駄駄をこねる
10年前くらいに出版された本を捜しに近くの本屋さんに出向いたが、案の定出版社にも在庫がないということで、後はインターネットで探すしかない。そう思いながら帰ろうとエレヴェーターに向かっていたら、遠くの方から子供の泣き声が聞こえて来た。結構大声で周りに響いていたが時々見かける光景なので、いつものように振りむきもせず帰ろうとしたが、ふと、そういえば3-4歳頃母の実家の近くの大きな町の商店街の道路で駄駄をこねた記憶が蘇ってきた。どうして駄々をこねたのかは思い出せない。何かを欲しいと口にしてはいるが、それは動機ではなくただただ駄駄をこねたかったようであり、子供心に駄駄をこねているその間中、自分自身でもどうしてなのかその理由が分からず、自分の行動に戸惑っていた。理由もない駄駄をこねたのは、後にも先にもそれが唯一であったと思う。