9月の小樽を走る。修学旅行 自由行動実録
念願の小樽に行こう!
7~9月に自由な時間ができたら、日帰りでも小樽に行くと決めていた。9月のある日、突然チャンスが到来したのですぐに格安航空券を取得。5日後出発という直前かつ三連休だったので「何が格安やねん」状態だったがそんなことを言っていられる場合ではない。小樽ルカバンRTAを決行することにした。
※この記事はときめきメモリアルGS3の桜井琉夏√のネタバレを
多分に含みます!未プレイの方はご注意ください!
★小樽ルカバンRTAとは?
GS3本編2年目9月の修学旅行、ルカとバンビの自由行動のスケジュールがあまりに忙しく見えるため私が勝手にこのように呼んでいる。
札幌市の羊ヶ丘展望台をスタート地点とし小樽へ移動。そこから煉瓦倉庫、ガラス工場、ニシン御殿、水族館、ルカの生家跡地を経て北一ホールでコーヒーを飲み、門限までにホテルに帰るというもの。
とにかく長いので、とっとと目的地に行きたい人は目次からBダッシュしてね!
北海道へGO✈️
夕暮れの羽田空港をたち、札幌についたのは18時半。ここから列車に揺られて小樽には21時頃の到着になるので、急いでも仕方ないし空港でいろいろお買い物をした。
函館本線はルカくんが育った石狩湾沿いを走る路線。絶対目に焼き付けないと…!
と意気込んだものの、窓の外は真っ暗だった。写真撮ってもどうしようもないくらい真っ暗。帰りの始発を期待。
ボックス席がない列車にあたってしまい空港で買った海鮮丼も食べられないので、移動中はVITAのルカくんとデートをしてすごした。
最高に充実。
列車に揺られること1時間47分。
着いた。
石狩湾は真っ暗だったけど、煉瓦倉庫の夜はキラキラ。この時間の観光客はまばらで、薄手のパーカーがいるくらいの気温で過ごしやすい。運河沿いでアコーディオンを弾く人や、運河の観光船の後片付けをする人、街灯の上でうとうとする海鳥がいて風情がすごい。(表現力の限界)
滞在は小樽運河すぐ近くのホテル。
翌日は朝から晩まで走り回るので、早めに寝た。
自由行動のスケジュール
私が勝手に予想したルカとバンビの自由行動スケジュールと、実際に私が歩き回ったスケジュールがこちら。
大忙し!
修学旅行二日目、自由行動の開始時に彼らは札幌にいる。羊ヶ丘展望台から小樽までの移動時間は車(タクシー)で約50分、鉄道なら約1.5時間。貸切タクシーの可能性もあるが、自由行動当日の朝にバンビに「誰と回るか決まってる?」と尋ねたり、兄が突然道産子上等離脱をキメてしまったり、事前の班分けがなさそうに見えるのでやはりバスや鉄道での移動なのではないだろうか。
本当はルカ達と同じように札幌の羊ヶ丘展望台スタートにしたかったが、移動時間に往復2~3時間を割くのは弾丸ツアーの私には難しい&ちょっともったいない。なのでそのかわり、二人が小樽に到着するまでの時間は個人的に気になるところを回ることにした。
自由行動開始前に
・小樽聖公会
煉瓦街から徒歩10分くらい。なだらかな坂をひたすら登り続け、住宅街を抜けた先にある小さな教会。毎週日曜日の朝、礼拝のために解放している。小樽市の歴史的建造物にも登録される木造建築。
小樽周辺にはいくつか教会があるが、ここは煉瓦街から歩いていける距離なので散歩がてら来てみた。
もしかしたら、男の子と両親が『日曜には教会に行って、ときどき帰りにドライブをした』(ADV「家族の情景~ルカ~」)というのはここだったりするかもしれない。
なだらかな坂とはいえ、小高い丘のてっぺんなので着く頃にはまぁまぁ息切れ。このあたりは花壇だったり野生だったり、とにかく朝顔がたくさん咲いていた。コスモスやツユクサも目立つ。はっきりした色のピンクや青、黄色など元気な色の草花が多い。きれい。秋の虫も鳴いていた。小樽の風土。
・北一ホールのガスランプ点灯作業
北一ホールには自由行動の最後に来るつもりだが、開店前の朝9時から店内のすべてのガスランプを点灯する作業を一般公開しているらしい。見たい。
小樽聖公会からのちょっとしたハイキングを経て、北一ホールに到着したのは開店15分前の8時45分。
すでに長蛇の列。ちょっと嫌な予感。
9時に扉が開いた。
ちょうど私の目の前で入場制限に。
そう。 私の、目の前で。
入場制限を告げたスタッフのおじさんが、呆然とする私に申し訳なさそうに「ごめんね…」と言った。
15分前からの待機じゃダメだったか……のんびりハイキングしてたから……
いや、でもこのハイキングはものすごく有意義な時間だったし……
あの、一人くらいダメでしょうか……?
私すごいコンパクトになるように頑張るから…すみっこでいいから……
うん、だめですよね。わかってます…。
自由行動において、北一ホールは小樽を走り回った者にこそ価値がある。時間は限られている。泣いている場合ではない。(泣きたい)
心を奮い立たせ、他に9時に見てまわれる施設がないかスマホを取った。
・小樽オルゴール堂
北一ホールから徒歩1分。私の傷付いた心を癒す場として記憶されることになる小樽オルゴール堂。
識者が「ルカが絶対好き」と話していたので気になっていたのだが、朝9時に開店だなんて、この状況の私にとってあまりにも親切。
ウワー!!キラキラだぁー!!(復活)
小樽、ロマンチックすぎる。この空間でオルゴールに囲まれてはしゃぐルカとバンビ、絶対可愛い。琉夏の瞳に映るバンビも綺麗で愛おしくて仕方がなかったんじゃなかろうか。
無数のオルゴールの音色が混ざりあって響く。踏みしめるたびに少し軋む木の階段の情緒。
ここで少し探し物。
ホワイトデーにルカがバンビに渡す「天使が踊るオルゴール」。これに対してバンビが「この天使、ちょっとルカくんに似てるかも♡」と言う。
せっかくなのでルカに似てそうな天使のオルゴールを探してみるも、なかなかそれらしきものがない。
「天使のオルゴール」自体はものすごい数ある。
でも似てない。
いや、似てるとか似てないの問題じゃない。
↑こういう天使がたくさんいる。
どうしてガラス製の天使って、のっぺりしたフォルムが主流なんだろう。動物のオルゴールなんかは抽象的なのからリアルなものまでいろいろあったのに。
でもこの天使を見て「ルカくんに似てるかも♡」って言っちゃうようなバンビ……。それはそれでなんだか好感が持てる。恋は盲目。
・自由行動スタート地点へ移動
オルゴール堂を出て小樽運河に向かう。途中通りがかった橋の上でおじいちゃんに「ちょっと見てごらん」と声をかけられた。川をのぞいたら鮭がいた。おじいちゃん曰く小樽運河は鮭の産卵には向かないのだが、間違えて迷い込んでしまった気の毒な鮭たちらしい。自然の厳しさ。
そういえば自由行動をキューティー3で回ると、運河でカレンが魚を見つける。あれも鮭だったのだろうか。
自由行動 in 小樽、スタート!
★煉瓦倉庫
バンビも機材を構えてやる気充分!
もともとの雨予報が嘘のような秋晴れに。もうそれだけで北一ホールで目の前で入場制限されたこととか、すべてがどうでもよくなってしまいますね!!!!(しっかり引きずっている)
手元のルカくん in VITA とよーく見比べて……
やった!やった!!ここだ!!
嬉しい~~~~~~!!!!!!
街灯とかちょっぴり違うところもあるけど、こんなの誤差レベル!
とってもいい天気!やった~~~!!!
一人でしっかりはしゃぎ倒したら、時間がないので小樽水族館方面へ移動。
バンビ「時間、足りるかな?」
ルカ「じゃあ、走る。来いよ!」
私「おっけー!!」
・祝津へ観光船で移動
煉瓦倉庫のすぐ近くの港から、観光船で水族館へ移動することに。
煉瓦街から水族館まで観光船で約20分。ちなみにバスだと約20分、車やタクシーだと約10分。
今回船を選択した理由は二つ。一つ目が、せっかくの初小樽だし、海からも眺めたい。そして二つ目が重要だった。それはこのあとで。
20分ほどで祝津港が見えてくる。
この時点でもう私は一人そわそわが抑えられず、写真を撮ったりGoogle Mapを確認したり、旅の実況を許してくれる友人に「どうしよう」とLINEを送りつけたりしていた。
★ADVの生家跡地
今回観光船で祝津港に来た理由。
それはルカの生家跡地の景色が祝津港周辺っぽいから。
・生家跡地の検証
・岬の灯台
このADVの風景の左側に見えるのは高島岬、そしてそこに建つ日和山灯台とニシン御殿だと思われる。
日和山灯台はかつてニシン漁で賑わった明治16年に初点灯した灯台で、小樽水族館からは徒歩10分ほど。
私もGoogle Mapのストリートビュー等でも散々確認したが、これはどう考えても間違いない。ニシン御殿や水族館は生家から見える位置にあった。
とはいえ、高島岬が見える場所というだけなら小樽周辺にはいくらでもある。
・港
ADVの景色でもう一つヒントになりそうなのが、岬の下方に見える白い棒状のもの。これはおそらく船のマストなので、船着き場が生家のかなり近くにあったようだ。
船着き場や港というと、やはり小樽築港……?
でも築港からだと岬はこのイラストほど近くには見えないような……?
と地図とにらめっこしていたら、岬の麓にも祝津港という立派な港があった。
水族館・ニシン御殿からも徒歩圏内!!
煉瓦街から観光船も出てる!!
渡りに船!!!!!(そのまんまの意)
・生家の場所は諸説あり
地元に詳しいGSファン達にも尋ねたところ、「高島岬が見える」「港や船着き場が近い」という条件から祝津説と築港周辺説が有力ではあるものの、あの景色と完全に一致する場所は無さそう。あの景色は小樽地区の風景の集合体という可能性が高い。
☆もし「ここだ!」という景色があったら誰か教えてください。
とりあえず、今回はRTAということもあり『ニシン御殿、水族館と大急ぎで回って辿り着く』(ADV「家族の情景~ルカ~」より)ことができそうな場所=祝津と仮定して歩き回ってみた。
・現地調査
祝津港に近づく船からの景色がこちら
地形おんなじ~~~!!!!!!
日和山灯台、ニシン御殿、高島岬、あなた達だったのね~~~!!!!!
港も手前に見えるし、ほぼ一致してそう。
興奮に震えながら下船。
え、本当に観光地ですか…?
水族館やニシン御殿があるんですか…?
って戸惑うくらい、観光地にありがちな案内や広告なんかも特にない、普通の漁港。
と思ったら、木製の立て看板に手書きで「おたる水族館、徒歩10分」と書いてあった。
港には漁船がいっぱい。漁師さんがカゴを洗ってたり、網が干してあったり、浮きがゴロゴロ転がってたりする。
波の音と海鳥の鳴き声、漁船や港の重機の音がただただ響く静かな町で、彼は生まれ育ったんだ……
もう、すっかり満足してしまった。
日が暮れるまでただ海辺に座っていることも全然できる。胸がいっぱい。石狩湾を吹く風になりたい。
でもせっかくここまで来たので、生家跡地に近い景色を探しはじめた。
事前に予想していた通り、やっぱりADVと全く同じ景色はない。岬の見え方は完璧なのに、高台がない。それなりに歩きまわったが、民家はだいたい海岸沿いの比較的低いところに建ち、そこから岬を眺めようとしても港の建物や船のマスト等で半分ほど隠れてしまう。高島岬と港を同時に見渡せそうなのは丘の上に立つ水族館や貴賓館くらい。
私が立ち入れそうな範囲で一番高さがあって見え方が近そうなのは港の堤防だった。そこで漁港関係者とおぼしき方に声をかけてみたら、堤防に登らせてもらえた。
「どうしても見たい景色がありまして…」
と詰め寄ってくる女に、漁港のおじちゃん達は優しかった。彼らに見守られながら、堤防の錆び付いた梯子をよたよたと慣れない足取りで登って撮ったのがこちら。
空と海が広い。おじちゃん達曰く、この日の海は特に穏やかだったらしい。
「さっき船からみた景色とほぼ一緒じゃないか」というのは置いておいて、この地を自分の脚で踏みしめて、全身でこの景色を感じられたことが最高に幸せだった。
ここに来ることができて本当によかった。
堤防を降りるときは、登りよりさらに怖かった。長年の運動不足による運動パラの低下が痛い。
★おたる水族館
自由行動 in 小樽、来てよかった大賞受賞。
生家跡地の景色探索ですでに満足していた私だったが、ここは最高の水族館だった。
こんな近くにこんな面白い水族館があったら、そりゃ水族館大好きになるし「魚は見るのも食うのも大好き」って言うし、動物園では「野生が俺を呼んでいる」なんて野生がある前提で話すよね……など、予想外の角度の納得感を得てしまった。
詳しくは以下参照。
■アザラシの餌やり
真っ先にやってきたのはルカ少年が大好きだったアザラシの餌やり。これは絶対にやりたかった。とはいえ、幼い頃から地元の動物園でペンギンや白くまに餌をやるのが大好きだった私。
餌あげたら「ワー♪」って集まってくるんだろうなぁ、くらいのイメージだった。
完全になめてた。
「ワー♪」なんかじゃない。
投げ入れた魚を獰猛に仲間と奪い合うアザラシ達の鳴き声は「ブォォ!」とか「ゴァァ!」だった。小さいアザラシが大きいアザラシに強烈なパンチをお見舞いするシーンもあった。石狩湾を檻で仕切っただけの野性味あふれるプールに住んでいる海獣たち。荒波や強風にさらされっぱなしの彼らはその辺の水族館育ちとは様子が違う。
ちなみに、野性のトドが外海から檻を突き破って勝手に住み着いたことが何度もあるらしい。
逆に脱走したアザラシが番を伴って帰ってきたこともあるらしい。
普通に野生動物も住み着いているのだ。野生味があって当然だった。
さらに、身の危険を感じたのは野生の鳥。私はぼんやりしていたので、カラスに襲われて餌の鯵を持っていかれた。
気を取り直してアザラシに向けて餌を投げ入れたら、今度は空中でカモメにかっ拐われる。それを見たアザラシに「何してんだよオマエ」という顔をされる。
男の子は、水族館に行ってアザラシたちに餌を投げてやるのが好きだった。
(ADV「家族の情景~ルカ~」より)
彼が愛したアザラシの餌やりは、私の想像よりずっとエキサイティングだった。
■ショーが豊富なおたる水族館
ショーが一時間に約3~4本ペース。オタリア、イルカ、セイウチ、アザラシ、トド、ペンギン……
盛りだくさん!!
Twitterで小樽RTAをちょこちょこ実況していたら、識者達から「絶対ペンギンショー見て!」とのことで見に行った。見てよかった。テレビで有名だったらしいが知らなかったので感謝。この生き物たちの奔放さもルカが好きそう。
■展示も面白い
・ついつい買っちゃったものたち
★ニシン御殿
小樽水族館に予定よりもだいぶ長居をしてしまった。あまりに楽しかった。
しかし困った。ニシン御殿は水族館のすぐ隣だが、時間的に中をじっくり見学するのは厳しいか……と思いつつ来てみたら、
臨時休館だった。
直前に降った大雨による土砂崩れで休館。再開の見込みはこの時点では立たず。
うーん、残念!(←デートを断られたときにバンビが言うやつ)
次ゆっくり来た時のお楽しみということで。
でもなんとなく、ルカとバンビもこのぎゅうぎゅうスケジュールの中だしニシン御殿は「目の前まで来れたね♡」と写真だけ撮って済ませてるんじゃないかなぁと思っている私もいる。(異論は認める)
・再び煉瓦街へ
祝津から煉瓦街に戻るのには路線バスに乗った。船も爽快だったが、バスの方がルカ少年のふるさとが感じられそう。海回りの路線で走るのは漁港と工業地帯がただただ続く道で、いつもすぐそこに海がある。はばたき市の海とも繋がっている……。
なんて物思いに耽ってたら見事に乗り過ごして、小樽駅から煉瓦街まで徒歩で戻るはめになった。
★境町通り散策
・ガラス工場(北一硝子見学工房)
バンビが行きたいと言っていたガラス工場はたぶんここのことかなぁ、と北一硝子の見学工房に来てみたら、
数年前より見学休業中。(2023年9月現在)
「うーん、残念!」(1時間ぶり2回目)
気持ちの切り替えに便利な言葉だ。
境町通りを散策してみる。
・自作オルゴール
相次ぐ目的地の休業により時間に余裕ができてしまったとはいえ、どうやら私は朝から「天使のオルゴール」のことが心にひっかかっていたらしい。
一番賑やかな通りでふと目に止まったオルゴール工房の「自作オルゴール」の文言。
作りはじめてしまった。それも、のっぺり天使タイプ。
のっぺり天使と言ってもいろいろなバリエーションがあって、気に入った形の天使はさらにゴールドかシルバーかいずれかの模様が選べた。
迷わずゴールド。
足もとにはアクアブルーの花達をそえて。
結局私も、どんなのっぺりした天使を見せられても「ルカくんに似てる♡」と言いだしてしまうほど頭の中が大好きな彼でいっぱいなのだ。恋は盲目。
曲は「My Favorite Things」にした。選曲に深い意味はなく以前から私が好きだった曲を直感で選んだだけだったが、幼いルカ少年と結びつけて考え始めるとまた膨大な時間を要しそうだ。
・ガラスの街
硝子で栄えた街なだけあって、境町通りは硝子の雑貨屋や体験工房が大賑わい。それぞれのお店でトンボ玉や硝子食器、ランプなどを見てまわった。
アウトレットではとっても素敵な冷酒器を超お値打ちで発見し「私、今は女子高生なのに…」と一瞬躊躇いつつも、しっかり購入した。
欲しいと思ったものを欲しいときに買う精神も、GSで養われた。
そして、先ほど断念したガラス工房の見学だったが
途中、通りがかった硝子店の工房をチラ見させてもらえた。ラッキー!
炉が燃えてる。離れたところからでも熱い。あの真っ赤に燃えてる塊がきれいに透き通った硝子になるんだ……不思議。
★北一ホール
ず~~~~~~っとここに来たかった!!
小樽中を走り回った脚の疲労感と、無数のランプから降り注ぐ光の粒、ガスランプのにおい、BGMのクラシック音楽と各客席の控えめな話し声、そして内から湧き出す多幸感でお尻から椅子に埋まり込んでしまうような感覚に。
80席だと聞いてたし、なんとなく広いのかと思ってたけど想像より小さい箱だった。いや、広いんだけど、天井の高さや客席のゆったりした作りの割には建物の横幅がなく、こじんまりとした印象を受けた。なんか、秘密の部屋みたい。木造の空間に、いろんな音がやわらかく響く。
ひそひそ声で談笑するカップル、ランプを見つめながらひとり物思いにふける人、ゆったりとした店内BGM……なんだか本当に夢みたいな空間だった。
ルカとバンビはここで今日の出来事についておしゃべりしてたの……?
悲しい思い出より、楽しい思い出がたくさんよみがえってきて不思議な気持ちになるルカがここにいたの……?
なんかもう、たまらない気持ち。
実際に小樽を回ってみて、案外そんなに無茶なスケジュールでもない気がした。元・地元民のルカが一緒だったなら尚更スムーズだったのではないだろうか。
今回は目的地が二ヶ所も休業していたのもあるが、それにしても水族館を当初の予定より楽しんだり、思い付きでオルゴール作り体験をしてしまったりもできた。
だいたいの見所は煉瓦街周辺にぎゅっと詰まっていて、また約20分で祝津に移動してしまえば水族館とニシン御殿も隣接している。
バンビ「ちょっと忙しかったけど、全部まわれたね?」
ルカ「小さな町だからね」
私「ほんとだね!」(乱入)
帰路
こうして翌日の始発に揺られて帰宅。
日中の快晴から一転、北一ホールを出てからは夜通しどしゃ降りの大雨になったが、始発の列車が出る頃にまた晴れてきた。本当に奇跡的に天候に恵まれた自由行動だった。
夜明けの函館本線、朝里付近。(生家跡地候補②)
ちょっと遠いけど、高島岬が見える。漁船や旅客船が海を渡っている。
夜明けの石狩湾が、それはそれは美しい。
雨上がりのおだやかな海が本当に美しくて「凪いでるな…」と微笑むルカの声が聴こえた。子供の頃から、いつだって海がすぐそこにあったルカ。
はばたき市でも、海の向こうを見つめていたルカ。
あまりに胸がいっぱいで、早朝の小樽駅で買ったタラコおにぎりを食べるのを完全に忘れていた。さっきまで座席で飲んでいたはずのお茶も、なぜか失くした(?)
ありがとう小樽。
次来たときは観光地でもなんでもない海沿いの道や住宅街、公園なんかをゆっくり歩きたい。
あと札幌でもカニとジンギスカン食べに抜け出したり、羊ヶ丘展望台で狼こえー!って駆け回ったりもしたい。
完