“演劇”に狂わされた話 -ジャックジャンヌ感想-
神降臨
2021年3月18日にNintendo Switchで発売された少年歌劇シミュレーションゲーム『ジャックジャンヌ』をクリアしました!
総プレイ時間100時間!ノベルゲーとは思えない。
最初に見かけたのはNintendo Directだったかな。漫画家が原作だなんて珍しいなぐらいでした。
そのあと知り合いが布教してると聞き、乙女ゲーのシステム好きだし(パラメータ上げが楽しい)、やってみるかと始めたのがきっかけでした。
やり始めたら、もう、止まらない!なにがいいって…
音楽!ストーリー!キャラたち!演技!映像!
全部良すぎて何がいいか「わからない」まである。
乙女ゲーって書きましたが、主人公が性別偽ってる時点で9割恋愛していません。雰囲気で敬遠している人は、ほんともったいないのでぜひ遊んでほしいです。(画像は公式HP 『Q&A』より)
体験版もあるけどデータ引き継げないし、「わあっ」となるまでが長いのでめげちゃうかも。気になった人は送るので連絡くださいね。
あとね、インタビューを読んでいると「前々から好きだったのでオファーしました」等、音楽も映像もストーリーはもちろんのこと、石田スイ先生の「人脈」というか熱意が人を、才能を、天才を、神さまを集めていて漫画家だなんてカテゴリに収まってないなと反省しました。
石田スイ先生という神がおわしました。
さて、ゲームの紹介をば。
PVがすばらしいのでお聞きください。
これはオープニングの曲で、ゲーム起動したときにしか聞けないのでプレイ中に一度でもちゃんと聞いたかなって感じなんですけど、改めて聞くと物語の"全て"が詰めこまれていると感じました。
本編を繰り返しプレイしたので後半の怒涛の台詞が一つひとつ聞き取れて、うう…ってなる。
立花継希は天才だった。お前はどうだ?
ゲームの最後に出てくる、問いかけに対するアンサーが好きです。
この曲だけはフルで配信されているので、すっかりお気に入りになっちゃいました。メロディーが主人公とその他メンバーで入れ替わりでかけあってるところが好き。
全体感想
ここからはゲームの内容にも触れていきます。
演劇のゲームといいつつ、公演が始まって、はい終わりましたってなると思ってました。思ってたんですよ!
事前情報ゼロだったので、公演全部やるの!?と度肝を抜かれました。
しかも曲のクオリティが高い!!
さらにダンスがぬるぬる動く!???
いや、びっくりしました。
音ゲーパートの裏側で映像が動くので、見たい!でも音ゲーやらなきゃ!という葛藤がすごかったです。
最初は台詞の読み合わせいつまでやるんだろう、とちょっとだれてしまいましたが、新人公演を見たときの興奮たるや!
そこからは次の公演が早く見たいやら、早く終わるのがこわいやらでした。
間違いなくどの曲もいいのですが、一番好きな歌は『鈴かけの木をこえて』です。こんな綺麗な曲が世の中に存在しているとは…
『!!!ゴーストパーティー!!!』の歌声が好き。
『淡色』はいわずもがなですよね。溶ける。
最終公演のダンスはみんなかっこよくて好き。歌も踊りもすごい。
冬公演の曲はもうどれも一番好き。
『我らグレートガリオン』は主人公の初ジャックお披露目で、特に目を奪われました。
9月にやっと歌曲とサントラがフルで聞けるCDが出るので、めちゃくちゃ楽しみです。
ハマるなら今!!
タイトルに"演劇"に狂わされたと書きましたが、声優さんが本当に素晴らしすぎました。
「演技ができない演技」がプロでした。同じ台詞をこういう風にしてと指示されると、明らかに「上手くなってる!!」と思わせるのがすごい。
台詞の遡りが簡単にできるので、何度も聴き比べました。
初回限定特典のCDを貸してもらえて公演の曲を通しで聞いていて気づいたのですが(のちにこれが後押しになって自分でも限定版を買う)、各公演で歌声まで違くないですか!?
キャラの役だけでなく、役のさらに舞台の役を、しかも歌で表現しているとは…脱帽です。
特に秋公演は虜になってしまいました。
一度見たシーンは飛ばせるのですが、ここだけは毎回聞いてました。
どの絵も好きですが、冬公演の絵が好み。
主人公の女の子が可愛いゲームにハズレ無し。
後半はメインキャラクター6人+主人公ごとにルートがあるので、それに沿っていきます。
気になる人から攻略していったら情緒が地獄を見ました。でも初見の衝撃は最初にしか味わえないからやってよかった。
攻略順は、根地→ミツキ→カイ→創→フミ→スズ→根地→主人公でした!
―根地先輩(1周目)
初見で、明るさを装っている常識人かな、仲良くなったら弱音吐くタイプかなって興味ありつつ、一周目なのでほかの人も満遍なくパラメータ上げてたのでルートにぎりぎり滑り込む形でした。
夏合宿まではカイさん、夏以降はミツキ先輩がパラメータ爆上がりだったので、好感度が高い人が出てくる個別のセリフをほぼ通らず共通部分終了。
ちなみに個別のセリフはメモしたところ、各公演に付き5つぐらいでした。日々あれだけのセリフ量で意外に少ない。
大筋のストーリーはひとつで、サブストーリーな感じで各キャラのイベントが発生すると思っていたので、途中で思いっきりルート分岐して、動悸がやばかったです。
昔、AMNESIAっていうバッドエンドで主人公が死ぬ乙女ゲームをやったことがあったので、展開が読めない中ほんとにそれに匹敵するバッドエンドを引いたかと思い、生きた心地がしませんでした。血の気が引きました。
後半は超王道!もうこれしかないでしょ!って勢いで物語が進んでフィニッシュ。最後は祈るような気持ちでした。どうか無事で。神よ!
このルートはベストエンド回収のために2周したので、また後述します。
―ミツキ先輩
嫌いな人はいないでしょう。みんなの女神。聖母。
最初の印象は、可愛い顔して毒を吐くのでちょっと苦手かもなあって思ってたんだけど、最後はニコって微笑んでくれるだけで嬉しくなっていました。
ルートの話は、根地先輩を引きずっていたのと、冬公演の再来って感じで読んでていて辛かったです。ネットの評価を見ていると最初に選んで良かったという声を見かけるので、救われました。
また、他組の2年生が活躍しているのを見れたのは良かったです。御法川先輩はメインメンバーに劣らず好きだーもっと近づいてくれー
トレゾール(歌姫)を冠しているだけあって、歌声も良い。特に主人公の希佐ちゃんとのハモリが神!
どこまでものびやかで溶けあってて幸せです。
最終公演の振付けは特にすばらしいです。
ちなみに「トレゾール」はフランス語で【宝物】という意味だそうです。
公式パートナー(?)のせいか他のルートでも正妻感が出てて笑いました。
根地先輩ルートでもよろしくって託していたので、正史(最初にやったルートのこと)でも自分の中では、これからもずっとベストパートナーとして推していきます。
―カイさん
安定して好きだろうなあって思っていて、実際に安定したルートでした。が、このあたりまで根地先輩ひきずっていたので楽しみ損ねました。
継希さんの話が聞けると嬉しい。本人が最後まで出てこなかったのはすこしだけ心残り。
田中右先輩とアンバーの2人、そして『我死為』が大好きなんですが、この回が一番好きでした。
―創ちゃん
紹介記事に「後回しにしている人は先にやったほうがいい」と書かれていたのでここで挟みましたが、はいはい、分岐っていってもこんな感じね、と慣れたときにかなり喰らいました。
―フミさん
穏やかでした。何も心配することはない。
そういえば最後のエピソードはみんな家のことを解決する話かなと思ってたけど、意外に演技のことに終始していて良かったです。
『夏劇』って小説も出ているんですが、フミさんとアンバーの絡みがとても良いです。小説だとゲームの立ち絵がない分、想像が働かされて、場面の一つひとつが新しい絵を見ているかのようにキラキラしていて最高でした。
何卒、シリーズ化されて続きが出版されますように。
―スズくん
王道ストーリー。こちらも華やかさの塊でした。
最後に明るいお話で6人締められて良かったです。
創ちゃんと鳳くんの掛け合いも良かった。創ちゃんルートを通ると全てのルートで不穏さが垣間見えちゃうんだけどさ。
1年生が活躍するストーリーだったのも本当に良かったです!
正直最後に選んだパートナーと主役をやるなんて、ご都合主義と思ってたのですが、自分が育てた後輩が活躍する舞台に立ててこれ以上嬉しいことはない、と3年生の先輩方が言っていて、そうかそういう風にも思えるんだな、と嬉しくなりました。
どんなストーリーでもみんな大好きになってしまう。
1年生だと稀ちゃんが気になるなー。もっともっと仲良くなってほしい。
(代弁してくれる稀ちゃん。ずけずけ言う物言いがだんだん癖になってくる)
―根地先輩(2周目)
というわけで、今度こそベストエンド取るぞということで2周目。この時点でプレイ時間65時間。引きずっていたのを、前2つの明るいルートでだいぶ浄化されたので、新鮮さはないんだろうなあと若干寂しさを感じながらのプレイでした。
ただ衝撃はもうなかったけど、今度は優しさが見えてきて、他のルートはだいたい最後はアンバーとの対決という流れで確執があるのですが、このルートは愛しかなくて胸がいっぱいになりました。
「嫌いです」の選択肢、希佐ちゃんが誰よりも叫んでて切なくなりました。好きなシーンのひとつです。
真実を知ったとき、真実を知ろうとしたとき、ずっと前からそこにあったのに天才ゆえに覆い隠してだどりつけなかったひとつの答え。
知っていたのにあらためて知る。声が悲痛すぎて締めつけられました。
なにが怖いってこのルートに来ないと根地先輩を救えないんですよ。カイさんがいずれこうなってたっていう台詞や、創ちゃんの根地先輩の書く舞台って海や湖が多いよねって台詞が効いてきて、のしかかる。
何故こんなにも琴線に触れるのかと、もちろん才能の多寡は天と地ほどあれど、若い頃の自分に重なる部分があるのかもしれません。
いつか今できていることができなくなるかもしれない、と生き急ぐ感情がわかるから。突拍子もないことを言って、自分を"演じて"しまうところがわかるから。
飄々としていて天才でそれだけでも魅力的なキャラクターだけど、一方でどこか現実的で、内面から触れてしまって、でも届かない、そういうところに惹かれてしまったんだと思います。
―主人公
自分は名前を夢稀(むぎ)に変えていました。
名前をデフォルトの希佐にしていると、ちゃんとフルボイスで呼んでくれるらしい、とクリアしてから知りました。
でもこの物語で「夢」が大きな意味を持って羅針盤になっていること、主人公が「たぐい稀なる才能」と呼ばれていることから、この名前で良かったなあと思っています。お兄ちゃんの"継希"と重なり合うところがあったのも良かったなと。
物語はメインメンバーで何周もしてきたはずなのに、どうなるんだろうと最後までハラハラしました。
田中右先輩もそれまで優しい人なんだなあとわかってきたつもりだったけど、演劇に対する底抜けの情熱と畏怖を感じられて、わかってた「つもり」だったんだなと思いました。キャラクターがどこまでも生きている。
ところで、名前を変えていると名前のところは「キミ」とか「お前」とかに変換されて呼ばれるのですが、創ちゃんだけは「彼」と呼んでいて、なんというか演技の強さを見せられました。
あと主人公も女の子ながら身長が165cmあって、可愛さとかっこよさが兼ね備えていたのが最高でした。詰め襟似合っててかっこいい〜
男性キャラもよくありがちな平均190cmとかではなく、175cm前後で好印象でした。
ミツキさまと3cm差なのとても愛しくないですか?
演劇がしたくなった話
ちょっと前に妹が演劇をやったのを見たことがあって、演劇やってみたいなと思ってました。
ミュージカルも好きで、ニューヨークに旅行いったときは毎日どこかで舞台を見てました。
ますますやってみたくなってしまったなあ。
子供のころの夢も「せいゆうさん」だったのを思い出したり、最近はボイトレに通ってみたりもしているので、まだまだ諦めずに練習していきたいなと思います。
最後に
たくさんスクショ撮ったけど、やっぱプレイで見てほしいし載せきれないしで、みんなやってくれー!語ろー!