セラフ3D:感想など
ついに終わりました。「#セラフ3D」
終わったあとは胸がいっぱいで、何も考えられなくて、ただただ
「この人最初から最後までカッコよくてずるいな……」
という気持ちだけがあった気がします。
OP:”僕を諦めなかった故の物語”
初っ端「ステラ」です。もう最高。
そして立って自由に動き回っての歌唱披露が今回初めてなのでいつもより歌い方が自由ですごくよかったですね。本人がフェスやライブが好きなのが伝わってくる語尾のアレンジや歌い放つ感じの切り方や伸ばし方でした。
(ビブラートおじさんもいました)
「ライブを見ている……!!」という満足感がすごかった。まだ1曲目なのに飛ばしすぎですよ……。
この歌は、「プロジェクトセカイ」というアプリゲームのイベント曲として書き下ろされた曲です。
曲中に「夜鷹」が出てくるのでピンときた方もいるかもしれませんが、ベースは宮沢賢治の「よだかの星」です。この作品、宮沢賢治のなかでもめちゃくちゃ好きなお話で、ステラが公開されたときに「うおおおお!かっけえええ」と言いながら泣きました。イベント内容とも合ってるし、原点にして頂点の歌だと思っています……。
青空文庫で読める超短編なので、まずは原作を置いておきます。
そして、セラフがオープニングにこれを歌おうと画策していたことのエモさについて私の勝手な解釈をするのですが、まずはご本人からの言葉を。
このたった一文から伝わってくる表現力の高さ、センスの良さ、トーク力に改めて「ほぁ……好きだ……」となっておりました。
(推しの高いトーク力を見せつけられて語彙力とIQが地に落ちるリスナーの図)
この曲は「自分は自分であって、ほかの誰かと同じじゃない」というのを受け入れて葛藤も乗り越えて前に進んでいくような曲です。
唐突にセラフのエイプリルフールネタを含む話をしますが、彼は自分の過去を「許されない行為」「俺を恨んでる奴はたくさんいる」と表現していることがよくあります(かなり意訳)。少なくとも、一種のサバイバーズギルトのように「手放しで幸せになってはいけない」と思っているのかもしれません。でも、VOLTACTIONとして生きている彼を見ている私たちにとっては、彼はどこまでもエンターテイナーだし、あまりにも多くの魅力を持った人間だと思っています。だからこそその過去を乗り越えて、誰からも憧れられるような高潔で大きい存在になって輝いてほしいと思うのです。
(高潔だと矛盾していると言われかねませんが、私は彼がある種純粋な心を持っていると思っております。)
上記は私が特に好きな歌詞です。
今日を諦めなかったから”今”がある。
自分であることを諦めなかったから、後悔も乗り越えられた。
”ふさわしい役”なんて知らない、役割じゃなく”自分”を生きる。
どれだけ落ち込んだって、前を向くすべての鍵は自分にある。
曲自体はずっとパワフルなのに、歌詞は葛藤が見られて人間臭くていいですよね。ネガティブな時はどうしようもなく後ろ向きになってしまうけど、前を向くきっかけは自分の中にあって、空に向かって飛ぶ羽も「疾っくの疾うに生えて」いたのです。気付いた瞬間に嬉しくなってどこまでいけるか試してしまいそうなくらい前向きになれた様子が浮かびますよね。
Aパート①:スクショタイム
↑スーパーチャットに反応して「ミミズクさん」が降ってきたり、
↑先輩たちからの指令(スクショタイムのポーズ)を忠実に熟してみたりしながら和気藹々とお披露目は進んでいきます。
ここで余談。オリバー・エバンス/レオス・ヴィンセントのお2方が出てきてポーズ指定をするのですが、ナイフを持たせて「CQCやってよ」と言ってくれたオリバー先生、本当にありがとうございます……。
ナイフの構え方、持っているときの手になじんでいる感じの手遊びというかハンドリングがあまりにも「手練れのソレ」で泣きました。
ってかCQCを習っている人、現実で見たことないよ……?
お前はガチでバーチャルの世界の人間なんか……???(突然のメタ思考)
↑ナイフを取り出した瞬間のタイムスタンプなので開いたらそこから始まります……。お願いなのであのハンドリングを見てください…いやその前に構え方ばりかっこいい……。
Bパート:お披露目でやりたかったこと詰め
ドラマ:アクション
↑ 例によって該当場所のタイムスタンプから始まります。
彼はアクション俳優なのかもしれない。(違う)
すべての立ち回りが華麗すぎるって……えぇ……(ドン引き)いや、運動神経がいいのもCQCやってたのも空手してたのも知ってるけど、ここまで動けるの見ちゃうともう惚れざるを得なくない……?
ごめんなさいかっこよすぎてカッコいいしか出てこないので、
百聞は一見に如かず、です!見てください!今!!!
ダンスパート:ミライ/有機酸
↑ 暗転から前奏なしで始まります。
こちらもプロジェクトセカイのイベント書下ろし曲です。
有機酸さんの「ミライ」という楽曲ですね。
もうこのあたりの歌詞がセラフ・ダズルガーデンを表すのにぴったりだと思うんですよ。「新しいミライ」は「じゃあこの雨を今すぐどうにかしてくれよ」と言ったエイプリルフールの記憶の彼も探していましたね。(これについては「悪夢」の導入にもなるわけですが)
家系だからとやらざるを得なかっただけの血腥い生活に、どんな形でもいいから終止符を打ちたかった昔の彼。「明るい未来なんてない」「幸せになんかなれない」と諦めていたけど、今はここに居て、幸せをつかもうとしている。ステラの「今日を諦めなかった」も、ミライの「新しいミライを探してた」もちゃんと前を向いている。今のセラフの素直な気持ちなんでしょうね……。
「生まれ変わった姿になって」はAresから今のセラフへ。
「それでもまだ消えない傷」は過去の職業。
人が変わったわけじゃないから傷はずっと残るのでしょうが、リスナーにも分けてくれ。お前がそれで1秒でも長く笑っていられるなら背負わせろください。たのむよ……。
VOLTACTIONの面々と出会って彼は前を向けたのでしょう。
以前の配信で「ひばの笑顔、俺が見た光」なんて言ってたくらいですし……。(ウッ……鳥組……;;;)
本当に彼の笑い声や笑顔って人を幸せにしますよね……。後ろ暗い、彼にとって辛い過去があるからこそ、それを知ったら「無邪気に笑っていてほしい」なんて思ってしまうんですよ……。
それからダンスの話もしなきゃね……。正直な話、上手すぎてAAAとかDa-iCEを見てる気分になりました……。枠のコメント欄に細かくタイムスタンプをしたくらい毎秒好きなシーンがあり……とりあえず動画を見てほしい……。
私、ジャニーズを見て育って、踊ってみたとかダンスバトルとかキレッキレのストリートとか表現力のえぐいコンテンポラリーとか見まくった時期があるんですよね。そして端的に言うと、ダンスと歌が上手い男に弱い。
細かいステップとか、オリジナルに忠実なプロの動きの再現度がえっぐいんですよぉ……。あと冬弥より感情の表出があるけど秘めた情熱という感じの踊り方がもう本当にカッコいいんです……よね…(当方、類・冬弥推し)
あ、類のテンション感に冬弥のストリートを足した感じの踊り方かも。そんなん好きに決まってんじゃんね……
いやずるくない???ダンス上手いって聞いて心の準備しようと思ったけど、「VTuberにしては」の域を超えてる上手さじゃないですか……ずるいしか言えない……。
ダンスパート:いのちの食べ方/Eve
最初からカッコいいんですよ……。調べたらいのちの食べ方で踊ってみたがなくて、完全オリジナルのダンスですねこれ……。つまり、振付師さんもセラフならこういう振りが合うと思ってつけてくれているわけで……最高か。
この「やめてしまいな」で頭を小突くというか撃ち抜くみたいな振りがすごく好き。色気がある。「時間がないんだ君には」の一連の振付も好きだ~~~!!!
ということでURL投下。
ヴァイオリンパート
おい!!ウユニ〇湖だ!!!やったーーーー!!!
バーチャルならではの一体感。リアルじゃこうはならない。まず透過が甘くなるしな。気軽に無風ウユニで楽器を演奏できるのはバーチャルならではだよな。
配信では「弾き方が特殊」「動きがうるさい」「弓の持ち方が曲によっては短い」などなど自ら言っていたけど、3Dになって弾いてる姿を見られて感無量です……。ちょっと緊張してる音だったのも「うおお……生きてる……」ってなったマジでありがとうございます。
これからたくさんセラフのヴァイオリンを弾いてるところ見られるのか~……そういう世界になったって本当ですか??
ED:「原動力は 一人で生きていないこと」
私がSUPER BEAVERを好きになったのは、「ばらかもん」というアニメを見て「らしさ」を聴いた時なのですが、そこからフランクにビーバーの曲を聴いて過ごしていました。2020年にこの「ひとりで生きていたならば」が発表されたときに「なんてストレートで素敵な歌詞なんだろう」と思いました。
人間関係云々でこじれていくこの社会、「人と関わりたくない」と言う人が一定数います。でも人間は「社会的動物」ですから、一切関わらないのも精神衛生上良くはないのです。人は人と居なければ喜怒哀楽は無く、単調な生活は心をも壊してしまう。
結局のところ、歌詞にあるように「ひとりで生きていないから 予想をはるか超えていく 嬉しさを知っている」のです。
隙自語失礼しますが、私は昔、家庭の事情と学校の環境によって心を壊し、人生を諦めようとしたことがあります。今はそんな過去を悟らせないように社会に紛れて生きています。正直な話、立ち直ったわけじゃないので未だにこの世への執着は特になく人よりあっさりしているらしいのですが、それでも「今」を生きている以上は「未来への責任」を考える必要もあるなぁと思って生きています。
これが中学・高校の話なのですが、大学は都内の心理学部に入りました。「自分を傷つけ追い詰めた人間」ですが、どん底から救ってくれたのも同じく人間だったからです。そこから私は、「自分に手を差し伸べてくれる人間」に対して自分の持てるすべてのものを差し出そうと考えました。もちろん心の中で決めたという話です。その人のためならなんでもしよう、と。
新しく構築した人間関係にもそれは適用されます。守りたい人を作ることで、この世界に自分が生きる意味を見出しているのだと思います。
「生きることは難しい」けど「生きることは面白い」のです。
たくさんの人がいて、たくさんの考えがある。SUPER BEAVERのほかの曲になりますが、「人として」という曲に「信じ続けるしかない」「受け止める以外はない」という歌詞があります。自分と違うことを許容して、受容して、消化することで他人に優しくなります。多様性を認めることができます。こういう考え方を説明すると「優しいね」と言われるのですが、当人たちにはそんな気はなく……。むしろ期待せずに打算的で狡猾なはずなのでそれを「優しい」と言われてしまうととても胸が痛くなりますね……笑
SUPER BEAVERは無暗な励ましをしないんですよね。いつだって真正面から手を差し伸べて「そうだろ?」と言われてしまうから、私はこの人たちの歌詞にめっぽう弱いんですよね……。
セラフが過去を吐露する度、社会に対する考え方とか人に対する考え方から諦念がうかがえますよね。きっと壁が立ちはだかる度に、ひたすら思考したのでしょう。
現代では「諦め」はネガティブな意味合いが強いですが、昔はもっとポジティブな意味で使われていたはずです。諦めることで他人に対するキャパシティが増えますからね。セラフは私よりも全然年下なのに、随分悟った回答ばかりするなぁとよく思いますが、自分もそう言われて生きてきたのでこんな風に見えているのか~と俯瞰できた気がします。セラフは私より全然頭がいい上に多才なので「同じような」「似ている」などは烏滸がましいので言いませんが、幸せになってもらいたいなと心から思います。
そしてやはり最後の、締めの楽曲だったのと歌詞も相俟ってとても感情が入っていましたね……!
「”俺”ひとりの話ならば」や「今”ここで”言い切るよ」と歌詞を変えて、歌っていましたね……。さすがフェスでSUPER BEAVERにハマっただけあるわ…。アウトロにMCまでして……早くVOLTACTIONワンマンライブとかしていただけませんか……。
人には何かしらの「大切」な「こだわり」があるのに、それをやめてしまったら「昨日までこだわっていた自分」が「嘘」になってしまう。あなたの「大切」を嘘にしないで、こだわって生きていこうよ。俺らは一人では生きていけないんだからさ。そんな歌です。(自己解釈)(逆説的)
SUPER BEAVERは「ファン全体」ではなく「私」に歌ってくれるグループです。そういう特徴があります。セラフのMCでも「あなた」を強調していたのは、そんな特徴のあるSUPER BEAVERの歌であり、セラフが「ファンひとりひとり」に対して気持ちを伝えようとしてくれたからでしょう。
受け取ったぞ!!
楽しくてあたたかい場所で、これからもよろしくね!
見てくださいこの笑顔。
一生そのままで……VOLTACTIONと陽の当たるところにいてくれな……。
Cパート
後ろから来た残党を早業で仕留めるセラフ
気を失った相手に「おーい」という感じで顔の前で2~3回手を振るセラフ
最後までカッコいいのずるいってぇ……
まとめ
長々と失礼いたしました。
本当におめでとうございました。
一生に一度の3Dお披露目配信、すごくすごく準備されたものだなと見ていて感じ取れたことがすごく嬉しかったです。ファンと同じだけの熱量で、紛れもなくこのステージが大事なものとして作り上げてくれたことがうれしい。セルフプロデュースが本当に上手なんだから……全く……!
私たちリスナーは、いつでもセラフの言葉や配信そのものに元気づけられて勇気や気力を分けてもらっているから、逆に私たちもセラフがここで活動をする理由・原動力の一端になれると嬉しいなと思います。
なんて、ここで言っても仕方ないしまた感謝のファンレターでも書くかぁ。