強すぎる共感覚に対するわかりみと励まし

五感を越境する形で知覚される「共感覚」。

五感は五感として感じながら、プラスアルファ無意識的かつ自動的に生じる知覚なので、6つめの知覚様式、と捉えた方が理解しやすいのかもしれない。

「何に、どう、どの程度」は、共感覚を保持する共感覚者ごとに異なる。

例えば、音視共感覚(Hearing with eyes)を保持する私の場合、「ヘッドフォンで音楽を聞きながら(聴覚)鉱石の断面図を見た(視覚)ときに、それぞれの石固有の音が頭の真ん中で響いて(共感覚)、『いい音がする石だな』(強い快の感情)」と思う」ことがある。

「何に、どう、どの程度」の共感覚で、快や不快の感情が揺さぶられるかは、五感×五感のパターンがある上に、複数のパターンを保持するひともいるし、どの程度快か不快かは人によって或いは体調や年齢などにもよって変わるので、共感覚の種類は星の数ほどあると言えるだろう。

海外の共感覚グループに参加して、やりとりを眺めていると、「何に」に「人に」が入るときや、「どの程度」に「かなり強く」が入った場合が、その共感覚を保持する人の生きづらさにつながっているようだ。

「うちの子、人を見ると色も見えるの。少人数制の幼稚園から大人数の小学校に上がってから、毎日パニックを起こしててかわいそう、、、まだ6歳なのに😢今まで見たことのない色がたくさんあるし、色がぐちゃぐちゃに混ざって苦しくなるらしいの。先生方も、共感覚について知識がないみたい。セラピストと話し合ってるけど、なかなか解決策が見出せなくて、親としてもどうサポートしてあげたらいいか悩んでる。みなさんは何か工夫してることがある?」

「共感覚はギフトだっていう人が多いけど、僕にとっては悪夢だよ。二日酔いした日なんか最悪だ。信号機の色と共感覚の色が混ざって、どっちが本当の色だか分からなくなる。いつか事故を起こすんじゃないかって不安なんだ」

「俺は音楽を聞くと色が見えるんだ。みんなそうだと思ってたら違うんだってな。音楽を聞いて色が見えないなんてあり得るのか?周りに言うと、変人扱いされて、もう、言わなくなったよ。俺と周りの違いを知って、驚いたし、寂しく感じていたんだ。でも、このグループに行きついて、他にも同じように感じている人がいると知れてよかった。俺は、この感じが、どれだけ特殊で不思議で非日常的なことか、じゃなくて、どれだけ普通で当たり前で日常的なことか、が共有したかったんだ。これは、俺のお気に入りの一曲。色合いが素晴らしいから、よかったら聞いてくれ。」

みたいな投稿がある。

すると、必ず、「わかりみ!」と「励まし」のエールが返されている。

「Welcome! You are in the right group!」

「Me too!! You are not alone!」

「You never be a wired person!」

「I wish you can find the way to enjoy your synesthesia.」

などなど。

私もすごく励ましてもらって、自分の共感覚との折り合いのつけかたを学んでいる道中だ。

それにしても、文化や年齢、性別、保持する共感覚の種類が異なっても、「変人扱いされた経験」や「孤独感」「寂しさ」、「意識的にコントロールできない共感覚がかなり強い場合の折り合いのつけづらさ」などが共通しているのが興味深い。




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