マルチ配信イベント『GOOD PLACE』とドキュメンタリー制作を手がけるUGICHINさんのナレッジ
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これまでにHi-STANDARDをはじめとしたさまざまなアーティストのMVを手掛け、その作品で日本のパンクシーンを作ってきた映像作家のUGICHINさん。コロナ禍でほとんどのライブや撮影がストップする状況で彼が行ったのはマルチストリーミング配信という全く新しい複数箇所を同時につないでひとつの画面で見せる「GOOD PLACE」という企画と、そのドキュメンタリー映画制作という挑戦でした。これまで通りの制作や仕事ができなくなった時、どのようにアクションをとったのかを聞きます。
自分に向き合って、この時間にやるべきことを見つける
こういう状況になって、パニックになってもがくのではなく、一度落ち着いて問題との距離をおきました。今の状況を無理やり変えようとするのではなく、ちょっと先の未来のためにやりたかった映画制作に時間をかけはじめたのです。これは3年前くらいにすでに構想していたことでしたが、いつも時間がなくてやれずにいたことでした。普段からやりたいことのストックは持っておき、外的要因によって予想外に時間ができてしまったらそれに向き合ってみる。ジタバタするのではなくまず自分に向き合い投資すべき題材を選ぶことで、自分自身も落ち着いて本当にやるべきことに集中することができます。
とにかくやってみる、アウトプットをはじめる
説明書を見る前に機材を触ってみて慣れていくように、映画制作をやってみようというアイディアを持ってからはそれが偶然であれ、出てきた出会いや機会を柔軟に受け入れながらとにかくアウトプットしてみることで、この『GOOD PLACE』も、そのドキュメンタリー映画制作も形にすることができました。これはMVを制作する時も同じで、自分のやりたいことだけに固執していてはものごとが前に進まないことがあるんです。それよりも、周りにいる人が楽しめるように、偶然やチャンスをうまく利用しながら変更していくことで自分でも想像もしなかったものをアウトプットすることができます。この映画制作も、はじめはフィクションのつもりで脚本を書いていたものをクラウドファンディングの相談をするうちにイベントそのもののドキュメンタリー映画にしてみようと路線変更したものなんです。
身近にいる人とチームを組んで、
どう仕事にするかを考える
自分がやるべきことを選んで、アウトプットを始めたらチームを作りそれがどう仕事にできるかという視点で現実的なプロジェクトにしていきます。実際に、僕も以前ひとりでVAMというプロジェクトをやっていました。この時ひとりでやったことでとても辛いことが多かったことに学んで、今回の「GOOD PLACE」では最初から身近な人に声をかけてチームを組んだ。チームができたら、みんながそのプロジェクトを続けられるようにどう仕事にするか、お金にするかという視点で考えていけばプロジェクトが夢物語ではなく現実味を帯びてきます。今回僕はそれにクラウドファンディングを使ったのですが、プロジェクトを仕事にするという点でよかった選択だと思っています。
「僕は成功者でもなんでもないけど、失敗だけはたくさんしているから」とTipsを語ってくれたUGICHINさん。これまで数々のMVを制作してきたUGICHINさんのTipsは、作品づくりだけではなく仲間と制作をする時のコツでもあります。この状況のなか、これまでどおりに制作ができなくなってしまった時にはこんな風に「説明書を見る前に機材を触ってみて慣れていく」精神で、好きな仲間とプロジェクトをひとつ持ってみれば今の時間をより意味のあるものにできるのではないでしょうか。
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