新卒デザイナーとAfter Effectsの7日間
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はじめに
4月に新卒で入社したデザイナーのSato(@nrikautsa)です。入社から早くも4ヶ月が経ち、業務や課題に向き合いながら日々デザインに取り組んでいます。研修期間の一環として「チャレンジ案件」というプログラムがあります。これは会社が技術投資を行うための予算を割り当て、自身で課題を設定し、実現可能なスケジュールで取り組むというものです。私は記事のタイトルにもある通り、After Effectsを使用した動画制作に挑戦することにしました。この7日間という期間内に、動画編集のスキルを身につけ、実際のプロジェクトで活用できるレベルのスキルを習得し、今後の仕事に活かすことをゴールに設定しました。この記事では、その学習のプロセスと7日間を詳しくまとめています。ぜひ一読していただければ幸いです。
プロジェクトについて
7日間という限られた時間の中で、動画編集(After Effects、Premiere Pro)の技術を身につけ、最後にオリジナルの動画を制作するという目標設定ができました。これは上長(岩松さん)とも相談して決定したものです。せっかく動画編集の学習をするなら…プロジェクト化しよう!ということで、プロジェクトの大義を言語化して、再現性を高めるため進行そのものを見える化することになりました。以下が背景と目的です。
今後新たに動画編集を始める方も再現性が高められるように、技術習得の流れを記録します。また、自分自身のスキルを向上させるために、自らの武器を作りたいという思いがありました。以下がプロジェクトの内容です。
背景と課題の整理を行い、実行方法と手段を考えました。
プロセス
現状把握
まずは自分の状態を知ることから始めました。プロジェクトが始まる前に、休日にAfter Effectsの本を一冊読んで実践していたため、基本的な操作方法や動きのつけ方などは理解できていました。一方で、Premiere Proはyoutubeを少し見ただけで実際に使用したことはない状態でした。
情報収集
普段から動画編集の案件に携わっている、2人の先輩デザイナーさんにご協力いただき、ヒアリングを行いました。以下がその内容です。
初心者は本を読んで基本操作を学ぶか、自分でネットなどを見て覚えるかだと思います。個人的には、本で基本操作を覚えてYoutubeなどを見て応用していくのがやりやすかったです。また、After EffectsとPremiere Proどちらから始めたかも異なっていました。Premiere Proから始めたデザイナーさんは、Premiere Proで動画の特性を学習してからAfter Effectsを始めたそうです。基礎を身に付けた後の勉強方法も様々で、動画を繋げることやイラストを動かす案件が多いので、まずはそれからやってみるといいかもとアドバイスを頂きました!
また、普段から気になった動画をストックしておくといいと教えていただきました。以下、紹介していただいたyoutubeチャンネルです。
案件に入る際は、素材加工を含む工程の工数感の把握や、動きの認識が合っているか確認することなどが重要とのことでした。実行した作業のリテイクを防ぐためにも報連相や合意形成の大切さを理解することができました。
実行
ヒアリングの内容を踏まえて、初級・中級・上級の3つの課題を設定し、5日間のスケジュールを策定しました。
1日目
初級課題として、Premiere Proで動画をつなぎ合わせる作業と色味の調整を行い、MV動画を制作しました。動画のサイズが大きかったため、圧縮や書き出し設定の確認を行いました。制作物の一部を紹介します。
2日目
中級課題に取り組みました。素材をアニメーション用に調整して、イラストに動きを加えました。イラレのデータのレイヤー分けや調整にも時間がかかりました。基本的な操作しか使っていませんが、リピーターに苦戦しました、、!
3日目・4日目
引き続き中級課題に取り組みました。マスクをかけてだんだん線が伸びるアニメーションに挑戦しました。どのプロパティを使えば狙った動きになるか、正確な判断ができていなかったので、想定より時間がかかってしまいました。基本的な動きは少し慣れてきたので、色々作ってみてどんどん慣れていく必要があると感じました!
5日目
上級課題に取り組みました。シェイプのモーフィングに挑戦しましたが、立体の変形が難しく苦戦しました。少し不自然な動きですね、、
5日間の振り返り
動画用に素材を加工するのに時間がかかりました。また、変形や3Dなどがまだ身についていないので、勉強が必要だと思いました。5日間模写に集中していたため、オリジナルのものを作るべきだったなと思います。この期間に習得した内容や、案件で頻繁に使うアニメーションについては、より早く作れるように効率的な方法を見つけていきたいです。
最終課題
課題設定
5日間の技術習得期間が終了し、最終課題は弊社が近日中に公開予定のインバウンドサイトのローディング動画制作に挑戦することになりました。
よく上長に、先を見て自分が取り組んでいることが次に何に繋がるか、考えながら行動しようと言われています。現在デザインを作成中の案件であり、完成品の質次第で実際に使ってもらえる可能性もあるため、このテーマに絞りました。以下が最終課題の内容です。
プランニング
テーマが決まったので、具体的にどのような動きにするか考えました。
なかなかアイデアが浮かばず、時間がかかってしまいました。最初のプランニングがしっかりできていないと、制作中に迷ってしまうことや軸がぶれてしまうことがあります。上長に相談したところ、上位概念の部分から考える必要があると助言されました。技術を活かすための思考回路こそが重要であると学びがありました。頂いたアドバイスを元に、方向性や動きのイメージをブラッシュアップしました。
その後、ラフを描いて提出し、担当のTOPデザイナーさんに提案しました。
制作開始
プランニングの承認を得た後、After Effectsで制作を始めました。エムハンドのサイトとしてのイメージを崩さないよう、サイトに使われている要素を取り入れました。トラックマットやノイズ、エフェクトのメッシュワープなど初めての動きに挑戦しました。
初稿を提出し、上長と担当デザイナーさんからFBを頂きました。
FBをもとに、色が混ざり合うことが伝わるよう、色味やねじれ具合を調整しました。こちらが完成した動画です。
こちらのローディングは、現在制作中のインバウンドサイトで使用されます。どのサイトで使われるかお楽しみに!
振り返り
以上がこのプロジェクトのプロセスです。
初めての挑戦で、技術的な面やコンセプトなどで悩むことがありました。しかし、上長や先輩デザイナーさんの協力のおかげで、7日間を有意義に使うことができました。このような時間を与えていただき感謝しています。
最終課題の際にアイデアが浮かばない苦悩もありました。今後は普段から良いなと思ったアニメーションをストックし、「こういうことを伝えたいから、この動きを取り入れよう」とすぐに思い浮かぶようにしたいです。技術を活かすためには「点と点を結んでいく瞬発性」が重要だと、いつも上長が伝えてくれています。デザインと同様に、サイトや広告などの動きを意識して見ようと思います。そして、制作時は浮かんだアイデアをつなぎ合わせ、徐々に固めていくことを意識して行いたいです。
また、課題を進めていく中で、多様なアニメーションを作れるようになれば、サイト制作時に表現の幅を広げることができると感じました。まだできないことが多いので、これからも技術向上に努めたいです。
そして、今週末にAfter Effectsの配信イベントである「朝までアフター」が開催されるそうです!以前朝までイラレに参加したことがあるため、今回のイベントもとても楽しみです!私も参加させていただき、さらに知識を深めていきたいです!
<朝までアフター>
2023年8月25日(金) 21:00-29:00にオンライン開催 https://dtptransit.doorkeeper.jp/events/160124
※当日の視聴は無料(参加登録が必要)
<おまけ>
記事のタイトル案も考えました!
記事のタイトルは、より多くの方に見ていただくために、キーワードの選び方が重要だとFBを頂きました。検索にヒットしやすいキーワードを組み合わせることが大切だとわかりました。前回の記事作成時も教えていただいたのにすっかり抜け落ちていました、、
調べてみて、今回は「新卒デザイナー」や「After Effects」が検索にヒットしやすいと考えました。「After Effects」は、英語と日本語どちらの表記が多く見られるかということも調べ、次の案を考えました。
初めての挑戦の中で再現性を出すというプロジェクトだったので、上長と相談して「新卒デザイナーとAfter Effectsの7日間」に決まりました!タイトルを決めるのも意識することが多く、とても難しかったです、、書いた記事がよりたくさんの方の目に留まるように考えることが大切だとわかりました。最後までお読みいただきありがとうございました。