不倫相手に「愛してる」と言われた時の複雑な気持ち
夫の不快な言動に対する不満ばかり吐き出しているけど、その合間には秀さんが溺れるほど甘々な愛を与えてくれていて。
現実に戻った時の地獄と、
秀さんといる時の天国と、
温度差が激しすぎて違う意味で心がついていけてないというか、割れそうな感じ。
そんな中、秀さんが言うようになったのが
「愛してる」
最初理解できなかった。
愛してる?
アイシテル?
愛ってなんだっけ?
だって、愛してるから夫と結婚したはずで。
秀さんも愛してるから奥さんと結婚したはずで。
その愛してる人を裏切ってる関係の今、
私と秀さんの間に愛は存在しないのでは…?
愛は最上級で、1つ(1人)しかないと思うわけだよ、私は。
「好き」は沢山あっていいと思う。
好きな食べ物
好きな色
好きな場所
好きなお店
でも、「愛してる」は1人。…1組?
パートナーと、子供と、ペットとか、要するに"家族"。
とりわけ妻や夫に向けるべき言葉。
それを、まっすぐな目で、真剣な顔で、言ってくるようになったら…
勘違いしてしまう。
期待してしまう。
本当に、本気かもしれない、って。
愛してくれるかもしれない、って。
特別な存在になれるかもしれない、って。
好きだよ、って言われても
大好きだよ、って言われても
お互い家族がいて、その先なんて無くて
だから言い返せなくて
「知ってますー!」
って笑顔返すのが精一杯な私。
本当は好き。大好き。
秀さんとちゃんとお付き合いして、ちゃんと夫婦になれて、ちゃんと家族になれたら、どんなに幸せだろう…って毎日考えてしまうくらい、価値観も考え方も感じ方も似てて、傍にいるだけで幸せで…。
でも秀さんには秀さんの守るものがある。
私と夫みたいに壊れた関係じゃない、ちゃんと機能してる家庭が、家族が。
秀さんの「愛してる」に応えても
自分が傷付くだけだって分かってる。
「そういう事言っちゃダメですよー(笑)」
だけど…
分かってても、好きな人に言われたらそれはそれは…当たり前に嬉しいでしょ。
「えー、すごく嬉しそうな顔するんだもん(笑)」
だって…好きなんだよ。
あなたの奥さんが羨ましい。
あなたの傍に、隣に、堂々と一緒に居られる奥さんが…
この手に触れて良くて
この声に名前を呼ばれて
この笑顔を毎日見られて
夫婦として認められていて
おはようも、おやすみも言える…特別な人。
次いつ会えるか分からないまま
「またね」って離れなくていい人…。
まだ出逢ってたった数ヶ月で何言ってんだ、って話だけど。
驚くほどピッタリ合うの。
驚くほど安心するの。
別に超絶イケメン!ってわけじゃない、ごく普通の、一般的な男性なんじゃないかなと思う。
年齢のわりに童顔だなーっていうくらい?
でも私にとってはタイプど真ん中で、真剣な顔も笑った顔も照れた顔もおどけた顔も、声も仕草も立ち方さえ全部カッコよくて可愛くて大好きで…。
その上好意を向けてくれて優しくしてくれて気遣ってくれて心配してくれるんだよ。
外見だけじゃなく中身も素敵な人なんて、そんな超希少種………出会う確率1%にも満たないと思う。
そんな秀さんが発する「愛してる」は、それはそれは凄まじい破壊力。
その上、別れ際に
「帰したくない」
って漫画やドラマでしか聞いたことない台詞を綺麗な顔で言われたらもう……
「……………はい」
どこまで本気で本音なのか、
どこからがリップサービスなのか
分からないよ…。