読む🍋 櫂未知子さんの猫句
櫂さんの詠まれる猫の句が好きです。
俳句同人誌『群青』2023年発行分より12句引いてみました。
(猫を連想する句も含まれています)
爪立ててみたき水面よ漱石忌
短日やかくも典雅な毛づくろひ
肉球の淡しつめたし雪女郎
野良猫に七つの名前歳の市
裏返すたびかがやける子猫かな
遺品とて緋色の首輪春の虹
骨壺に星の音足す夏隣
抱き上げてあれが帆船あれが夏
晩鐘や網戸に残る爪の痕
鰺焼いてつねの日暮を取り戻す
聖五月食器のひとつ遺されて
草の花猫にやさしい町だから
来世は猫をお迎えできる人間か、よき家に迎えられる猫に生まれたいと思います。
猫ゐるか草の穂揺るるこのあたり 檸檬