもいい感じですねぇ〜」
「あ、はい。これ、僕の幸運の財布なんですよ」
「へぇ〜、じゃ、今夜も何かいいことが起きたりして。僕と彼女に。なんちゃって!ガハハハハ」
私もこのお店に来る前に飲んでいたのですが、Hさんがとても楽しい人で素敵でした。
楽しかった時間も終わり、お店の前でお別れをしました。
彼と彼女さん、Hさんは同じ方向のようです。後から聞いた話ですがHさんは
「ワシは生涯現役や!ウハハハハ」と帰りの電車でも楽しんでいたみたいです。
帰っている途中で彼からメールが来ました。
「今夜はありがとう。楽しかったよ」
「…」
「Hさんは鈍感だから」
「…」
「大丈夫、うまくやってるから」
「…」
「ふとあの夜を思い出してね。君の財布と並べてみたくなっちゃったんだ」
「…」
「そうだね。また、飲もうよ」
「…」
「今度は、久しぶりにあの渋谷の店で」
少し寂しい気持ちと、これからなにか始まるかもしれない不安と期待。
家について一息…
26時44分、
彼からのメール
「お疲れ様、今日はありがとう。また一緒に、今度は2人きりで…」
私は嬉しくて
「ぜひ、次回はお互いのお財布を並べてジントニックで乾杯を…」
…
私にとってこれが恋と呼べるものなのかはまだ分からないけれど…
このお財布は「幸運を呼ぶ」魔法の宝物。
「一生、愛せるもの…」
私はお財布を手に取りKissをした。
Thank you very much for KIGO happiness.
stay with me…真夜中のドアをたたき
帰らないでと泣いたあの季節が 今 目の前
etc.
ps.
夜明けを見ていると昨日体感したことを反芻したくなる。 Hより
全部、フィクションです!!(多分)
この物語はフィクションです(多分)。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。知らんけど
幸運のお財布はKIGOさんの作品です。実在します。
みーこさんも実在します。
皆様もぜひ、「愛せるモノを、持ちませんか?」