ジョージだってそうなんだ。
暇や時間があるというのは一概に「良いこと」とは言えない。
犯罪をおかしてニュースになってる人間のほとんどが無職であるように。
時間は人が成長する為に必要ではあるが、そこに意思や行動が伴っていない「フリーな時間」が多過ぎると人は間違った、欲望のままに成長してしまう。
そう実感した1日だった。
私は今日朝からゴルフの練習に行く予定だった。
予定の時間に目覚め、家を出る寸前で気付いたのだ。
ゴルフバッグを会社に置きっぱなしだと。
取りに行っても良かったのだが、一旦部屋に戻りコーヒーを飲んだ。
全く外に出る気がし無くなった。
いや、違う。外出モードではあるが、予定を達成するには休日に会社に行き、会社モードを瞬間的にも味わわないといけないというジレンマに苛まれていた。
読みかけの本を開いた。
しかし脳は外出モードだ。活字が細胞を刺激しない。
この際寝てみるか。
いやムリだ。モードが違い過ぎる。
私は財布だけを持ち、意思なく時間を潰しに外に出た。
ウインドウショッピングをした。午前中から1人ショッピングを楽しむ自分に酔っていたのか何故か靴を買った。
非常に高かったが私はジョージクルーニーかのようにお洒落を気取り店を出た。
まだまだ時間があった。
たまには昼からステーキでも食うか。ビールも飲んだ。
いつも昼は和食を好んで食べるが、今日の私はジョージクルーニーだ。ワインも飲んだ。
まだまだ時間があった。
場外馬券売り場の近くを通った。ただ私はギャンブルはここ数ヶ月やってない。
ただ今日の私はジョージクルーニーだ。オーシャンズシリーズでは世紀の大泥棒を演じたわけだ。カジノやポーカーなどギャンブルはお安い御用だ。
そしてまだまだ時間もあった。
そう、そしてもちろんどっさり負けた。
そしてこの時は本当に酔ってもいた。
そして莫大な金を使って家に着いた。
皆さんもこう思うだろう。急遽暇な時間が出来なければごまみはこんなに金を使わずに済んだと。(思わない)
フリーな時間が多すぎて私はジョージクルーニーに成りきってしまったのである。
家で買った靴をごまみとして履いたが全く似合ってなかった。
慣れない食生活に胃も荒れ、金は無くなり、ジョージクルーニーでも無くなった。
私は勘違いしていたのだ。
この世界で本当に暇をしている人間はほとんどいない。
現代人は皆多忙な世界で意思を持ち、何かに向かって生きている。
ジョージクルーニーだって、もちろんそうなのだと。
(なんの話?)