東京事変の「選ばれざる国民」の歌詞がこの世の総てでしんどい

東京事変が解散を経て今年復活した。

私が東京事変にハマったのはアルバム「大人」をリリースした時だ。
完成されたコンセプトとクオリティの高い一品に衝撃を受けた。
曲だけじゃなくジャケットから特典から何から何まで完璧だった。
それから8年前の解散まで私は東京事変の供給を受けてきた。
東京事変を聴く人生で良かったと思う。
そして2020年に帰ってきた。



復活と共に突如解禁された「選ばれざる国民」。
今年の夏開催されるはずだったオリンピックのこの年にこのタイトル。
聞く前から神曲確定。スルメ曲って何だよ、匂いだけで米3合いけるわ。

さらに言うと、4thアルバム「スポーツ」、「ただならぬ関係」のMVまで遡れる。
2016年紅白にて都庁で披露した「青春の瞬き」のバックバンドは東京事変だったし、バックスクリーンにはただならぬ関係の映像が流れていたのを思い出す。
情報量が凄い。走馬灯か?…死んじゃうの?…私。

タイトルを見た時点でほぼ瀕死状態。震える指で再生ボタンを押す。
あっ…これは…。



…ありがとうございます。天に召されました。



幻想的なシンセと独特なドラム、相変わらず自由なギター、歌うベース。
そして民謡文化の日本人をふるいにかける裏拍のクラップ。最高オブ最高。

今回特に歌詞が素敵です。
全部名言。全編クライマックス。
こんなに過激で刺さる言葉の羅列あります?


総てはワイファイ次第 

天才。そう、4G5Gやギガより必要なのは定額で永遠に繋がれるWi-Fiなんだよ。


晒す理想像 名前を使い分け
匿う本性 削り合うエナジー
ばれ出した素顔 加工を施せ
何も生じない ファンタジー

歌詞を増幅させる掛け合いに脱帽越えてハゲる。
エナジーをエヌジー、ファンタジーをファナジーって言うところはカラオケで真似したい。絶対やる。


あわよくばワンクリックワンタッチワンチャンス

若者がうわ言のように呟くワンチャンことワンチャンス。ワンクリックワンタッチのいやらしさがワンチャンスを越えている。神。


もっと嗚呼味わいたい 直ぐ美味しく
 凄く美味しく〜気持ち良く

出ました、贅沢最強理論。
「キラーチューン」、椎名林檎ソロだと「ありあまる富」。
これ代弁してくれる人椎名林檎以外います?
善意を脳天からグーで殴りかかるスタイル。
すぐ美味しい、すごく美味しい。突然のチキンラーメン。


不公平で当然平等なんて強弁
正しい行い 均しい扱い
険しい商い 約しい暮らし
間違い裁け 出る杭潰せ
噂飛び交う 嚔に戦慄く
アリバイの嘘を探し論う

トイレットペーパーとマスクの買い占めもそれを叩く奴らも東出の不倫や唐田のインスタも何の意味があるんだと。
どうでも良くなる。勝手にやってろ。
…何を言ってるんだ私は。


人生の本番 始まんない
一向に緞帳上がんない
一生を訓練で終えるんだ
一人ぼっち そう完全に

この前にある「私は誰」を起点に一変。
クライマックスからクライマックスへ。


すべからくワンクリックワンタッチワンチャンス
清らかなエクスペリエンス

…逆だ。
今までの東京事変になかったパターンだよ。どうした。

在ると良いなが在る と良い

え?謙虚。…謙虚…。
更に突然のampm…。

僭越か謙虚か各位の任意だ
嫌っては愛しては嚼み分けていたい 容赦をせず

謙虚…でもない!
何コレぇ…相手に委ねるタイプ。
質問に質問で返すタイプ!

勘違いすな世界の平和を願え 這い蹲って
選ばれざる身分迎え入れ祝え ええもう喜んで

やば。………やばぁ。
東京事変が戻ってきてフィニッシュ。
最後の2行がパワーすぎてひれ伏すしかねぇ。
急に大名と家来出てきたし。




…この曲って表と裏があってオリンピアンとオリンピアン以外の人の歌だと思うんですよね。
今までそんなこと歌う人いました?
目の付け所がシャープ過ぎて最早鋭利。最高。
ありがとうございました。

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