YouTube動画戦略(7) 気がかりな再生回数
A法人の就職説明会の結果は上々だった。
普段は3から5人しか集まらないA法人のブースに、今回は40人以上が訪れた。メンバー全体に満足感が広がる中、特に採用担当の関口は満足していた。
「これだけの人が集まるなんて、大成功ですね!」は目を輝かせている。
しかし、その満足感もつかの間、事務長の安田の表情は少し曇っているようだ。
「ただ、今日までの1ヶ月、YouTubeの再生回数が何千回と再生されていないのが残念だな…」
その言葉に、周りのスタッフは一瞬困惑の表情を見せた。
だが、芝田は冷静に答えた。
「安田さん、1回の投稿で何千回、何万回といくのは芸能人やYouTuberの話です。老人ホームにおける人材採用の発信をする場合、1度に何千回も行く必要はありません。今出ている10回、20回、多くて50回の動画を積み重ねていくことが大切なんです。」
安田はその言葉にハッとし、考えを改めた様子を見せる。
「そうか…。数の問題ではなく、内容と継続が重要なんだな。」
「はい、その通りです。私たちのターゲットは特定の求職者ですから、再生回数よりも内容の充実と継続的な発信が鍵です。」
芝田はさらに続けた。
「もう一つ注意点があります。動画を撮影する際にはジャンルを絞る必要があります。」
「ジャンルを絞る…?」安田は疑問そうに尋ねた。
「そうです。老人ホームの場合、就職者や求職者に向けての動画なのか、それとも老人ホームの内容を伝える動画なのかをしっかりと決めることが重要です。そのジャンルを絞る判定は大体3ヶ月かかります。判定をするのはYouTubeのAIです。AIが適切なジャンルを判断するまで、継続して特定のジャンルに絞った動画を発信し続ける必要があります。」
安田は理解したように頷いた。
「なるほど、だからこそ一貫性が大切なんだね。」
「その通りです。ジャンルを定めてから、コンテンツの質を高めていけば、自然と再生回数も増えていきます。」
「わかった、芝田さん。これからも地道に続けていこう。」
安田は微笑み、他のスタッフも頷いた。
こうして、A法人は次のステップに進む決意を新たにした。
YouTube動画の内容を充実させるため、新たな企画やインタビューを計画し、老人ホームの魅力をさらに伝えていくことにした。