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宇野友恵のアフターパーティー(前日)


例によって、アフターパーティー自体の事はあまり書いておらず(運営から他言無用との指示もあり)旅で行った場所や出会った方とのお話です。あしからずご了承ください


あくびをしてバスを降りた。車内はとても快適だったが神経質な僕はほとんど眠れなかった。
乗る時にトイレが不安だと話すと「言ってくれたら、いつでもPAに停めますよ!」と気にかけてくれていた、親切な運転手さんにお礼を言って早朝の新潟駅へと歩き出した。

RYUTist12周年ライブ

九月十日。時刻は朝の六時半。とても眠いが高揚感で走り出したい気分だ。
昨日は渋谷でRYUTistの12周年ライブがあった。明日は新潟でRYUTistのメンバーである 宇野友恵さんのトークショー「アフターパーティー」だ。そして間である今日はまるまる一日フリーになる。

新潟で一日フリーとなれば僕にとっては聖地巡礼しかない。早朝の電車に飛び乗って第一の目的地に向かった。

新潟駅

福島潟

車窓を眺めながら電車に揺られて数分。豊栄駅についた。最初の目的地は”福島潟”だ。
福島潟とは新潟市にある豊かな自然や鳥類の集う「沼」で、RYUTistの「きっと、はじまりの季節」ミュージックビデオの舞台の一つだ。 

まだ朝早いのに日差しがじりじりと肌を焼いてくる。
家から持ってきた日焼け止めを塗り、ペットボトルに水を入れる。戦闘態勢だ。

公式には駅から徒歩30分と書いてあったが、行かれた人いわく40分はかかるとの事だった。タクシーに乗りたいがそういうお金は無い。貧乏人は足で稼ぐ、鉄則だ。

豊栄駅

駅から伸びる少し寂れた商店街を歩く。アーケードの屋根があって日よけになるのがありがたい。
人の営みがある道を歩くのが好きだ。もう二度とこの道を通る事は無いだろうと思うと貴重な感じがして一つ一つ店を眺めながら歩く。

途中で道路に沿って木が生い茂る遊歩道が現れた。日陰になってありがたい。この近くに住むとどんな感じだろう。朝起きてのんびりこの道を散歩する休日とかどうかな?なんだろうか妙に愛着が沸く。

快適な木陰は途中で途切れ、炎天下の中を歩く事になった。まだ7時過ぎだと言うのにあまりに暑い。どうなってるんだ?ペットボトルの水を頭から被る。
駅を出て30分くらい経ったろうか。福島潟すぐ手前の博物館「ビュー福島潟」が見えてきた。一面緑でとても美しい。

ビュー福島潟

入り口で確認するとこちらは朝9時開館との事だった。
しまったもう水が無い。中の洗面で水を汲めるかもと思っていたが当てが外れた。どこかで水を貰えないだろうか。

だらだらと汗をかきながら螺旋階段を上る。ビュー福島潟と道向こうを繋ぐ回廊が最初の聖地だ。動画ではメンバーの横山実郁さんがこちらを向いて歌っていた。

ビュー福島潟

そのまま福島潟へ歩いていくと人が居られた。「おはようございます」声を掛けてくれたので挨拶を返す。新潟はフレンドリーな方が多いような気がする。昨日いた大都会東京はとてもドライだったので余計にそう思う。

よく見るとデイキャンプをされているようだ。もしや?と思って周りと見渡すと炊事場を見つけた。ありがたい!タオルを濡らして頭に被り、ペットボトルも満タンに。これで耐えられそうだ。

事前に予想していたとおり、MVの撮影地は入ってすぐのところだった。そして「撮影は四方を撮って、別の場所のように見せる」法則通りに、他のシーンも後ろを振り向いたところだった。目的は5分で完了だ。

このまま帰るのはもったいない。奥に見える「雁晴れ舎」というバードウォッチング施設まで歩いた。
いつも思うが新潟は本当に美しい。屋上から周りを眺めると、あまりの美しさにうっとりしてしまう。RYUTistに出会わなければここに来ることは一生無かった。心から感謝したい気持ちだ。

雁晴れ舎から

色々な道を歩いて福島潟を満喫した。自然豊かで水の流れる音に癒される。
また春や秋の気候のいい時期に来たい、いや冬も綺麗かもしれないな。そんなことを考えながらデイキャンプの所まで戻ってきた。
ふと見ると日陰に椅子があったので、ここで昨日購入した笹団子を頂いた。甘味が体に沁みる。

田中屋本店 笹団子

帰りは別の道を通って駅まで歩いた。少し懐かしいような街並み。この地に惹かれるのは何故だろうか。

新潟せんべい王国

次の目的地は「新潟せんべい王国」という「ばかうけ」という菓子で有名な栗山米菓の施設だ。
新崎駅で降りナビを開いて徒歩ルートを確認すると20分と出た。あれ?そうだっけ?徒歩5分だと思い込んでいた。少ししんどいがここまで着て引き返すのも何なので行くことにした。

10分ほど歩くと足の調子がおかしくなってきた。筋が突っ張る感じがする、そう思った途端に右足がつった。痛たたた。そうか、寝不足のまま朝の福島潟を2時間歩いているんだった。
どうしよう。駅まで引き返そうにも中途半端な距離だ。足を引きずりながら歩き出す。

なんとか行けそうだと思った瞬間、今度は左足がつった。すこし日陰で休む。僕は一体ここで何をやってるんだ。
駅で買ったドリンクを飲みながらナビで見るとあと5分。ここまで来たら行くしか無い。そろそろと歩き出した。

せんべい王国

せんべい王国に着いた。ここは、ののこさんがscrambleというweb記事で来訪されていたところだ。入店するとすぐ、ののこさんが食べていた「ばかうけコロッケ」と「せんべいソフトクリーム」を食べた。

ばかうけコロッケは白身魚フライのような外見だが中は芋だ。外はカリッと中はホクホクと美味しい。脆いコロッケと違って衣がしっかりしているのでポロポロこぼれずに食べやすい。

せんべいソフトは みたらしのような甘い醤油ダレがかかっていて、いいアクセントになっている。
喉の渇きに我慢できず「風味爽快ニシテ」という新潟限定のビールも購入した。甘味塩味の後にビールが沁みる。最高に美味しい。

店員さんに ののこさんが来られてなかったか聞いてみた。少し考えて「隣の体験館には行かれましたか?もしかするとあちらにサインがあるかも」と教えてくれた。お礼を言っておみやげを買い、体験館に向かった。

体験館は煎餅の生地を焼く体験ができる施設だ(有料)
玄関入ってすぐのところに芸能人の方々のせんべいがあったが、ののこさんのものは見当たらなかった。中でもお聞きしたが分からないとの事だ。こちらも案件ではなかったようだ。

できればここで ののこさんもされていた「超特大お絵かきせんべい焼き体験」をしたかったのだが、私のような県外の人間は割ってしまうのが分かっていたので諦めた。
外のばかうけ神社で ののこさんが購入されていたいたおみくじを購入し、こちらを後にした。

ばかうけ神社

新潟駅の駅そば

新潟駅に戻ってきた。
ののこさん聖地の飲食店に伺う予定だったが、福島潟で食べた笹団子と ばかうけでの飲食でお腹いっぱいになってしまったので残念だが今回は諦めることにした。
自転車を借りるために駅を移動していると立ち食いソバが目に入った。

ここはRYUTistメンバーの 五十嵐夢羽さんが「男の人ばかりで入りにくいけど、食べてみたいな」と言っていた場所だ。ソバの一杯なら入るだろうと頂く事にした。
ちょっと腰があって固めの麺だ。これは美味しい。
駅でこれだけのソバを頂けるとは新潟はなんてところなんだ!

やなぎ庵

田舎のPerfume

自転車を借りて向かったのは、RYUTistがTwitterで「田舎のPerfume」とお題をつけて39万ウォッチ2000イイネ とプチバズった写真の ”ながたの森公園” だ。
子供向け遊具を置いている公園で、暑い中たくさんの子供さんが遊んでいた。
駐車場も無料でちょっとした飲食ができるお店もある。こういう所が県庁所在地のすぐ近くにあるのが凄い。

すぐ横には以前に寄った「ALIVE」MVの撮影地である"新潟県スポーツ公園"がある。今回、上で書いた「きっと始まりの季節」でも使われていることが分かり再度訪問した。

ALIVEと違って、夜の映像だったのですぐに気づかなかった。何も知らない人から見るとただの公園だが、自分にとってはたまらなく愛おしい場所だ。下記の写真が「きっと始まりの季節」MVのどこで使われているか探してみてほしい。

新潟県スポーツ公園

次は数少ない五十嵐夢羽さんの聖地だ。
自転車で約30分とちょっと遠いが、すぐ横に宇野友恵さんの聖地もある。"時間に余裕のある今回に行かなくていつ行くのだ?”という思いで自転車を走らせた。

想い出のテルサ

途中で前を通ったので寄ってしまった。
RYUTist 4人最後のライブがここで催された。まるであの日のように眩しい日差しの中に佇んでいた。

新潟テルサ

今でも三人のグッズや写真を見るたびに、もしここに ののこさんが居たら?と想像してしまう。卒業から半年経った。いつになったら気持ちを整理できるのだろうか。

ちょうどこの時、Omoinotakeというアーティストの "夏の幻" と言う曲にはまっていて、口ずさみながら走っていた。

「ああ君が今、どうか同じ想いでいて
壊れそうな高鳴りに蒸し暑い夜が更ける」

高校生くらいの男子が女子と恋仲になったが、嬉しい心と裏腹に募る不安を歌った歌だ。
夏のけだるさに乗せて重過ぎず軽すぎず等身大の詞がとても美しい。その中でもサビのフレーズがとても好きだ。

「ああ消えないで、空に溶けていく花火のように。
この胸を焦がす痛みは、夏の幻じゃないと言って。」

僕の胸を焦がしているこの痛みは、いつか幻になるのだろうか。

みらいや

テルサを出てそのままずっと西に進む。
自転車で信濃川を越えるのは なかなかの苦労だ。新潟東西道路というバイパス側道の急坂を上り、工場の裏手のような細い道をくねくね走ってやっと着いた。
みらいやさん、夢羽さんの聖地だ。

夢羽さんが注文されていた もんじゃまん と、お母さまが食べられていたという湯葉豆乳味のアイスを頂いた。
ジェラート店で もんじゃまん という選択をするあたりが夢羽さんらしい。僕が夢羽さんを好きになったのはそういうところだ。

もんじゃまんは中の具にしっかり味が付いていてとても美味しい。ビールが飲みたくなってくる味だ。アイスは甘さ控えめで、鼻にうっすら豆乳の香りが抜けていく。暑い夏には最適だ。

室内は2,3組くらいの席しか無く僕で埋まってしまったので、ゆっくり涼みたい気持ちと席を空けなきゃという気持ちが入り乱れる。ちょうど4人のご家族が来られたので、席を立った。
次は友恵さんのコーヒー店に向かう。

新潟交通

途中で新潟交通バスの整備工場の前を通った。
RYUTistの「黄昏のダイアリー」という曲でこのバスが印象的に出てくる。バスを見ただけで ”僕は新潟に居るんだ” とたまらなくなってしまう。

交響楽

20分くらいだろうか、住宅街を抜けて川辺を走って向かったのは友恵さんの聖地でコーヒーの味にこだわる「交響楽」というお店だ。

炎天下の中で自転車を漕いできたので綺麗な恰好では無い。写真を見ると昭和モダンのお洒落なお店で、そういう服装の方は…と門前払いされるのではないかとビクビクしていた。
勇気を出してドアノブを回す、が回らない。ここまで来てお休みか・・・?と諦めかけたところ、中から店長さんが覗いて手を回す仕草をされた。そのままグイッと力をいれて回すとドアが開いた。

「いらっしゃいませ」「いいですか?」「どうぞこちらへ」
よかった、受け入れてもらえた。

交響楽

他のお客さんは居なかった。
案内された椅子に座り、友恵さんが飲まれていたラヴォルフブレンドと、バニラアイスのコーヒー掛けを注文した。
静かな店内にカチャカチャとコーヒーを入れる音が響く。お洒落なお店に不似合いなTシャツ姿なので居心地が悪い。周りを見渡しながら、一体僕はこの見知らぬ新潟の喫茶店で何をしているんだ?と我に返る。

ラヴォルフブレンド(少し飲んだ後)

「どちらから来られたんですか?」「関西です」「関西?」ここでアイドルの話をしてもいいのだろうか?でも言うしかない。

「先週くらいに芸能人の方が来られませんでしたか?」「芸能人ですか?」「RYUTistという新潟で活動されているアイドルさんで、その人がこちらをご紹介されてて」「りゅう?ん-・・・あっ!もしかしてあの人かな?小柄の」
聞くと若い女性が来られて、珍しいと思って後日インスタグラムを検索したら宇野友恵さんの記事がヒットしたそうだ。

そこからはビクビクしていたのが嘘のように楽しくお話ができた。友恵さんのお話や新潟のお話、コーヒーのお話などとても楽しいひと時を過ごした。余談だが、友恵さんは礼儀正しくてとても好感を持ったとの事だった。ファンとしてはとても嬉しい。
こちらでは後悔が2つある。とても美味しいコーヒーだったので、1.5倍のお値段で2杯分飲めるセットを頼めばよかったという事。もう一つは豆を買って帰ればよかったという事だ。自転車では遠い場所だが、機会があればリベンジしたい。

今から夕食だ。お店をでて古町まで約10km自転車を走らせる。
ナビでは行きと別のルートで案内されたが、どうやっても難関の信濃川を越える必要がある。上り坂を自転車を押しながら登る。

道路の上を滑らかなカーブを描きながら越える道で、まるで廃線跡みたいだと思っていたが、後から調べるとそのとおりだった。上で書いたバス会社 ”新潟交通” の鉄道が走っていたらしい。

その後は信濃川沿いの遊歩道を一直線に走る。着いたお店は前回に満席で入れなかった”マルモ”さんだ

今回はちゃんと予約している。
「いらっしゃいませ」店員さんに案内されカウンターに向かう。奥のお座敷では既に宴会が始まっている。とても楽しそうだ。

乃々子さんと同じ、大根サラダ、牛タン、カルビ、ロース、レバーを頼んだ。僕は焼肉の時に必ず白米を食べるのだが、今回はののこさんのメニューの通りに食べた。ビールも我慢だ。

人気がある理由が分かる。リーズナブルでとても美味しい。
会計の時に友恵さんのサインなど無いかと聞いてみたがあまり関心が無いようだった。
「そういうのは疎くてね。有ったほうがいいですかね?」
特別扱いしない こういうところも人気の一つなのかもしれない。

ホテルに帰り早めに就寝した。
明日はトークショー”宇野友恵のアフターパーティー”だ。

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