【カンテレ演奏動画】『ヴェプスのダンス(Вепсский танец/Vepsian dance)』
第3回目にお届けするクロマティック・カンテレ演奏動画は、ヴェプス民謡である『ヴェプスのダンス(Вепсский танец/Vepsian dance)』。
クロマティック・カンテレのレパートリーとしてはM.ガヴリロフ編曲のものが知られています。
まずは編曲者であるガヴリロフの演奏を聴いてみてください。
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『ヴェプスのダンス(Вепсский танец/Vepsian dance)』
ヴェプス民謡
編曲:マクシム・ガヴリロフ(Максим Иванович Гаврилов/Maxim Gavrilov)
演奏:マクシム・ガヴリロフ
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動画は晩年のガヴリロフに密着したドキュメンタリー映画『カンテレに捧げた我が人生(Kanteleelle olen elämäni omistanut/Я жизнь посвятил кантеле)』より。
冒頭で弾いているのが『ヴェプスのダンス』です。
踊りの曲のため本来の民謡はもっと軽快な印象ですが、哀愁を感じさせる何とも美しいアレンジですね。彼のアレンジの特徴ともいえます。
このガヴリロフによる編曲は、多くのカンテレ奏者が弾いています。
こちらはアンサンブル「カンテレ」のソリスト、アナスタシア・クラシーリニコヴァ(Анастасия Красильникова/Anastasia Krasilnikova)の演奏。
安定の素晴らしさです。
お次は、現在シニサロ国立音楽学校でカンテレ講師をしているエカテリーナ・イヴァノヴァ(Екатерина Иванова/Ekaterina Ivanova)の演奏。
こちらの動画の2曲目、05:50~が『ヴェプスのダンス』です。
カレヴァラ村のカンテレアンサンブル、「カレヴァラ・カンテレオーケストラ」は独自のアレンジで『ヴェプスのダンス』を演奏しています。
アンサンブルを率いているのは、左端の男性、ユーリ・グラディシェフ(Юрий Гладышев/Yuri Gladyshev)。アンサンブルで聴くのも良いですね。
ヴェプス人とは、ラドガ湖、オネガ湖、ベロエ湖に囲まれた地域に暮らす民族で、長くの歴史をカレリア人とともにしてきました。
カレリア共和国では、カレリア語各方言とあわせてヴェプス語も指定民族母語として、初等教育が行われています。また、ヴェプスの伝統を伝える活動も積極的に行っており、例えばアンサンブル「カンテレ」のレパートリーにもヴェプス民謡が多く含まれています。
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