なんでもバスケットにおける起立判定
なんでもバスケットとは、以下のような遊びである。
準備
参加者を8人~数十人程度用意する
参加人数から1を引いた数のイスを、座る面を内側に向けて、円状に並べる
参加者の中から「オニ」を1人決める
「オニ」はイスの円の内側に立ち、「オニ」以外の参加者はそれぞれ適当なイスを1脚選んでそれに座る
本編
「オニ」は、「今朝パンを食べた人」など、個人が自分に当てはまるか否かを判定できるお題を考え、参加者みんなに聞こえるように言う
「オニ」以外の参加者は、「オニ」が言ったお題が自分に当てはまるなら、イスから立って別のイスに座ろうとする。当てはまらないなら、今のイスにそのまま座っている
「オニ」は、「オニ」以外の参加者が立ったイスのどれかに座ろうとする
1脚のイスには、1人しか座ってはいけない。イスに座れなかった1人の参加者が次の「オニ」となり、イスに座れた参加者は「オニ」でなくなる
この流れを適当な回数繰り返す
今回は、この中で「『オニ』が言ったお題が自分に当てはまるか」の判定に注目し、この判定の流れをまとめてみた。
判定の流れ
判定は、以下の流れで行われると考えられる。
音声認識
耳から入ってくる音声の信号を、文字情報に変換する。
このステップでは、お題を聞き取れなかった・聞いていなかったなどでお題の内容を表す情報が得られないときなどに、失敗となる。
失敗すると、先のステップで用いる情報が得られないため、先のステップに進めず判定プロセス全体が失敗してしまう。
言語認識
音声認識で得られた文字情報をもとに、意味がある文に変換する。
けさぱんをたべたひと
↓
今朝パンを食べた人
このステップでは、知らない言葉・すぐには思い出せない言葉などがあり、意味がわからないときなどに、失敗となる。
失敗すると、先のステップで用いる情報が得られないため、先のステップに進めず判定プロセス全体が失敗してしまう。
意味認識
言語認識で得られた文に対し、各言葉の意味や論理の構造を考え、意味を認識する。
今朝パンを食べた人
↓
「人」であり、かつ「今朝」「食べた」ものに「パン」が含まれる
「人」とは、…
「今朝」とは、…
「食べる」とは、…
「パン」とは、…
このステップでは、意味がわからない単語がある場合などに、失敗となる。
失敗すると、先のステップで用いる情報が得られないため、先のステップに進めず判定プロセス全体が失敗してしまう。
該当判定
意味認識で得られたクエリに沿って、判定に用いる情報を思い出すなどして、自分がクエリに当てはまるかどうかを判定する。
「人」であり、かつ「今朝」「食べた」ものに「パン」が含まれる
↓
人ではある
今朝食べたものは何だったかな…
サラダ:パンではない
卵焼き:パンではない
ウインナー:パンではない
おにぎり:パンではない
トースト:パンである
…
パンが見つかったので、列挙を続けなくても今朝パンを食べていることがわかる
よって、このクエリには当てはまる
このステップでは、要求した情報を思い出せなかった場合などに、失敗となる。
まとめ
なんでもバスケットにおいて、提示されたお題に自分が当てはまるかどうかの判定は、「音声認識」「言語認識」「意味認識」「該当判定」の4ステップに分けられるという考え方を示した。
実際の遊びの中では、これらのステップは一瞬のうちに行われ、意識しないかもしれない。
しかし、たとえば判定に失敗した場合において、どのステップで失敗したかを考えてみることができるかもしれない。
まあ、考えたところで遊びにおける出力は結局「立つ」か「立たない」かだけになり、意味はないかもしれないが…