離婚したら再婚する?
「愛してる」
「帰さない」
「帰りたくない」
「ずっと一緒にいたい」
秀さんが私にくれる言葉。
重くて、嬉しくて、痛い言葉。
何日も
何回も
繰り返される苦しみに耐えきれなくなっちゃって、自分の気持ちを話した。
同じ気持ちではあること。
好きすぎて、期待してしまって辛いこと。
不倫に先は無いと思っていること。
秀さんは、終始真剣な顔で
途中言葉を挟むこともなく
うん、うん、と話を聞いてくれた。
もともと脆い関係。
これでハイじゃあもうやめましょうサヨウナラ、ってなったとしても…今ならまだ傷は浅い。
どうせ
「めんどくさい」とか「そういうつもりじゃなかった」とか「期待させてごめん」とか言われるはず。
……と覚悟して話したわけだけど。
秀さん、笑いもせず馬鹿にもせず、真っ直ぐ目を合わせて
「そのつもりで言ってますよ?」
何が問題なの?みたいな顔。
そのつもりって…?
……んん?どういう…?
「付き合おうって話をした時から、先は考えてます。
覚悟決めてるし中途半端な気持ちで言ったわけじゃないですよ。
今はまぁ…お互い既婚者だけど…
できるだけ早く離婚して、一緒になりたいのです。」
これはもはやプロポーズ…
いやでもだって…子供もいるし…
「Mちゃんも娘ちゃんも、2人とも幸せにするつもりです!
娘ちゃんが受け入れてくれればだけど…。」
ちょっと安心したように微笑んだ秀さんが、ぎゅっと抱きしめてきて優しく言葉を続けてくれる。
「だから悲しそうな顔してたの?
嫌じゃない?…それなら良かった!
本当に大好きで愛してるのです。
傍にいたいし支えて守ってあげたい。
一番になりたいし一番でいたいのです。
愛してます、誰よりも。」
この人以上に良い人なんて居ないんじゃないか。
そう思ってしまう私の頭が、周り見えてないお花畑じゃないといいなぁと思う。
だけど…
完璧な幸せなんて存在しないのが現実。
恋してる今、全てが良く見えていて
時が経つにつれそれさえも欠点になりかねない。
自分が100悪いことが無いように、相手が100悪いこともない。
40歳手前にもなれば、そんなことは分かって当然。
だからこそ線引きしてブレーキをかけないといけない。
…分かってる。
分かってるけど…
今だけ、今日だけは幸せだと喜んでいいだろうか。