【カンテレ演奏動画】『水鏡の像(Отражения в воде/Kuvastus vies)』
カレリアの近現代の作曲家たちによるクロマティックカンテレのための楽曲を集めた楽譜集『麗しきカレリア(Дивная Карелия/Kaunis Karjala)』が、カレリア作曲家連合85周年を記念して2022年に出版されました。
今回はその中に収められた1曲、カレリア共和国 作曲家連合の会長も務めるアナスタシア・サロ(Анастасия Сало/Anastasia Salo)による『水鏡の像(Отражения в воде/Kuvastus vies)』をご紹介します。
ムルマンスク・フィルハーモニー管弦楽団のソリストであるイリーナ・ヴァラコスラーフスカヤによる演奏です。
『水鏡の像(Отражения в воде/Kuvastus vies)』
演奏:イリーナ・ヴァラコスラーフスカヤ(Ирина Волокославская/Irina Volokoslavskaja)
2021年
水面に反射し揺らめく鏡の世界の像が、不安定ながらも美しくきらめく様子が見事に表現されていますね…!
カレリアの音楽は臨時記号が多いことがわずかながらの特徴として挙げられますが、この曲もまさに。クロマティック・カンテレならではの楽曲とも言えます(フィンランドの全音階のカンテレでは弾けません;)。
ちなみにアナスタシア・サロは、以前オーケストラとカンテレのための『カレワラの白鳥(Калевальский Лебедь/Kalevan Joutsen)』でも紹介しました。
冒頭に紹介した楽譜集は、音楽学者のオリガ・ブラゾワ(Ольга Власова/Olga Vlasova)によって編纂され、カレリア共和国内では希望者に無料配布されています。
練習を疎かにしてちっとも上達しない日本人小娘を忘れずにいてくれ、楽譜のデータを送ってくれました。感謝です。
来月久しぶりに訪れるフィンランドでは、4年前に彼女をはじめカレリアのカンテレ奏者、音楽家たちと会った民族音楽フェスティバルのマスタークラスに参加します。
ロシアとの国境からさほど遠くはない町ですが、国境が分断された今、カレリアからの参加者は見込めそうにありません。
いつか、心から笑って再会できますように。