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トランプの喋りに不快感を覚えない若者達

報道ではハリスとトランプについて、勝敗の原因が色々取り沙汰されたが、投票した人については余り報じられていない。若い人や非白人もかなりトランプを支持したようだ。この若い人と言うのが非常に気になった。

トランプの演説の下劣さ、品格や威厳、及び倫理観や道徳観の無さは、戦後の歴代大統領の中で際立つ、と言うよりは最悪であろう。トランプが若者の間でも支持を伸ばしたと言うのは、若者は彼の言動に嫌悪ではなく、共感を得たか、または全く気にしないと言う事だ。

若者は元来、正義、平等、正しさ、弱者擁護や自然保護と言った事に敏感なはずだ。普通に考えれば、トランプの言動に不快感を覚えるはずだ。しかし、そうならない若い支持者が、少なからずいたと言う訳だ。トランプの喋りに不快感を覚えないのは何故か。

若者が育つ過程で受ける、幼児教育、小中学校教育では、丁寧な言葉使いが教えられる。また、教師たちも丁寧な喋りをする。丁寧な言葉使いが身につけば、トランプの様な下劣な喋りに不快感を覚えるはずだ。しかし、若いトランプ支持者達はそうならなかった。何故か。

教育を通して「正義、平等、正しさ、道徳、倫理、弱者擁護」が身に付かないとは考えにくい。不快であるはずのものが不快にならないのは、その不快な事に四六時中さらされて、感覚が鈍くなるからだ。

そして、この晒して来る物はインターネットの動画サイトやSNSである。そこで活躍する俗に言うユーチューバーやインフルエンサーである。

大手情報媒体メディアであるTVのアナウンサーは、正規の訓練を受け正しい発音、丁寧な喋りをする。しかし、若者のテレビ離れが進んでいるので、丁寧な喋りをあまり聞かないと言う事になる。

一方若者が良く見るユーチューバーやインフルエンサーは、同年代の共感を得るべく与太者口と言うかタメ口で、ともかく面白おかしく自分勝手な喋りをする。トランプと同じ喋りである。

情報媒体メディアの場合は、外部に放送倫理委員会があり、内容が厳しく審査される。しかし、ネットではそんなものはない。偽情報や不適切な誇張も多い。

丁寧な喋りをするには、茶の湯や生花の様に、勉強や訓練をして努力する必要がある。語彙も豊富に必要である。トランプ流はなんの努力もいらない。猿粗野な地を出せば良いのである。

こうして、下品な喋りを四六時中聞くと、トランプの下品な喋りが普通に聞こえるようになるのだ。粗野が進化し、品格が退化するのだ。

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