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「evala 現われる場 消滅する像」初めて触れた"サウンド・アート"の世界


evala  現われる場 消滅する像

映画TV演劇…
日々、私の目に映っているもの全てを払拭すると
そこには"音"だけが残されていた


"サウンド・アート"
恥ずかしながら私には馴染みのない言葉であった。
Instagramでの宣伝広告をたまたま閲覧し
吸い込まれるように予約フォームへと進んだ。
いつも動画サイトで聴いている焚き火の音や楽器の音と何が違うのだろうか。


そう思いながら
作品に一歩踏み入れると
そこに広がっていたのは心臓の音すら聞こえてきそうなとても無重力な空間。
シーンや動作など視覚的なものを引き立てるための音ではなく
旋律があるわけでもない。

""が主人公の世界
私の知らない芸術だとすぐに悟った。

たまにみえるストロボの閃光で一瞬現実世界に戻され
またすぐに奏ではじめる表情が変わった音にゆっくりと浸ってゆく。

いかに今まで視覚に捉われすぎていたか
思い知らされた。


無響室

名の通り音が響かない部屋。
説明によると部屋全体が音の反響を吸収してしまう素材でできているそうだ。

ふむふむ。

頼りない懐中電灯の灯りを頼りに
部屋に入る

なにか凸凹したグレーか白っぽい壁に
鉄網のような床
四角よつかど(だった気がする)に棒が立っている

見えるか見えないかほどのそんな幻相のような部屋のなかに一脚の椅子が準備されていた。

「何かありましたらすぐに非常ボタンを押してください」

スタッフさんからそんな事言われたら
さらに胸の鼓動が早くなる

椅子に座るとスタッフさんは外にでていき
部屋には私ひとり。

薄暗い電気がだんだんと消えていく

闇  闇  闇

闇が広がる

目をつぶって楽しめばいいのか
開けて楽しめばいいのか
答えがわからないまま音が流れはじめる

それはそれは味わった事のない感覚で(空間も音も)
初っ端から得体の知らないなにかが後頭部を体内から襲い
うずめき蠢き

ヤバいとかそんな言葉では言い表したくないが、とにかくヤバい

音の彫刻

頭を掻きむしりたくなる音も心地の良い音も
全ての音が明らかにハッキリとした輪郭を描いて
それも立体的にそこに存在していた

…いくら触れようとしても触れられなかったが

なんとも不思議な体験をした。


"サウンド・アート"

精妙で大胆で透き通った様々な音が
何重にも重なり
ひとつの音となり奏でる。

360度全方位から聴こえてくる音を追い
情景を浮かべてたまにお話のようなものをつくったり
ぼうっとしたり。
サウンド・アート!新しい発見!


場所 : NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
会期 : 〜3/9

(無響室を利用の場合は事前予約した方が確実です。部屋に空きがあれば当日その場で予約も可能。特に土日は事前予約で埋まってしまうらしいですのでご注意ください。)

"サウンド・アート"
ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか

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