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クロ色の概念


車に乗ってると自転車に乗った制服姿のOLさんと街中でよくすれ違う。


素晴らしい設計の仕方だと思う。


これは自転車にもスカートにも言っている。


そう、絶妙に見えない。


スカートの中が絶妙に見えないんだ。


あれはいったいどうなっているんだ。


暗闇しか見えないんだ。


奥行きとしては見えてもおかしくないのに暗闇なんだ。


どうなっているんだ。


見えないことはもう何十年間も何万人も見てきて理解してるはず。


それでも見るんだ。


よそ見運転、危険を冒してまでも見るんだ。


見えないとわかっている暗闇を。


脳よ、どうなってるんだ。


どういう指令をシナプスに送ってるんだ。


もっと見た方がいい景色や紅葉、透き通った空。


たくさんあるじゃないか。


なのにスカート、というか暗闇。


直入に言おう。


おじさんは暗闇を覗くのがスキ。


おじさんは暗闇を覗くのがスキ。


おじさんはイマジネーションの生きものだから。


暗闇からお花畑まで見いだせる。


それがおじさんなのだから。


紅葉を見なくても暗闇を見れば赤や黄色、オレンジまで見いだすことができるんだよ。


できるんだよ。


透き通った空を見上げなくても真っ暗闇が透き通って見えることもあるんだよ。


透き通った真っ暗闇だよ?


おじさんには見えるんだよ。


だからね、おじさんには黒なんて概念はないんだよ。


あなたがいくら隠そうとも、ロングスカートに変えようとも、おじさんの頭の中は色彩豊か、色とりどりなんだよ。


そう、おじさんの頭の中はお花畑なんだよ。


この一文であなたもやっと納得しただろう?


おじさんの頭の中はね、お花畑なんだよ。


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