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『Webディレクター必見』イメージを言語化できるおすすめ書籍5選

コンセプトやデザインを言語化することは、Webディレクターにとって必要最低限のスキル、かつ重要なパートです。

言語化する力をどのように磨くのか。これには言葉のインプットが必要で、一番身近な方法として読書があります。読書で言葉のインプットを行い、他の人の言葉を借りることでまるで雪解けしたかのように言語化できるようになります。

漠然としたイメージや経験上なんとなく見えている解など、言葉ではうまく表現しにくいことも、本を読んで言葉のインプットをすることにより、アウトプットできるようになってくると思います。ご紹介する5冊は、Webディレクターとして実務経験1年以上の方々には必ず役に立つ本です。

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01. 「センスは知識からはじまる」 水野学

“くまモン”のデザインで有名な水野学さんの著書です。この本は今まで苦手だと思っていたことでも、やってみようと思わせてくれる、価値観を変えられる一冊です。

生まれつきのものだと思われがちな「センス」が、決して持って生まれたものではなく、知識や経験で習得できるものだということが、実例も交えてわかりやすく説明されています。

 ■ 印象的なセンテンス
「センスのよさとはミステリアスなものではないし、特別な人だけに備わった才能でもありません。方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、誰にでも手に入るものです。僕もあなたもセンスは等しく持っており、違いはそれをどう育てるか、どう使っているか、どう磨いているかだとお伝えしたいと思います。」

『センスは知識からはじまる』より抜粋


02. 「佐藤可士和の超整理術」 佐藤可士和

TSUTAYA、ユニクロ、楽天、ホンダなどの超一流企業のアートディレクションを手がける佐藤可士和さんの著書で、モノゴトの本質を見極めるプロセスを解説した一冊です。

モノゴトを「空間の整理」「情報の整理」「思考の整理」の3つに分け、大切なのはプライオリティーであり、視点の導入であり、思考の情報化であると説かれています。

■  印象的なセンテンス
「『売れるものを作ろう」と思ったときに必要となるのは、新たな発明でも斬新なひらめきでもありません。モノやサービスが飽和状態となった今の時代、”売れる”“売れない”の違いは本当にわずかです。微差の部分で”売れる”“売れない”が決まるとき、決定打となるのは次の要素です。『どこまで緻密にアウトプットの質を高めているか』。」

「この整理術、僕は決して義務感で実行しているわけではありません。仕事を快適に進めて行きたいと思い続けているうちに、自然と身についていきました。改めて考えると、自分の仕事であるデザインも、クリエイティビティ溢れる整理術だと捉えています。

なぜなら、ひとつのデザインを生み出すことは、対象をきちんと整理して、本当に大切なもの、すなわち本質を導き出して形にすることだと思うからです。」

『佐藤可士和の超整理術』本文より抜粋


03. 「100年の価値をデザインする」 奥山清行

奥山清行さんは、イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした工業デザイナーです。ゼネラルモーターズ、ポルシェ、イタリアのデザイン会社ピニンファリーナなどでチーフデザイナーを歴任しておられます。

近年は家具や食器、そして秋田新幹線やヤンマーの農機具のデザインまでを手がけ、世界的に活躍されています。

水野学さんや佐藤可士和さんとは違い、主に工業製品のデザインを手掛けているので、例えば耐用年数、機能性、操作性などの要素もデザインをする上での重要なポイントになります。その思考や洞察の深さは、非常に勉強になります。

印象的なセンテンス
「これは同じ世界を目指す後輩に向けてのメッセージだが、若いデザイナーは質を追うならひたすら数を出せと言いたい。頭を振り絞って考えに考えて、その上で数を出すのだ。それだけではなく、労をいとわず体を動かせ。億劫がらずに現場に行け。手を動かせ。そこに答えがある。」

『100年の価値をデザインする』本文より抜粋


04. 「仕事をつくる」 安藤忠雄

世界的建築家である安藤忠雄さんの著書です。安藤忠雄さんほどの方になると仕事がどんどん舞い込んできて、好きな仕事だけを選んで思うがままにできるのだろうと思ってしまいますが、実は弊社のようなWeb制作業と根本的な立場は同じ。

限られた予算の中で、いかにクライアントの要望と自分たちが考える“あるべき姿”を両立させるかという、すり合わせの連続なのだそうです。

また、結果責任も背負いながらの作業となります。読んでいるうちに、親近感が湧いてくると共に、世界の安藤さんでもモノづくりとなれば、同じような苦労はあるんだなと思わされます。

印象的なセンテンス
「コンペは建築家にとって真剣勝負だから競争者の優れた案を見ると、力量の差を思い知らされ、恐ろしい。正解は一つではないが、明らかな優劣は致し方ない。現実を突きつけられ負けからまた学ぶ。しかし、そういった不安と緊張感の中でしか生まれない想像力がある。挑戦しなければ、向上は望めない。」

『仕事をつくる』本文より抜粋


05. 「デザインのデザイン」 原研哉

日本を代表するグラフィックデザイナーで、無印良品のデザインも手がけられた原研哉さんの著書です。この本の書き出しは「デザインを言葉にすることはもうひとつのデザインである」で始まります。

独特の言い回しで少し難解なところもありますが、しっかり読めば論理的な文章で、奥深さがあり、言葉に大変な重みがあります。アートディレクターに近い職種の方はより参考にしていただけると思います。

■ 印象的なセンテンス
「無印良品が目指す商品のレベル、商品に対する顧客の満足度のレベルはどの程度のものだろうか。少なくとも突出した個性や特定の美意識を主張するブランドではない。『これがいい』『これじゃなきゃいけない』というような嗜好性を誘発すうような存在であってはいけない。

いくらのブランドがそういう方向性を目指すのであれば、無印良品は逆の方向を目指すべきである。すなわち『これがいい』ではなく『これでいい」という程度の満足感をユーザーに与えること。『が』ではなく『で』なのだ。しかしながら、『で』にもレベルはある。無印良品の場合はこの『で』のレベルをできるだけ高水準に引き上げることが目標である。」

『デザインのデザイン』本文より抜粋



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