15年分の歌声、メッセージに心が震えた日-miwa ビルボードライブツアー miwa CLASICCⅣ横浜ライブレポ-
※メモなし記憶辿ってのレポなので、あれちがうぞ?という部分あるかもです。あたたかい目で読んでくださると🙇♀️
2021年のコロナ禍の自粛モードが緩み始めた頃から始まったmiwaのビルボードライブは、今回で4回の開催だ。
"miwa CLASICC"というタイトル通り、このツアーではバイオリンやチェロのストリングスを交えている。そして、このビルボードライブの醍醐味は、美味しい食事やお酒を楽しみながらライブを見ることができることと、アーティストとの距離の近さだ。
快適空間で、更に近距離でライブが楽しめるというワクワクと共に、ファンたちは美味しい料理やお酒を楽しみながら時を待つ。
19時になり、客席を通ってmiwaやバンドメンバーが登場した。飲食をしていたファンも手を止め、緊張感のある空気でステージに注目する。
一人一人が何が来るか…?と予想する中での1曲目は、"キミはナガレボシ"
恋愛曲での幕開けだ。この曲は前回の7thツアーでも大阪公演のみでの披露だったため、大多数へのお披露目はストリングスを交えたものとなった。とてもまっすぐで尊さがギュッと詰まった歌詞を、透き通ったmiwaの歌声で更に引き立てていた。2番で出てくる低音パートのラップも、流暢に歌い上げ、とても心地よい一時だった。
続くは同じくニューアルバム7thからの
"君が好きです"。こちらも可愛い恋愛曲で、"キミはナガレボシ"で歌っている相手とのアフターソングと考えたら、少女漫画のような展開で胸にキュンとくる。
そして、3曲目の"シンクロ"はオバタコウジとejiが奏でる低いビートがジャズ風のアレンジとなり、それにストリングスも重なって渋く、キャッチーな曲がビルボードにぴったりな大人な雰囲気の曲へと変わっていた。
ビルボードライブでいつも驚くのは、曲の化け方。このアレンジは毎回、ピアノのejiが考えているとのことだ。
この曲がこんな風になるんだ!と、アレンジでの変わりように感激する人も多いんじゃないだろうか。
ステージにいる全員が演奏を楽しんでいて、miwa自身も新しいアレンジで披露する度、とてもキラキラとした表情でバンドメンバーの顔を見て歌っている。
3曲の演奏を終えると、
「アルバム7thからお届けした曲、いかがでしたか〜?」との問いかけには、歓声ではなく、ビルボードの雰囲気に合わせて大きな拍手が送られた。
そして、miwaクラシックでは恒例の"お楽しみメドレー"へ。
「いけんのー!?」と、いつものライブさながらの問いかけには、これもいつも通りの\イエー!!/と元気な声が返ってきて、「男子ー!?女子〜!?ぜーんいん!」と、先ほどのしっとりとした雰囲気をガラッと変えたテンション感だ。曲は、リトルガール・It's you・ミラクル・シャイニー・君に出会えたからと、どの曲も必ずファンと歌う部分や踊る部分が入っているラインナップ。チェロやバイオリンを入れるとどの曲もとても可愛く仕上がり、新鮮さを感じる。
メドレー中は右に左に、上に奥にと全ての人に届ける勢いで、かなり多くのファンの顔を見ていた。miwaはまもなくデビュー15周年と長く経つし、カナダという遠いところに今は行ってしまったが、ファン全員を大切にする姿勢は何も変わっていない。ビルボードライブでしっとりと楽しむことがメインではあるも、このお楽しみメドレーでは普段のライブと変わらない歌声、クラップ、コールアンドレスポンスでファンとコミュニケーションを取る、天真爛漫なmiwaのライブだった。
お楽しみメドレーの盛り上がりをmiwa自身も、「みんなの声がすごい!!!」と話してた。
miwaクラシックも後半戦にさしかかり、
今までを振り返るようにMCへ。
「私来年の3月でデビュー15周年を迎えるんです。自分の行っていたCDショップで自分のCDが置かれてるのを見て、サンケイスポーツさんでもおっきく出て、あのことは忘れられません。
で、デビュー日にやった無料ライブはパンパンで、大阪から来た関係者の方が外で音漏れを聞くくらいwww」「デビュー前はガラッガラだったのにねー!!!」と、ejiと思い出にふけっていた。
そんな私のデビュー曲を歌います、で始まった"don't cry anymore"。
miwaはいつもこの曲を歌う時は「初心に返って歌います」と話しており、他の曲よりも一際感情を込めて歌っている。でも、この日の歌い方は過去のものを遥かに超えていた。心臓を抉り取られるくらい、空気がビリビリと震えるほどの凄まじさだった。
また、ストリングスと照明の合わさり方がえぐいくらい良い味を出していて、もがく様が現れており、don't cry any moreに込められたmiwaの想いが全身に広がり深くまで届いていた。
デビューからもうすぐ15年というタイミングでビルボードでのストリングスを交えての披露は、miwaも語っていた15年間で、煮詰められた深みを出していた。
デビュー時から髪を切り髪色を変え、音楽について学び、カナダに住み、と音楽人生の中で色んなことががあったmiwa。その今の集大成がこの曲を歌う時間に込められている気がした。
続く、命をテーマにした"あなたがここにいて抱きしめることができるなら"には、母となったmiwaの姿と重なり更に涙腺を刺激した。
再びMCに入り、
「次に歌うのは2019年に書いた曲で。結果を出し続けるとか、誰かの期待に応えることに行き詰まってしまって、 髪を切ったりしましたが、自分の歌いたい歌が分からなくなって。そんな時に書いたものです」
こんなmiwaの正直な気持ちを聴けるのはなかなか無いと思った。演奏された曲は、コロナ禍で多くの人に寄り添った"Who I am"。孤独を感じがちな世の中で、「君のそばには君がいる」という言葉に助けられた人は多いのではないかと思う。そして、今回のライブでそれはmiwa自身もだったことに驚きと共感の気持ちだった。
その後、転換のストリングスがBGMとして鳴り、何がくるかわからない状態で始まったのは
"ヒカリヘ"だ。イントロの前奏で察したファンが湧き上がり始まるのが恒例のため、曲の世界観に心を完全に持っていかれた。
Who I am→ヒカリヘの順に聞くと、曲中での「君」は、その時の自分自身の意味合いが濃くなっていた。Who I amで自分の隣には本当の自分がいる、ヒカリヘではもし本当の自分がいなくなっても愛が照らしてくれる、とストーリー性を感じた。そして、それはいつもニコニコとファンに元気を与えてくれるmiwaの苦しかった時の心の中を歌っているようで、涙が止まらなくなった。
この日のセトリは、miwaの音楽人生の流れを見ているよう。
続く"それでもただ"は、その止まらなくなった涙をハッピーエンドの方向に爆発させた。全肯定する歌、とmiwaがずっと語っている曲で、力一杯に響いた歌声は、一人ひとりの心を解き放っていた。
以上で本編を終え、ファン一人一人に手を振り退場するmiwa。
グッズのストールを巻いて再登場し、グッズ紹介をした後アンコールへ突入。
このビルボードライブは冬に開催していることから、アンコール1曲目はいつもならクリスマスソングを撮影OKで歌っている。でも、今回は15周年が近いということもありデビュー前の曲をやっているとのことだ。今回選ばれたのは、「ギターの曲」と紹介された"441"だ。
「4〜4〜1〜♪」とmiwaが歌うと、スマホで撮影しながらも指で441を作るファンがいっぱいだったことにほっこりとした。
441の撮影タイムが終わり、次が本当のラストの曲だ。この曲は、カナダに行くことを決めた時の気持ちを表しているそう。
I'll be with you
と、凛とした眼差しで、力強く歌う。
選ばれたのは"空っぽ"だ。
「空っぽの気持ちで真っさらな旅に出よう」という歌詞には、嫌なことは全て忘れて旅にでも出よう、と、うやむやで渦巻く心を真っさらにしてくれる。
また、「誰もが夢の途中」というフレーズは特にグッときた。
miwaがアーティストとしてデビューしてから15年が流れ、フロアの年齢層も幅広くなった。学生から社会人になるファンも増え、人生に行き詰まったり悩みが増えたり。歳を重ねるにつれて夢を諦めることも多いだろう。
何度も歌詞に入っているこのフレーズは、
「いつまでも夢を見ていよう」
とmiwaからのメッセージのようだった。
miwaの曲は、
苦しい時に光を灯してくれる。心の闇を代弁して、優しくつつみこんでくれるような存在だと再認識した。
サビラストでは、マイクオフでの歌唱。miwaが直に届けたいという渾身の想いを込めているのがひしひしと伝わり、空っぽという曲が更に輝いた日だと思った。
miwaは最後に深く長く頭を下げ、ファンに感謝の想いを伝えていた。
年々パワーアップし続けるmiwaのライブだが、15周年という特別な時が近いためか、miwaは150%くらいの力で歌声とメッセージを届けていた。終始感情が揺さぶられ、自然と涙が流れた。そして、MCからはmiwaの内面に触れることができ、非常に感慨深い日だったと思う。