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20歳の風俗嬢と友達になった話②

振り返りますと、私は昨夏に50日間ほど茨城県の山間の町に出張しておりまして。
その出張中にぽっかり三連休が出来ちゃったので、レンタカーで福島県へ一人旅してまいりました。

そこで東京から出稼ぎに来てる20歳の風俗嬢と知り合いまして(知り合うも何も客として行っただけなんですが。普段あまり風俗とか行かないんですが「旅のナニはかき捨て」と言いますか、地方にある歓楽街って妙に惹かれる雰囲気があると言うか、なんの言い訳ですかねコレ)、同じ東京から出張てことで妙に意気投合して、東京帰ったら飲みに行こう!なんて話が盛り上がった。
LINE交換してどうせ営業トークだろうと思いつつもポンポン返してくれるのが一人で飲んでるときにはありがたくて嬉しくて。
そこからほぼ毎日なんかしらの他愛のないやり取りをするようになって。
彼女の出張が終わるタイミングに結構強引に約束を取り付けて東京に戻る前に茨城でもう一回会った。
店で会ってから5日後のこと。

若い子と仲良くなった(つもりになってる)おじさんが舞い上がってるだけ、という構図で全然構わないんですが、そのとき飲みながら聞いた話がずっと頭の片隅にへばりついて考えさせられてるんですよね。

彼女の生き方がとにかく刹那的で。
嫌になったらもうこの世界からおさらばすればいい的な。
リスカの痕も沢山あるし、タトゥーももっと増やしたいんだーと。

18から夜働いて、ガールズバー、キャバ、メンエス、リフレ、、奨学金を返すために割の良いバイト感覚で始めたけど、一度良い稼ぎの生活を知ってしまうと低収入には戻れなくて。
デリヘル、ソープ、、堕ちたくなかったけど割がいいからさ。

パパ活もするよー。パパ活ってか援交だけどね笑
しばらく会えてなかったパパからお金振り込んどいたからって連絡あっていくら入ってたと思う?150万だよ!?流石にそれは最高額だけど、そんなの知っちゃうとさ。月給10分の1の生活とか無理だよね笑

一応保育士になれる資格は持ってるんだ。その為の学校通ったし、その為に奨学金借りたし。でも、保育士の給料なんて超安いじゃん。子供が好きなだけじゃ無理だよ。

どうせこんな稼ぎ方できるのも若いうちだけだし、稼げなくなったら生きてる意味ないし。
長く生きたいって思わないし、生きるのも死ぬのも別にどっちでもいい。

そんな感じ。

何も言えないというか、言う必要もないというか。
私はそもそも「死んじゃダメだ」とか「生きてればいい事あるさ」とか根拠の薄い励ましみたいなセリフは言わないタイプなので、彼女の言い分もある程度理解はできるんです。

今いるステージに満足していないから次のステージを目指す。
考え方としてはよくあるもの(転職とかパートナーを変えるとか)なので理解に難くない。
でも、その目指してる「次のステージ」が有るのか無いのかわからないのが死後の世界なので、安易にそちらを目指さないのが普通だと思う。
その反面、わからないことに希望や救いを求める人も一定数いるんだろうというのも理解はできる(共感はしないけど)。

ロジックは理解できても潜在的な本能的な部分でそれを遠ざけようとするのが生きることで。

どのように生きるか、という選択肢の中に「生きるのをやめる」というのが当たり前に存在することに軽い驚きとショックを感じたのです。

彼女は小中学校の時に苗字が5回変わったと言った。
年の離れている妹弟のお父さんは全員違うと言った。
ちゃんと付き合った彼氏は二人しかいないと言った。
月収が300万の時もあったと言った。

ディズニーが好きと言った。
肉より魚が好きと言った。
冬のおしゃれが好きと言った。

救ってあげなくちゃ、なんて考えたわけじゃない。ただ、早く冬がくればいいと思った。

それが半年前の話。


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