【漫画感想】ふつうの軽音部
最近話題になっている「ふつうの軽音部」というマンガを読んでみた。あまりに評判がいいので、試しに1巻を買ってみて読んだら、なかなかおもしろかったので、続けて2巻と3巻を買ってきた。
大まかなストーリーというと、高校に入学した主人公鳩野ちひろは元からバンドを組んでみたくて、軽音部に入部する。ギターもためてたお金で買う。かといって、中学までに練習していたわけじゃなくて、これから練習を始める段階。陰キャ寄りのちひろの周りに色んな人が集まってきて、バンドを結成。軽音部は大所帯で45人も1学年でいる。そんな中で、ちひろのバンドが上手く行かなかったり、軽音部の中で人間関係が色々あったり辞める人がいたりバンドの解散とか再結成とか色々あったり。……というのが1巻の内容と思われる。
ここまで読んで思ったのは、きっと、このマンガに出てくる内容って、等身大であるあるな感じなんだろうなあ、って思えるところ。いや実際は知らないよ。僕は軽音部ではなかった。でも、こんな感じありそ~って感じられる。それが多分好評なんだと思う。バンドマンがみんな陽キャだったりなんてするわけない。僕もバンドやってたこともあるが、陰キャもいっぱいいる。むしろ陰キャのほうが演奏が上手かったりもするし。
そもそもの話、青春物語って面白いんだよね。高校時代って基本的に濃密じゃん。この漫画に限らず、スラムダンクとか、プレイボールとか、けいおん!だってそうだし。そういう思春期ならではの人間関係とかって面白いの。だからこの漫画も面白い。そういうシンプルな理由。主人公の人物造形も、そんなに超人でもないし、割と普通の人物として描かれている。こういうのが人気なんだろうなあ。最近のロックバンドよく知らないけど、選曲とかも、なんとなくリアリティがある。そういえばコピバンってのも高校生だったら普通だよな。オリジナルを普通にやってるけいおん!が異質かもしれない。僕だったら、継続的に活動していくなら、コピーだけのバンドは嫌だけど。
そういえば、大学に入ったとき、サークル選びで軽音部の新歓ライブ見に行ったこともあったなあ。いくつかのバンドがコピー曲を披露していた。その中で1バンドだけ、「ゆずのサヨナラバスという曲を、スローテンポにすると切なくていい感じなので、それでやります」って言ってやってた。そういう工夫が精一杯だったのかもしれない。オリジナルをやるような雰囲気ではなかったな。いや、コピバンの面白さもよく分かるよ。知ってる曲をみんなで合奏するの楽しいもん。僕もバンドやるオフ会とか大好きだったし。アニソンコピーしてライブ出たこともあるよ。
おっと、漫画の話だった。そんで、1巻がなかなか面白かったから、続きも買ってきたんだけど。正直、1巻だけで良かったね、という内容だった。好きな人は申し訳ない感想だが。主人公らのバンドが上手く行かなくて、夏休みに個人的に特訓したり、部内の人間関係がどんどん悪くなったり、バイトしたりという内容になっていくんだけど。もちろん少年漫画なんでね、主人公の成長物語であるわけ。それは基本。でも、ジャンプ本誌の連載じゃないからかもしれないけど、かなり毛色が違う。主人公以外のところで、なんか関係ない話が進んでいって回り回って返ってくる、みたいな感じ。ヤンジャンのマンガみたい。あとまあ、そういうのがリアルで好きっていう人もわからんでもないけど、登場人物がスカッとしてないんだよね。そこら辺、読んでてキツくなってきてる。登場人物に思い入れができて、あるあるネタみたいなのがリアルだよな~って楽しめる人はずっとこの後も楽しめると思う。そういうの、限界が僕はあると思っているが。