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海岸防災林のボランティアのすすめ①育林作業ってどんな作業?

2011年の大震災で失われた海岸防災林。人々の暮らしを守るには、これからも海岸防災林が不可欠。そんな思いから再生プロジェクトがスタートし、約10年の歳月をかけ約1,300haの海岸防災林が完成しました。これからは様々な人々の力を借りながら20年30年と時間をかけて、植樹したクロマツを健全に育成していく期間に入りました。

「私にもできることがありますか?」 共感してくださる方々から、よくいただく言葉です。今回は海岸防災林のボランティアについて、具体的にどんなことをするのかご紹介いたします。

クロマツに絡みながら成長する豆科のツルマメ


「下草刈り」
クロマツの成長を妨げるさまざまな植物の除草作業

植樹後10年までのまだ樹高が低いクロマツには、いろいろな植物が絡みつき、成長が妨げられてしまいます。たとえば、ツルマメやクズなどは育ちが良いため、あっという間にクロマツを覆い尽くし、せっかく植えた防災林が倒れたり枯れたりすることもしばしばです。
そのため季節ごとに、下草刈りやツルの除去などの除草作業がクロマツの成長を助ける大切な作業になります。
自然の中でのこの作業は、なぜか大人も子供も思わず夢中になってしまうと、体験された方から評判をいただいています。

思わず作業に夢中になってしまいます
クズが絡みつき、いまにも倒れそうな防災林
除草されてイキイキした様子のクロマツ


「間伐作業」
程よい間伐で風と光を呼び込む作業

枯れて茶色になってしまったクロマツを間伐

植樹後4年〜10年ほど成長すると、次は間伐の時期に入ります。
樹高が低く下枝の枝張がしっかりしたクロマツにするため、枯れ枝の枝打ちをして枝がのびのび育つ空間を作ります。段階的に間伐作業を施し、防災林の中に風や光を呼び込むます。この頃になると沿岸に生息していた野生動物たちもだんだんと戻ってきます。

参加者みんなで運び出します
のこぎりを使って運びやすくカット
風と光を林内に呼び込むため間伐が必要
枝も落とし広くスッキリとした松林


「ゴミ拾い&松葉かき」
人の目の行き届いた松林を目指す

昔から人々の暮らし密接だった海岸防災林。ゴミ拾いや松葉かきなど防災林エリアの見回りも大切な作業のひとつです。またボランティアしながら植物を使った遊びや、動植物の自然観察も人気のアクティビティです。

枝を使っておもちゃ作り
クズの蔓でリースづくりも人気です


海岸防災林は、日々成長をしています。また震災の被害のあったエリアにも復興の様子が感じられる新しいスポットが生まれています。
毎年変化している宮城の沿岸エリア。人々がまた集う海岸防災林をつくるためにも、ぜひ定期的に訪れて、変化を感じてもらいたいと思っています。
見て、触れて、感じたことを伝えていただく。
このこと自体がグリーンコーストプロジェクトの支援に繋がっていきます。


仙台荒浜エリアには建築家やアーティストが作った様々な小屋が
木道を通って貞山運河方面へウォーキング

次回は実際にボランティア体験してみたい!と思った方へ
グリーンコーストプロジェクトの協定団体で、定期的に活動しているボランティア団体を紹介します。

海岸防災林は日々成長しています。元気なクロマツに会いにきてください。


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