2022 モーニング・ノートを書いています 中編
こんにちは。白です。「モーニング・ページ」というワークをやっていますというお話の続きです。
ちょっと余談が長くなったので、「モーニング・ページ」というワークについて知りたい方は、ここを飛ばして後編をご覧ください。
「モーニング・ページ」というワークがありまして、私はそれを「モーニング・ノート」と呼んでいます。
やり方はこちらです。
で、もうひとつの肝が、
です。
人に見せると、有意義なことを書こうとか、これは書いちゃいけないとか、かっこつけを行ってしまうんですね。
絶対に人に見せないかわりに、何を書いてもいい。この安心感が大事なのだそうです。
これを聞いて私が思ったのは、「あ、日記さんね」でした。
アナイス・ニンという作家がいます。女性です。
ヘンリー・ミラーの恋人で、最愛の夫がいながら不倫しつづけ、父親とも近親相姦をしたという、なかなか大変な人です。
アナイス・ニンは少女時代から膨大な日記を書きためていて、その日記は「真摯な魂の記録文学」「1920~40年代のパリの女性知識人を描いた作品」として商業的にヒットしました。
が、これはいわば自己検閲版の日記で、死後本人の遺志で無修正版の日記が公開されました。
そこには彼女の不倫の記録があまさず書き残されていました。何日に誰と会って○○したという、そんな内容です。
少女時代、アナイス・ニンは父と別れて家族でニューヨークへ行きました。子供たちには告げられませんでしたが、ピアニストの父が家族を捨てたのでした。
アナイスは何でも話せる「日記さん」に、自分のあらゆることを書いていました。アナイスは父を「音楽の神様みたいなひと」と尊敬し、父への憧れを日記に綴っていました。
が、アナイスは自分が持っている秘密のすべてを「日記さん」に話したわけではありませんでした。
その秘密が出てくるのは一行だけです。
マリア・ルイザは父の弟子で、父が不倫の末に選んだ相手です。アナイスと同じ十代の少女でした。
アナイスはこれを抑圧するために、父への憧れを膨大に「日記さん」に書く必要があったのですね。
「音楽の神様」である立派な父が、母子を捨てて十代の少女へ走った事実を受け入れることができなかった。受け入れられなかったのは父への怒りの感情であり、その怒りを発散させるために父とのインセストを引き起こした、とアナイスの精神科医が分析しているそうです。
抑圧して感じることのできない「父への怒り」が、強迫観念になって不倫や父との性行為まで引き起こしてしまう。なかなか大変な人生だなあと思います。周りも大変ですね。
横道に逸れましたが、強迫観念で自分を破壊する行動をしないよう、「日記さん」には誰にも見せずにほんとうの自分の感情を吐き出しておこうねというお話でした。
後編に続きます。
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