リーダーシップ教育の全国普及(2023年5月記)
京大の大学教育研究フォーラムでも紹介したように,狭義のリーダーシップ開発プログラムを提供する大学は全国でこの4月で少なくとも30大学に達しました.「狭義」というのは,「権限によらないリーダーシップの獲得」を学習目標に掲げ,経験学習サイクルを明示的に用い,プログラムのなかに正課科目を含むようなものです.2006年から6年間は全国でたった1つだったのですから,ここ10年間くらいで30倍に増えたことになります.(なお,成績優秀者や英語能力の高い学生を海外や他大学に送り出して「リーダーになる経験」を積ませる(だけ)の科目や,有名なビジネスリーダーや政界リーダーを招いて学生に講演を聞かせ,せいぜいディスカッションさせる(だけ),といったold schoolのリーダーシップ科目は,30個のなかにカウントしていませんが,逆に私の知らないところで上記の「狭義」にあたる科目を開設している大学が他にもあるかもしれません.その意味で「少なくとも30」なのです.)
2006年からの10年は立教で,そのあとの7年間は早稲田でそのようなリーダーシップ教育を担当して,特に早稲田に移る前後から全国普及を推進してきましたが,早稲田ではあと2年で定年退職になります.しかしまだ引退する気にはなれず,次は,他の教育機関でたとえば「リーダーシップ教育をやってくれと言われたものの不安.だけど,なんだか重要そうだ」というような環境・気分の教員のメンターやアドバイザーになるか,あるいは準常勤で自分で科目を持つとしたら,そうした主要科目のバックグラウンドでTAを養成する科目を主に担当することを通じて主要科目を支援するような仕事をしてみたいと考えています.また,社会人のリーダーシップ開発も需要が増えているようなので,そちらも続けたいと考えています.
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