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富士クリテリウム 決勝
レース情報
距離 54km 順位 7位
メンバー
畑中勇介、山本元喜、新城雄大
孫崎大樹、白川幸希、宮崎泰史
レースレポート
今日は、前日の予選で圧倒的力を見せたBSに皆が注目すると考えていた。
そして、いかにBSを倒すかという点に焦点が置かれる。
どのみち、キナンとしては、普通に集団スプリントに持ち込まれると分が悪いので、攻めていく。
この動きにどれほどのチームが合わせてくるかを考えつつ、BSも乗ってくる場合は僕もしっかり乗っていく必要がある。
その逃げを確実に決め、小集団での僕のスプリントや、逃げからの抜け出し勝利を狙うことにする。
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号砲と共にスタート。
僕は様子見のために最後尾からスタートした。
前では元喜さんや畑中さんがジャブ打ち開始。
風が強いため、集団が割れるリスクもあったが、攻撃するのも勇気がいるし、足を削る。
その中でも元喜さんは相変わらず攻めていた。
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最後尾では、明らかにBSがリラックスして走っていた。
「ある程度の逃げはフル無視で、自分達でいつでも回収できると思っているのだろう。」
と、すぐに察した。
元チームメイトで、僕もトラックをやっているので、彼らの力量や本当にやれるかどうかは容易に想像がつく。
なので、逆にこれはチャンスだと。
元喜さんの逃げが決まりやすく、うまくいけば僕も入り前待ちもありだと判断する。
すぐに先頭まで上がると、元喜さんが4名で抜け出す。
4人じゃ少ない。
数名がバラバラにアタックし、1人、また1人と先頭に合流し、7名になる。
泰史も前で動いており、僕と合流する。
「どうしますか??」
と、相談されたので、
「BSは行く気がないから、決まるぞ。
乗れるなら乗っていこう。」
と、答えた矢先、目の前でブリッツェンの選手がアタック。
すぐに泰史が反応してくれる。
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そこにパラパラと追う選手が合流し、わりと大きい逃げが決まる。
僕も乗るか迷うが、ここで動くと何人か連れていきたくない選手も来そうだった。
また、元喜さんと泰史なら勝つチャンスもあるメンバーだと判断し、この逃げを確実にするために蓋をする動きをする。
逃げには愛三、ブリッツェン、シマノの主要チームが乗せていたが、BSは上がってきておらず、ここで一気に大きな差を作ることにより、引かざる得ない展開を作ることができると思った。
さらに、1チームだけで引かせることができるので、確実にダメージを与えられると判断する。
ひたすら、アタックを潰しつつ、コーナーでは先頭で入り、しっかり減速、立ち上がりを少し踏むがすぐやめる。
といった、牽制具合をしっかり行う。
畑中さんと雄大さんもすぐに上がってきて、合流し、同じような動きをしてくれる。
愛三も1人来て、追走したそうな学生の動きが完全に封じられる形になる。
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結果、1分差ができた辺りで、BSがまとまって上がってくる。
事前に、畑中さん、雄大さんと絶対BSが上がってくるから、その時は番手に着くことが必須と確認していた。
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なので、すぐに番手ポジションを取りに行き、多少他のチームと争うが、最初から僕らが動いていたことと、人数を揃えたこともあり、番手を取ることができた。
そこからはBSの驚異的な引きを楽なポジションでこなす。
残り10周を切った頃には、前からこぼれ始める選手がでる。
タイム差も、捕らえるのは容易な差になり、スプリント展開を考え始める。
だが、キナンとしてはこのままスプリントにはしたくないので、逃げが捕まった後、雄大さんと白川が攻撃に出ることにする。
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逃げを捕らえる直前に、白川がアタック。
シマノと2人で最後まで粘っていた、元喜さん達をパスして抜け出そうとするも、集団を伸ばすだけになってしまう。
すぐに雄大さんがカウンターに動くが、これも決定的に抜け出せない。
BSの作り出すスピードから抜け出すには、それなりのスピードが必要になる。
なかなか、ここから抜け出すのは難しい。
だが、こういった攻撃により、若干インターバルがかかる。
ずっと引き続けてきている、BSも長くは対応できないはず。
本当はここで、BSや愛三、スパークルなどのスプリントで確実に勝てる見込みがあるチーム以外は攻撃するべきだ。
なので、一緒に動いてもらいたかった。
他力本願ではなく、キナンだけで崩壊させれるように我々も、まだまだ強くなる必要も感じた。
キナンの攻撃も崩せず、BS先頭のままラスト1周。
今まで動いていなかった、スプリンターチームなどが一気に前に出てくる。
僕らも被せられ、一度下がる。
こういった時は下手に粘るより、潔く下がり、大事なポイントで一気に上がった方がいい。
残り1km。
最終コーナーに向けて一気にあがる。
雄大さんも前に上がってくれており、合流を図るも、無理そうなので単騎でいく。
最終コーナーでは、BS、愛三トレインの後ろを広島小野寺選手、スパークル沢田選手と取り合う形で入る。
インから攻めてきた選手に煽られ、沢田選手と共にアウト側に追いやられる。
その時、先頭ではBS橋本選手が抜け出したことにより、集団が止まる。
イン側が空いており、そこから抜け出した寺田選手が早めの先行。
動きは見えていたが、外側に追いやられており、抜け出せる隙間がなく、見送ってしまう。
そのまま、埋もれながらのスプリントで伸びきらず7位。
キナンとしてはやれることをやれたが、最後の僕が詰めきれなかった。
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成功と失敗の繰り返しではあるが、もっと成功の割合を上げていきたい。
チームとしては、開幕戦からやりたいことをやれているので、引き続きチャレンジしていき、形を完成させていき、ビッグタイトルを狙っていきたい。