転職エージェントの必要性:要るか要らないか、答えはこちら
■転職エージェント、実際に利用してみた
さまざまなブログやNoteを見ていると、記事の最後には転職会社やエージェント会社の紹介があります。
私は、このような考え方を持っていました。
しかし、実際に複数の転職エージェントと関わり、内定を得ることができた経験から言えば、エージェントは「必要」であると言えます。
とは言っても、手放しでエージェントを勧めるわけではありません。
良い転職エージェントだけでなく、悪い転職エージェントもいました。
利用して初めて知ることも多いのです。あまりWeb上では語られていない面を、それぞれ具体例を挙げて説明してきます。
■求職者にとって悪いエージェント、これは確かにいる
◆見当違いな求人情報
研究開発職やその他の理系専門職種を希望する私にとって、転職エージェントの提案や推薦はあまり意味を持ちませんでした。なぜなら、彼らは専門性が全く異なる分野の職を提案するからです。
バックオフィスのようなポータブルスキルを持っている方は、問題とならないかもしれませんね。
◆推薦制度とその弊害
転職エージェントが書類選考を代行する場合がありますが、これまた、良い結果をもたらすわけではありません。実際、求人元と相談せずに勝手に不採用と判断することもあります。
例として、ある方は転職エージェントを経由せず直接企業に応募し、書類選考に通過したとのこと。しかし、その前に転職エージェントを通じて応募した際には、エージェントからの推薦がなかった(不採用通知を受け取っていた)という事例がありました。
◆内定者への焦らし
一部の転職エージェントは、最終選考に進んだ段階で、他の企業への応募を禁止するというポリシーを持っています。これは、内定承諾書を受け取る前であっても、選考プロセスを中断させることを意味します。
さらに、いくつかのエージェントは、求人元の意向とは異なる形で、内定の承諾や入社日を急がせることがありました。
私の親戚が、正にこのやり口に嵌められていました。
もちろん、全ての転職エージェントが不誠実であるわけではありません。良し悪しは担当者によって大きく異なることが多いです。
次に、私の観点から見た(数少ない)良質なエージェントについても触れていきます。
■求職者にとって良い転職エージェント、これも確かにいる
◆背景情報の提供
求人の数は無数に存在しますが、その採用の背後にある意図や目的を知ることは難しいです。
求職者にどういった経験・スキルを「本当」に期待しているのか。この情報が手に入るかどうかで、面接時の対応や受け答えの仕方、キャラクターとしての見せ方も変わってくることでしょう。
よく私が例として挙げるのは、これです。転職活動に限らず、社会活動の全てにおいて通じる考え方です。
フレンチ、良いですよね、エレガントで。みんな好きそうですよね。でも、目の前にいるお客さんは、ラーメンを食べたい気分なんですよ。
どんなに素晴らしい職歴であっても、相手のニーズにマッチしなければ、門前払いです。
転職エージェントは、求人元の担当者との面談を重ねることで、採用の背景や企業のニーズを探ってくれます。
◆口頭でしか言えないアピール情報の提供
こちらは求職者が企業にアピールする際の情報についてです。
履歴書や職務経歴書だけでは伝えきれない点がある場合、エージェントを通じてその情報を伝えることが可能です。
例えば、私は同期の中で最初に管理職に昇格しました。この経験は、履歴書に「出世頭です!」と直接記載するわけにはいきません。エージェント経由であれば、そのアピールポイントを伝えてくれます。
◆適職への探り
もし同一企業で複数の職種に興味を持っている場合、エージェントは企業に適切な職種へ探りを入れることができます。
私はこのアプローチによって、自分単独では怖気付いて応募しないような、しかし素晴らしい職種のオファーを受け取ることができました。
◆年収の交渉
大前提として、給与交渉には、複数の内定(もしくは最終面接待ち)を持っていることが重要です。同時期に内定が揃うように、面接の日程をうまく調整する必要があります。これくらいは、自分だけでも対応できますよね。
しかし、それに続く企業との年収(年俸)交渉は、自分だけで行えるでしょうか?
これは非常にデリケートで、高度なテクニックが求められるプロセスです。
エージェントが尽力してくれた結果として、源泉徴収票記載の金額よりも大幅に(数百万)年収アップをすることができました。
別記事でも触れますが、リファラル応募ですと、この交渉は自分で実施しないといけません。私が知る限り、リファラル応募、内定から自力で給与交渉した方はいません…。皆さん言い値でオファーを受諾しています。
もちろん、エージェント会社は私の年収の数割分の報酬を(転職先から)手に入れているわけです。私にとっては相応の働きをしてくれたと思っています。大企業にとっては、人材獲得のための数百万円の出費は、問題視されないようです。
◆あきらめさせない
なんともウェットなことなのですが、私が最終的に頼りにしたのは、最後まで励ましてくれるエージェントでした。
社会人としての経験が豊富であっても、転職活動は厳しいものです。通常のブラックな業務に追われる中、夜遅くまでの準備や対策は精神的にも肉体的にも大変でした。
転職活動には浮き沈みのフェーズがあり、いつのまにかフェードアウトしてしまうエージェントも沢山いました。こいつは転職できる見込みがない、そんな判断をされたのでしょうか。
しかし、そのエージェントは「あんたならできる」といわんばかりのエネルギッシュな態度で私を支えてくれました。本気でそう思ってくれているかはわかりませんが、励まされました。電話をするだけで元気を取り戻せました。
もちろん、業界の動向や求人元の事情にも非常に精通していました。
このエージェントに出会えたことは、本当に幸運でした。数少ない、おすすめできるエージェントと言えます。
■最後に
求人選びから年収交渉まで、転職活動は様々な局面が存在します。
転職エージェントの役割や、採用の背景の理解、そして給与交渉のテクニックは、成功の鍵を握る要素と言えるでしょう。
これらプロセスは転職初心者にとっては単純ではなく、自分一人で全てを適切に進めることは難しいです。
適切なサポートがあった方が、より良い転職活動ができる、今はそう考え直しています。