Tour of Antalya(UCI2.1) St.2
レース情報
距離 141.9km 順位 157位 総合 134位
メンバー
畑中勇介、トマ・ルバ、レイモンド・クレダー
山本元喜、ドリュー・モレ、孫崎大樹、白川幸希
レースレポート
今日は約50km地点から登りが始まり、90km地点までの約40km登りが続く。
その後、30kmほど下り、アンタリヤの街に帰ってくるレイアウト。
登りは、緩やかに登り続けるわけではなく、所々厳しい箇所がある。
キナンとしては、引き続き逃げにトライしつつ、登りをレイモンドが耐えられれば、スプリントを狙いにいく。
ということは、レイモンドが越えるのであれば僕も越えなければいけない。
作戦通り、僕と元喜さんがスタートから逃げに反応していく。
僕は調子が非常に良く、かなり踏めている。
さらに、昨日も逃げに動いていたのと、ゴール前で位置取りをしたおかげか、僕の位置が認められ始めてる気がする。
あきらか、位置取りがしやすい。
そのおかげで、常に先頭付近に位置取る。
元喜さんも、良く動けており、交互に対応していきつつ、自分たちからも動けている。
が、中々逃げが決まらず、28km地点のアグレッシブポイントまで続く勢い。
僕は、ポイントまで残り3km辺りから、少し意識し位置取りを行う。
うまく、位置取りができ、アグレッシブリーダーのトレインに収まる。
少しその位置を争いながらだが、問題ない。
残り300m。
後ろを争っていたやつと少し絡み、失速。
なんとか、すぐに位置に戻ったタイミングで、右側からアルペシンの選手がもがく。
僕も一歩遅れてもがくも、届かず。
3位で通過。
アグレッシブポイントを獲得。
スタートから約40分。
ずっと前で動いてからのもがきだったので、一回休む。
この後、スプリントポイントを経て、すぐに登りなので、逃げも生まれないと予想する。
わりとすぐに回復したので、登りを楽にこなすために前にあがる。
上がって正解だった。
また、アタック合戦が始まっている。
元喜さんがチェックした逃げが20名ほどに膨らみ、差が広がる。
バーレーンが危険と判断し、全力で潰しにいく。
かなりペースが速く、キナン勢の姿も見えない。
登り前で位置を下げるのはリスクがある。
無線でも、トマ、ドリューの位置を気にしろと指示が入る。
基本的には畑中さんと白川がいるはずだが、経験の浅い白川のことも考え、フォローできるように下がる。
トマさんはレイモンドと上がって行くところが見えたが、ドリューがいない。
畑中さんと白川もいたが、ドリューが見当たらない。
一番後ろまで下がりきったところで、ドリューと合流。
すぐに前に上がろうとするが、登り前の街中に入ったのと、SPが終わった後で少しペースが緩み集団が広がっていた。
上がるのに苦戦していると、危険を察してか、元喜さんも下がってくれていたが、反対側にいた。
合流できないと判断し、僕が連れていく。
なかなか、上がれないまま登りに差し掛かろうかというタイミングで落車発生。
かなり大規模なもので、後方20人くらいが巻き込まれた。
幸い、僕とドリューはほぼ最後尾だったため、難を逃れたものの、完全ストップ。
すぐにドリューの安全を確認し、再スタート。
しっかり目に踏んで、登りにさしかかっている集団に戻る。
なんとか追いつき、中盤くらいにドリューを放つ。
ここまで、動きっぱなしでかなりキツかった。
実際、データでも1時間半でTSS130と、ほぼ全力。
休みたいが、休みきるとまずい峠。
耐える。
先程の落車では、キナン勢は全員無事だったみたいだ。
前に全員いるのが見えた。
リズムを刻み、少しずつ、回復してきた。
回復と、消耗の狭間を絶妙にコントロールする。
車で言えば、エコモードが切れないようにアクセルを調整するようなイメージか、、、
一番後ろに20人ほどのグルペット、間に数名、前に30名ほどの大きなグルペット。
僕は間の数名。
前の30人に元喜さん、白川がいる。
絶妙な差を保てているので、焦らずにペースを刻む。
この先、少し下るので、そこで追いつければよい。
だいぶ回復してきたので、少しペースをあげ、追い抜いていくチームカーなどもうまく使い、下りで前のグルペットに合流。
これで間違いなく完走はできる。
ここで足が回復することも踏まえ、明らか調子が良い。
前にチャレンジしたかった。
タラればを話しても仕方がないので、グルペットで明日以降に備えるように休む。
レイモンドが前から降ってきた。
先頭はかなり速く、無理をすると終わると話していた。
無線から、ドリューが5人で逃げていると情報が入る。
さすが、登りが得意なドリュー。
これだけでも、前に戻したことに意味を感じれるので、ありがたい。
少し、後輪に違和感を感じる。
パンクかと思ったが、違う。
気になるが、そのまま走る。
最後のKOM、90km地点の5km手前付近で確実にパンクしていることに気づく。
スローパンクだったみたいだ。
この時はすでにチームカーが先頭に行っており、異常に滑りやすい路面をこれで下るのは無理だ。
まだ後ろに他のチームカーがいることを信じて、待つことにする。
既に頂上付近。
標高1300m近くのため、寒い。
さらに、天気が悪く、完全な雨ではないが霧雨のような感じ。
寒いので、止まって待つのでなく、歩くことにする。笑
なかなか、後続が来ない中、最後の20人のグルペットが来る。
ここを逃すと、回収車に気づかれずに置いてけぼりを食うと感じ、必死にアピール。
唯一残っていた、チームカーが気づくが、リムブレーキだから対応できないと断られる。
一気に絶望の淵に立たされ、一瞬唖然としていると、先ほどのチームカーがバックで戻ってきてくれた。
「バイクごと交換しよう!」
「これを使え!」
と、スペアバイクを貸してくれた。
すぐに乗り換え、サドル高も調整してくれ再乗。
前まで戻してくれて、グルペット復帰。
本当に助かった。
まじで、困った顔をしながら、死ぬ気でアピールしてよかった。笑
復帰し、完走できると思った矢先に、恐怖のどん底へ、、、
というのも、明らかタイヤが滑る。
クリンチャーで空気圧がパンパン。
さらに調整してくれたのはいいが、少しサドルが高い。
ハンドルもバカ高い。
フレームも少し大きい。
リムブレーキ、、、
貸してくれたから文句は言えないが、これはまじで危険なレベル。
登りでもトルクをかけると、滑っている。笑
いくら滑るトルコの路面でもこれは異常だ。
ここから30kmの下り。
やばい、、、
本気で集中し、なんなら足はあるので、集団から千切れてでも、自分の安全マージンで下る。
他の選手も安全に下っているので、奇跡的についていける。
所々で落車が起きているほど、本当に危ない路面とウェット状態。
直線でも滑りそうな感覚のタイヤ。
生きた心地がしない、、、
降りようかとも思ったが、調子が良いので最後まで走りたい。
全集中で下る。
ポジションがおかしいのと、ブレーキングがきつく、上半身が辛い。
なんとか安全に下っていた矢先、目の前で落車。
かなり、低速で曲がっているのに、こけた。
僕も少しの回避行動しかしていないのに、前輪が滑り落車。
少しでもタイヤに角度を付けると、終わるということだ。
気持ちはガン萎え。
そして、このタイヤの信用度がゼロに。
すぐに再乗するも、もう普通に下れない。
集団から千切れる。
幸い、もうすぐ下りは終わりで、斜度が緩くなり、路面も乾いてきた。
少し、グリップが戻ってきた気がするので、飛ばす。
下り切り、少し差があるが追いつける。
すぐに追いつき、ことなきを得る。
怪我はほぼなく、少しの擦過傷。
そのまま無事にゴールまでたどり着けた。
ゴール後、タイヤを確認すると、レーシングモデルではなく、かなり安く、滑ることでも有名なタイヤだった。
畑中さんからも、
「このタイヤでよく、あの下りを下ってこれたな」
と、お褒め?の言葉をいただいた。
自分の技術に自信がついたステージだった。笑
だが、彼らの助けがなければ終わっていたのは事実。
ちゃんとお礼を言いにいき、バイクも返した。
とりあえず、明日に繋がったので引き続き頑張ります。